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やっぱりネギが好き

10年ほど前の数年間、北海道内の生産者を回っていた。前ファイターズ監督の栗山氏が同じ苗字ということで自宅を構えた栗山町という町は札幌から車で1時間ちょっとの農業の町。その栗山町のネギ農家で、ブランド作りの仕事をさせてもらっていた。

もともとネギは好きだった。ただ、あくまでも脇役。なければないで我慢ができる。その程度だった。

収穫は夏から秋にかけて毎日。ある夏の日。収穫の現場を見学させてもらった。大量のネギをカットして束にするハーベスター(収穫機)。カッコいい。農業機械は作物ごとにまったく違う。扱いを間違えると大事故になるので、稼働中に近づいてはいけない。私が知っているだけでも、ジャガイモのハーベスター、玉ねぎのハーベスターに巻き込まれて2人が命を落としている。

ネギマシン

収穫したネギは作業小屋に運ばれ、そこで、スーパーの店頭に並ぶ状態にする。土のついている一番外側の皮?を突風マシンで吹き飛ばす。

飛ばされたネギの外皮?を受け止めるネット

その後に、同じ長さにカットする。これはスッポリとコンテナボックスに収めて運搬効率を上げるため。旨みや香りが抜けていきそうなので、個人的にはカットして欲しくない。最後に数本に束ねてテープで止める。以上。作業はシンプル。でも、ボリュームがあるから大変。

カットしたネギの断片には、まるでアロエのように厚く透明な果肉。そこから極潤ヒアルロン酸のようにトロリと粘液が流れ出す。たまらない。これが採れたて、カットしたてのネギの姿。

なんとも風情のある作業小屋

熟成をさせることで旨みを増す野菜もあるが、ネギはやはり採れたてが美味い。鮮烈な香りと旨み。このネギが好きすぎて、ネギ目的で納豆を毎日食べる日々が続いた。火を通しても美味いが、そのまま薬味として食べた時に、凄まじい威力を発揮した。

大きな声では言えないが、某うどんチェーンなどで無料トッピングし放題のネギは味も香りもない。まあ、無料だから仕方ない。無なのだから。

しばらく食べてないなあ、髙野さんのネギ。そろそろ鍋の季節だし、食べたいなあ。


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