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コロナと神戸、年の瀬にわかったこと


日曜日。えげつない寒波を前に、休まず大晦日まで店に立つことにした。東京や大阪、京都などのように政府の決定を待たずして首長が決断したことに関しては羨ましく思う。良くも悪くも潔い方が判断がつく。兵庫県は未だはっきりしない。リーダーの揺るぎない一言って大きいよ。ラグビーやってた時と同じで、着いていこう、決め事を守ろうって思えるし。

無論今年はいつもと違う。大掃除のエンジンは掛かりにくいし、体感の季節感はまだしも、何せ数ヶ月が抜け落ちた。いつもの生活というものが如何に退屈であったとしても、それができることを懐かしく愛おしく思えるくらい、日常は変わった。いい習慣を取り入れ、悪しき行動は過去に置く。


年の瀬は大掃除以外ゆっくりと時間が過ぎる。
ちょっと休憩にココを書き始める。それは、過日のこと。

もう30年近く住んでるのに、たまに「まだ神戸に馴染んでいない」と言うと、叱ってくれる神戸の人がいる。僕にとってはまだまだ続ける糧にするための言葉だとしても、神戸の仲間は僕を既に受け入れてくれてるそうだ。先日も感じの悪い一見さんお断りの高級鮨店での体験を例に挙げ、首のないキャラクターみたいな男に珍しく興奮気味に言われた。そういう風に叱られるたびに、殻みたいなものが剥がれていく気がしていた。と言うか、もうそんなものはないと知った。うわべの仲良いフリはいらない。神戸はいいね。

クリスマスイブには、毎年男が集まってくる。今年もそういう夜だった。いつからかクリスマスは「演出」から遠ざかり、気の置けない仲間の方が楽になった。それぞれが戦っていて、鎧をどこかに置いてから同志で酌み交わす。仲間が潤してくれるからイベントなど重要ではない。そんな中、見慣れない番号から着信があった。この辺では「ヤンチャ」で通ってる10代の頃から知ってる男だった。「新しい番号なんで登録しとってください」これを全ての知人にやってるとは思えない。嬉しかった。この神戸も好きだ。

こうして発信しているブログが、まだ会ったことのない人に届くこともある。数ヶ月前突然閉店後に扉を叩いた男性がいた。岐阜から好きな神戸旅に来ているといい、近くの占い師?に場所を聞いたと言う。その経緯は未だによくわからないが、もう閉店時間だったのでその日はお断りし電話番号をお教えしたら、何と最近またやって来た。そういう人を無下にはしない。20周年の時につくった記念本で知った「その店になぜ行くのか?」人にはそれぞれの理由があるはずだから。一見すると、少々とっつきにくい関西にはいないタイプだったが、僕は常にそういう場合の一口目で箸を置こうとはしない。その奥に旨味があるやも知れず、咀嚼には少しの対話が必要である。この人は面白かった。興味のあったグレートコンジャンクションの話や、CI(これは何の略かはここでは触れない)のこと。以前、メンサ(人口上位2%のIQを有する)の数人が来た時の感じに近い頭のキレる人、言葉のチョイスにシンパシーを覚えた。めちゃくちゃ行きたい金沢の名店にコネクションがあると教えてくれたが、連絡先を聞くのを忘れたのは少々後悔。

気を遣わなくていいご近所夫婦の来店。彼らとは、男女問わず「苦手なタイプ」が似ているのでいつも本音が飛び交っている。その嫁さんが誕生日だったけど、SNSでは上げてないと言った。ああいうものは返事が大変で、よく知らない人の便乗にまでスルーできない性格だから、最初からオープンにしない。共感。しかしその日に来てくれる。何とも楽しい夜だった。


さて、まだ掃除がある。神戸の加納町で今年も同じことができる幸せ。

コロナがあろうがなかろうが、この日常があれば何とかなる。


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