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滋賀の良い店、やばい店 湖西編 その①


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南は大津、北は福井の手前まで縦長に延びる滋賀の湖西というエリアは、日本のカリフォルニアにもフィンランドにもなり得る無限の可能性を秘めている。(個人的見解)

まず都との文化を隔てる山脈が背後に迫る湖西はひたすらびわ湖との距離が近い。湖西を南北に貫く県道558号線はびわ湖とつかず離れずを繰り返し、161号線と合流後の白髭神社付近では、真隣まで迫る青の湖がその偉大さを示している。

比叡山ドライブウェイや湖西道路の北小松ランプ付近から見渡すマザーレイクも絶景。びわ湖バレイの下りのロープウェイでは、そのままゴンドラが突っ込むんじゃないかというくらい真下にびわ湖が広がっている。

とにかく湖西は「母なる湖と生きている」感がすごい。

そして滋賀を代表するビーチ(ツッコミは受け付けない)の一つ・近江舞子中浜から見るびわ湖はカリフォルニアのそれと見紛うくらいの美しさ。その透明度、白砂の感触。現地に行ったことはないけどきっと西海岸もこんな感じ。その証拠に、アメリカナイズされたようなピザやハンバーガーの名店が何軒もある。

そして北へ進むに連れて気候が寒冷になる高島付近は針葉樹林が多く、その代表が滋賀の誇る絶景の一つであるマキノ高原のメタセコイア並木だ。紅葉シーズンには恐らく滋賀で一番人が押し寄せる名所。この黄金色に光り輝く秋の並木道や、その葉が落ちて背後に雪を被った比良山系が連なる冬の景色を見れば、「そうか~滋賀って北欧だったのかぁ~」と間の抜けたような感想が漏れる。

とにかく見所の多い湖西。縦に長いため、やばい店の数も尋常じゃない上、それぞれ距離があるのでそのどれもが激しくインディペンデントな存在だ。

やばい店★★★★★
きべ
大津京駅前という超好立地ながら、全く存在感のないエアポケット的喫茶店。この昭和レトロを見つけただけでも大収穫なのに、それで終わらないのがやはり滋賀。閉店間際に訪問すると、もう1階は閉めるけど2階で同じメニューが食べられますとのこと。しかし通された2階は、まさかの同じ名前のお好み焼き店。人々がビール片手にじゅうじゅうやる中、一人鉄板の隅であんみつをつつくという罰ゲーム的展開に。ちなみに2階で喫茶店のメニューを注文したら、かなり怪訝な顔をされる。
ジャンル:喫茶店 ランチ:◎

良い店★★★★★
ソニドーロ
京都の街中で15年間都人に愛されて来たイタリアンが、2016年大津京に電撃移転。理由は「手狭になったから」。イタリアの小さな食堂をイメージしてコツコツ作り上げた赤い壁のお店が一転、がっつりテナントの様相に。しかしミラノ仕込みの腕もソウルももちろん健在。京都と滋賀では外観の判断基準が全く異なるという好例。
ジャンル:イタリアン ランチ:◎

やば良い店★★★★★
寺田物産
名前だけではまず訪問のしようがないその正体はみたらし団子の名店。近江八景の一つ、唐崎神社の真向かいにある門前茶屋という位置づけ。店内に飾られた賞状や浮世絵が長い歴史を思わせ、もしかしたら親子三代なのかななんてぼんやり思っていたらまさかの現在19代目。(創業は697年で平安京より先輩。)店名と歴史の長さは必ずしも比例しないという好例。そして超美味。
ジャンル:みたらし団子

やばい店★★★★★★★★★★
青木煮豆店

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遠くから薄々と感じるヒッピー臭。即座に視認できる情報は「煮豆と昆布巻」、かろうじて「COFFEE」、「サウナございます」。大前提は3代続く煮豆と昆布巻の店。その煮豆から派生した様々なスイーツとコーヒーが外と内の中間のようなポップな空間で味わえる。そして店の真裏のプライベートビーチではテントサウナが楽しめる。店主曰く「サウナで世界を変えたい」。
ジャンル:煮豆とサウナ

