京都駅ビル開発のクラウドサーバへ不正アクセス、個人情報流出の可能性
こちらのnoteは、セキュリティ専門家松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」4月29日の放送内容を一部抜粋しご紹介します
今回の解説ニュース
クラウドへの不正アクセスで個人情報が漏洩した可能性があるということです。クラウドが不正アクセスの被害を受ける原因と、長期休暇前にクラウド環境のセキュリティで気を付けるべきポイントについて説明します。
今回のインシデントでは、部内業務で使用するクラウドサーバへの不正アクセス攻撃が判明しました。サーバの部内業務資料には、氏名、住所のほか、一部に役職名や電話番号、メールアドレス等の個人情報が含まれており、流出の可能性を否定できない状況であるということです。侵害経路等の原因について、外部の専門機関とともに調査を進めています。
対策として、個人情報保護委員会への速報と、警察への通報は完了しており、対象の顧客には順次郵送で連絡を行うということです。
クラウドサーバへの不正アクセスでよく見られる原因
クラウドサーバへの不正アクセスでよく見られる原因の一つとして、「クラウド移行時にセキュリティの前提が見直されないまま、ユーザ認証やアクセス制限の設定が引き継がれてしまうこと」が挙げられます。今回、インシデントの詳細は公開されていませんので、あくまでも一般論として説明します。
在宅勤務やリモートワークが広まる中で、クラウドの活用が求められる機会が増えてきました。かつて、社内の情報共有として使われてきたオンプレの社内システムも、クラウドサービスに置き換えられることも少なくありません。仮に、オンプレからクラウドへ移行する際に、クラウドのストレージサービスとオンプレのファイルサーバで同じ設定をしていた場合、それぞれのセキュリティリスクは同様になるのでしょうか?
もともと、オンプレのファイルサーバはクラウドを前提とした設定になっていたでしょうか?言い方を変えると、インターネットに公開されることを前提とした設定になっていたでしょうか?具体的には、社内の限られた人しか物理的にアクセスできないことを前提にしていた場合、ユーザ認証やアクセス制限は見直される機会がないまま、オンプレからクラウドへ移行されてしまうかもしれません。これが、クラウドで不正アクセスの被害が発生してしまう原因の正体です。
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