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リモートでプレゼンする自分を救うために、Googleの拡張機能をつくりました。

シフトブレインでコピーライターをしています、ジョンと申します。つい先日Googleの拡張機能をつくったので、そのお話をしたいと思います。

弊社は3月からリモートワークを開始しました。緊急事態宣言の解除とともに出社ルールは緩和されましたが、現時点でも基本的には自宅作業です。これまで体験したことのない働き方を余儀なくされる中で、良いことも悪いことも感じることができました。今回は、ぼくが特に解消したかった「悪いこと」について書こうと思います。

会話を大事にする会社。

リモートワークをするようになって改めて感じたのは、弊社は会話を大事にしていたということ。スタッフ同士が頻繁に相談し合うことで認識のズレは減り、比較的スムーズにプロジェクトが進むことが多いです。当然個人差はありますが「ログも残るからチャットで良くない?」の合理派もいる一方で「いやこんなに近くにいるんだから話そうよ」の感情派も多い印象です。ちなみに以前、社内で行われたリモートワークに関するアンケートでも「雑談が減ってさみしい」という意見がチラホラありました。
※「雑談が減って集中できる」もあったことは内緒です。誰にも言わないでくださいね。

実はコロナ問題が起こる何年も前から、弊社はリモートワークを試験的に行ってきました。それでも結局定着しなかったのは、直接話せたほうがいい場面が多々あることを多くのスタッフが抱いていたからのように思えます。

しかし出社もままならない状況になった3月以降、ぼくたちは、(どちらかというと)苦手な働き方を強制させられることになったのです。

ミッションを体現するチャンス。

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これは昨年から社長と半年近く話し合い、今年の4月に策定した弊社のミッションです。ぼくの経験上、ミッションやビジョンといった抽象的な言葉は日々意識されることなく、すぐに忘れ去られてしまいます。書いて終わりになってしまっては、せっかくのミッションもただのゴミ。浸透し、定着して初めて、ミッションはその役割を果たしたといえます。
奇しくも直接のコミュニケーションを絶たれたこの状況こそが、ぼくらがまず楽しくクリアすべき課題なのではないか。そんなことを考えたのです。

リモートのプレゼンは、合いの手がないと本当にキツい。

そう感じたのは、まさに上記のミッションを社内で発表したときのことでした。そのときすでに弊社ではリモートワークが始まっており、テレカンで社員のみんなに説明しなければいけなかったのです。
ぼくはあらかじめ用意したスライドを画面共有して話したのですが、当然ぼくのPCにはスライドのみが映り、みんなの表情やチャットの内容がまったく見えません。まるで壁に向かって話しているような気分になり、どんどん自信がなくなっていく。声は小さくなり、すごく早口になってしまっていたように思います。

あくまでもぼくの感覚ですが、合いの手を入れてくれる人は20人に1人。実際にぼくも聞き手のときは、心ではうなずいていてもわざわざ声に出さないことが多いかもしれません。話し手からするとそれは、無反応と同じです。これは良くない。せっかく伝わるものも伝わらずに終わってしまうかもしれないのですから。

決め手は音でした。

弊社ではテレカンの際、Google Meetを使っています。

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こちらは弊社恒例の個人発表。自由にテーマを選び、毎週末、持ち回り制で行っています。ご覧のように、画面共有をするとこのような見た目になり、聞き手の顔が見えません。もちろんスライドのウインドウを少し狭めるという選択肢もありますが、狭めればスライド内の文字が小さくなって見えづらくなりますので、共有する意味がなくなります。また、ダブルモニターの有無は自宅の作業環境によって様々でしょうから、平等な解決策とはいえません。

だったら、聞き手がボタンひとつでリアクションして、スタンプが話し手に表示されたらどうか?と思いましたが、pdfやkeynote、パワーポイントなどの別ウインドウはMeetの外での作業。もはやMeetで制御できる範囲を超えているため、スタンプは話し手には表示されないことがわかりました。

「じゃあ、音出すしかないな」ということで、さっそくCTOの安友(ヤストモ)に相談したところ「できるよ」と即答。Meetのソースを見ながら「たぶんコレをこうしてああして、こうすればいけるんじゃないかな」と淡々と呟いてる姿が本当にかっこよかった。皆さんにお見せしたいくらいでした。

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↑CTOの安友

かくして、拡張機能の制作が始まったのです。

デフォルトはシンプルに。

当初から社外の方々にも公表し使っていただきたいと思っていたので、デフォルトは極めてシンプルです。

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合いの手は「へぇー」「うんうん」「なるほど」「えぇ」の4つを用意しています。

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こちらは実際のインターフェース(拡大)。画面左上に、このようなボックスが出てきます。アイコンを押せば合いの手を入れられる。それだけです。

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聞き手の人同士でも楽しめるように、音声と同時にスタンプも表示されます。ちなみにスタンプはアートディレクターの藤吉に依頼。
音声は、弊社の女性広報スタッフの松沢にお願いしました。彼女の声は聞いてて元気になるので、絶対にこの人しかいないと無理を言って録音させてもらいました。実際に使用している「なるほど」を添えておきます。

なお、マイクのアイコンはミュートです。Meetにデフォルトで備わっているマイクオフを使用すると音声が流れないので、この拡張機能専用のミュートボタンを用意しています。ご自身のマイクの音はミュートしつつ、合いの手の音声を送れるようにしました。

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カスタムで自分らしい合いの手を。

「Add」ボタンから、お好きな音声とスタンプを自由に追加できるようにしました。「なるへそ」でも「さすが社長」でも、好きに追加していただいて構いません。それぞれの個性が感じられる合いの手があれば、プレゼンの場がいっそう楽しくなるだろうと思っています。なお、「Edit」からは、削除や変更が可能です。

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Slackの絵文字のように、その会社ならではの合いの手が生まれたらいいなと思います。

みんなで楽しくつくり、課題をクリアする。

先ほども書きましたが、「ウチのミッションはこれです」と言ったところで次の日には忘れられていくものです。今回の拡張機能はビッグアイデアでこそありませんが、目の前にある問題・課題を楽しく解決していく一つのやり方として、まず自分が行動で示したかったという思いがあります。ただミッションを発表するよりも伝わるし、浸透すると思ったからです。

ビジネスシーンでは常に問題がつきまといます。そんな中でも楽しめる方法を発見して、プロジェクトを成功させようとするのがシフトブレインでありたい。そんな願いとともに、筆を置きたいと思います。

拡張機能はこちらからどうぞ。

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あ、名前は「naruhoro」と名付けました。ナルホロって、なんかかわいいなと思って。


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