やばイベント★★★★★
団喜

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全く想像力をかきたてない名前の実態は大福餅の専門メーカー。ここで毎月第4土曜日に行われるのが500円で大福詰め(乗せ)放題。支給された袋に饅頭を詰め(乗せ)て係の人の持つ袋まで持っていければOK。係の人のいるテーブルに近い方が間違いなく有利。「滋賀って大福が有名なの?」「そんなに大福食べられる?」という素朴な疑問は破天荒なイベントの前では灰燼に帰す。
ジャンル:大福

やば良い店★★★★★★★★★★
ファミリー れすとらん ひろせ 寿し正

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統一感、語感、受け手のイメージなどを一切無視した長いだけの店名。飲食とは相性の悪い寒色系の外観。ここまでやばい見た目は大抵良い店なのが滋賀の法則。それどころかここは湖西を代表する海鮮料理の名店。離れの二階で分厚い刺身定食を味わえば、若狭湾沿いの民宿と錯覚するレベル。そしてコース料理を頼んだ日には、一生分の魚を食べるハメに。
ジャンル:海鮮料理 ランチ:◎◎

良い店★★★★★
ほっとすていしょん比良
店名からしてすでに和みまくりの正体は、地元の味噌加工グループのお母さんたちが週2日だけ営むアンテナショップ兼食堂。春は店の前一面に菜の花が咲き、そんな美しい景色をみながら三段重の里山弁当を食べているとなんだか泣けてくる。地元のお米を使った米粉パンや米粉ドーナツは購入必須。駅ほぼ直結の湖西ではありがた過ぎる好立地。
ジャンル:食品販売、食堂 ランチ:◎

やば良い店★★★★★
すしとおはぎの駅長さん
「すし」は鯖の握り寿司やちらし寿司、「おはぎ」は誰もが想像するあのおはぎ。では「駅長さん」は?ここでいつもの滋賀のやばさを発揮されると思いきや、その予想だにしないエピソードに不意を突かれて涙でおはぎが見えなくなる可能性有。昔ながらの和菓子屋のような店舗の隣にウッドデッキがあり、そこから店主自宅の日本庭園を眺められるというちぐはぐさでなんとかいつもの滋賀らしさを取り戻す。
ジャンル:すしとおはぎ

やば良い店★★★★★
白ひげ食堂

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急に人口密度が高まる白髭神社の手前で無視できない「めし 豚汁」の文字。観光地というアドバンテージに一切媚びないその外観から好印象。扉を開けてもその好印象は続くどころか感謝の域に。外観からの期待をここまで裏切らない内観に脱帽。そして目に留まる「コク辛スープ 豚汁ラーメン (温玉入り) 650円」の文字。佇まいだけでも表彰したいのに、メニューでオリジナリティを発揮し、その珍メニューがまさかの美味。こちらの想像を遥かに超えるパフォーマンスに拍手喝采が止まらない。
ジャンル:大衆食堂 ランチ:◎

やばい店★★★★★
麦工房らくだ

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決してメニューは多くない食パンメインのパン屋。店主は大阪でパン屋を17年営み、ある日滋賀、しかもだいぶ北の新旭の特にびわ湖にも近くない街中に移転。大病を乗り越え、それでもパンを焼き続ける店主の趣味は鉄棒の大車輪。パンが売り切れてしまったお詫びに大車輪の動画を見せてもらえることもあるのでとにかく訪問することが大事。その前にパンの予約が大事。
ジャンル:ベーカリー

やば良い店★★★★★★★★★★
COFFEE WORKS PLUS

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ほっそい砂利道の先にある小屋、その小屋の中に広がる小宇宙。ここは新旭という土地にコーヒー革命を起こした自家焙煎珈琲店。見た目も生き様も男前な店主や、文句なしに美味しいスペシャルティーコーヒーにはぐうの音も出ない。面識のないブルガリア人から購入した焙煎機や小屋の前に鎮座する型の古い自販機など見所多数。ワインとチーズの種類が半端ない。
ジャンル:コーヒー

良い店★★★★★
古道具 海津
もはや湖北なのでは?という素朴な疑問はさておき、高島まで来たらあとひと息気合いを入れて行きたい名店。古民家いっぱいにディスプレイされた古道具は滋賀随一の品揃えの良さ。カフェも併設しており、びわ湖にせり出したテラス席からの眺めは絶景の中の絶景。ここは滋賀のハワイ。
ジャンル:古道具、カフェ ランチ:○

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