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『湖南市の中で』【湖南市プラン】2023年参加者レポート①

プラン参加の目的や移住を考えた経緯について

 私がこのプランに参加した理由として一番大きいのは、どんな業種が社会に存在し、どう地域と結び付いているのかを知ることでした。
私はまだ大学生で、就活も始まっていない状態ですが、周囲の人達がインターンシップなどに参加しようとしていたり、企業や行政局が実施する説明会の案内が大学から提供されていたりと、就職を考える機会に溢れていました。しかし大学の授業や課題の都合上、それらの対面説明会や体験会には参加できない状態にあり、中には本格的に準備を始めている人たちも居たため、私は出遅れている感覚があったのでかなり焦っていました。

そんな時に、大学の講義にゲストスピーカーとしていらっしゃっていた、株式会社いろあわせの代表の方が、今回の企画の紹介をして下さり、興味を持ちました。滋賀県外在住の人のみという事でしたが、電車で行けなくもない距離だったため、日程的な都合の合う湖南市プランに参加することにしました。
尚、このプランを選んだ際、滋賀県の市町村は大津、草津などは知っていても、湖南市は全く知らない状態でした(守山市は行ったことがあるので覚えていましたが)。なので、見ず知らずの土地に行くという事で、不安を抱えながら集合場所に向かいました。

1社目の体験内容や企業の魅力について

まず1社目に向かったのは、『社会福祉法人八起会』さまが運営する石部ケアハウス。ここは高齢者介護施設だが、実施しているサービスは4つに分けられる。今回はその内2つのサービスを見学させていただいた。

1つ目は「入所サービス」。施設に泊まり、そこで食事や入浴をし、生活を送っている方々の為のサービスで、24時間365日稼働している。入浴の設備の映像を見せていただいたが、かなり大がかりな装置(力仕事はあまり無い)で驚いた。なんと住所も移せる施設もあるそうだ。

もう1つが「通所サービス」。住まいは自宅だが、食事や入浴をする為、または日中を自宅で過ごせないなどの理由で通所している方々の為のサービスだ。見学させていただいた時はカラオケでレクリエーションを行っており、利用者の方々は盛り上がっていた。他のサービスには「訪問介護サービス」、「居宅介護支援」がある。

このように利用者の状況に応じ様々なサービスを提供しており、その臨機応変さには驚かされた。そしてこの施設の職員も、レクリエーション中の利用者も、とても楽しそうに映った。私が昔行った施設ではそのような事は見られなかったので、とても印象に残った。

2社目の体験内容や企業の魅力について

 2社目に訪れたのは、1社目のすぐ近くにある、『日本シーエムアイ株式会社』さまで、近年成長の著しい半導体産業に欠かせない機械のパーツを製作している。半導体の生産には数々の工程が存在し、その数は約1万にも及ぶそう。
しかし今回の企業が製作しているパーツを作るにも多くの工程を要し、今回はその一部を見学させていただいた。様々な特徴を持ったプラスチックから、沢山の種類の形を持った部品に作り替える技術や、その部品を接合する技術を間近で見せていただき、とても興味が湧いた。

また工場内は空調が効いており、自分で想像していた製造業とは印象がまるで違った。精密な組み立ては窓越しに見学させていただいたが、作業服に身を包んだ従業員の方々が、作業書代わりのタブレットの片手に組み立てている光景は圧巻だった。全てが同時という訳ではなく、それぞれが担当する製品を組み立てていく様は、沢山の工程がある事をその目で確かめられたため、とても興味深かった。

地方で“はたらく選択肢“について

今回のプランの参加を通して感じたのは、地元の関わりの強さです。1社目の2社目の場所は近いとは言え、肉眼で見える距離でもなければ、業種も異なります。企業間は車で移動したが、道中は急な坂道もあり、もしこの移動が徒歩ならば、体感近いとは言えない距離だと思います。それにも関わらず、互いにその企業の事を認知していたのは驚きでした。
1社目のケアハウスでは地域に根付いた活動が大きく、それがとても伝わってきた。2社目の工場は一度場所を移動したそうだが、遠くの都心に拠点を移さず、近くで再び営業したそうだ。その行動も、もしかしたらこの意識が働いているのかもしれない。
それと同時に感じたのは、公共交通機関の少なさだ。集合場所はかなり大きな駅だったが、そこから車で10分もすれば周囲の景色は一変する。田畑が広がり、周囲は山に囲まれていた。バス停は道中にいくつか見られたが、私達が向かった方向には電車が伸びていなかった。なんとなく予想はしていたが、念の為確認してみた所、やはり移動の中心は車になるそうだ。伺った企業の従業員の方々の出勤方法も、車が大半だそう。家が職場に近い方は自転車での出勤も可能だそうだが、車の重要性がありありと伝わってきた。1社目のケアハウスはかなり山の上の方にあり、利用者の方々も基本的には車や送迎バス(恐らく「通所サービス」は送迎バスと考えられるため)で利用していると考えられる。また周囲に日用品を売っているお店もあまり見られなかったため、生活に車は必需品と考えられる。

ここで、地方で働くことを考えてみる。確かに地元の人々の関わりは大切だと私は思うし、良い職場環境を生み出す要因にもなるだろう。しかし、車が必需品という事がどうしても引っ掛かってしまう。昨今の情勢でガソリン代の上昇、車の購入や維持にもかなりの資金が必要という情報もよく耳にする。また、何らかの要因で運転が出来なくなった時の事も考えると、やはり地方で働くには公共交通機関の少なさがネックだと感じた。家を職場の近くにするという手も取れるが、確実にそう出来るとは限らないところも含めて、検討する事は多いなと感じた。

地方とは違い、大都市の企業で働くことで、上で挙げた公共交通機関の問題は解消されるだろう。しかし都市の企業にも検討すべき事柄が多々あるのも事実なので、一概にどちらが良いとは言えないと感じた。この視点を持って、今後の就職活動に臨もうと思う。

※訪問企業情報
<1社目>
会社名:社会福祉法人八起会
住所:〒520-3112 滋賀県湖南市丸山4丁目5番1号
TEL:0748-77-0187
公式WEBサイト:http://www.hachikikai.com/#gsc.tab=0

<2社目>
会社名:日本シーエムアイ株式会社
住所:〒520-3121 滋賀県湖南市西寺2丁目2−10
TEL:0748-77-8551
公式WEBサイト:https://nippon-cmi.co.jp/
 

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