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新型コロナウイルス関連の記事をまとめました
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2022年2月の記事一覧

東京都の新規陽性者数の動向 年代別移動平均の変化 〜2/25

東京都の新規陽性者数の動向 年代別移動平均の変化 〜2/25

 東京都の新規陽性者数の7日移動平均データです(2022/1/4~2/25)。ピークを越え低下してきています。ただ、前の記事でも書きましたが、検査の飽和や検査・受診の控えによりかなり過小評価されている可能性はあります。流行曲線は前記事の予想通り山のてっぺんがつぶれて、いびつになっています。検査陽性率はまだ37.4%と高いです。

 下の左上の図をみてください。年代別の移動平均の変化です。年代別人口

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子どもの新型コロナウイルスワクチン

子どもの新型コロナウイルスワクチン

5~11歳の新型コロナウイルスワクチンについては、判断に迷うところです。現時点では、私は原則として接種した方がよい(特に年長であるほど)と考えていますが、「絶対にやりなさい」というよりは「接種した方がいいし、おすすめするけど、しっかり考えてみてね」というスタンスです。最終的には家族の判断だと思いますが、そのためには判断材料が必要です。今日は、そこのあたりをまとめてみました。

実際接種されるワクチ

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オミクロン株はなぜ病原性が低下したか

オミクロン株はなぜ病原性が低下したか

オミクロン株の病原性の低下の理由が少しずつ解明されつつあります。この論文ではウイルスの変異によってTMPRSS2という酵素のはたらきが低下することが原因ではないかと推測しています。

コロナウイルスは大きく分けて二つの方法で細胞に侵入します。

ひとつはACE2と膜貫通型セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)を介する方法(画像のa)。スパイクタンパクはS1とS2という二つの部分からなります。まず細

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東京都のコロナ感染症の動向(2022年1月~)

東京都のコロナ感染症の動向(2022年1月~)

 8月からアップが止まっていました。FBでは継続しているので、同時にアップするくせをつけないといけませんね。

 さて、ここ一カ月半の東京都の新型コロナ感染症の動向です。その前に重要なことを。新規陽性者数はひとつの重要な指標ではありますが、それだけで判断するものではありません。オミクロン株となってウイルスも変化しておりますし、ワクチンによる免疫学的背景の変化、検査試薬不足や未受診者の増加などの社会

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和製英語

和製英語

 今日は、「そんなに目くじら立てなくても」とみなさんに言われそうな話。私の拙い英語力の範囲内で書いているので、ご容赦を。

 おかしな「和製英語」の話題は各所で見かけます。和製英語とは、一種の和製外来語、日本で日本人により作られたものです。英語圏では別の表現がされるため、理解されない場合もあります。それでも、日本人にはなんとなくわかるのが特徴です。代表例としては、「テイクアウト」。「お持ち帰り」の

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東京都のここ2か月の年代別新規陽性者数の動向

東京都のここ2か月の年代別新規陽性者数の動向

  今日はここ2か月の東京都の年代別新規陽性者数の動向です。図を見てください。デルタ株(右)とオミクロン株(左)を比較しています。

  デルタ株ではまず20歳代、30歳代が急速に増え、わずかに遅れて40、50歳代、そして高齢者と広がりました。ちょうどワクチン接種が急速に進行していた時期で、しかもデルタ株にはかなり効果があったため、接種を完了した高齢者の感染は少数にとどまりました。ミドルエイジのワ

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新型コロナウイルスとT細胞

新型コロナウイルスとT細胞

 今日はコロナウイルスに対する免疫の少しいい話。抗体は下がっても、新型コロナウイルスをやっつけるT細胞はしっかり反応しているよという内容です。2つの論文を紹介します。少し専門的な内容ですので難しいところがあってもご容赦を。

 メディアではウイルス中和抗体ばかりが取り上げられますが、免疫はそれだけではありません。テレビなどで解説する専門家が「抗体が減るから免疫が低下する」という言い方をすることがあ

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