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時間は戻らないこと

お立ち寄り頂きありがとうございます。
さて、何を今さら、なのですが、時間は戻りません。
今日はしみじみと考えたことのお話です。

例えば一年前、現在の状態を想像することはできませんでした。現在の状況、というのはつまり、父が病気をして、要介護認定を受けて、介護が始まって……というような状態です。
考えなかったことの方がおかしい気もするのですが、自分が父を介護している状態、というのを、あまり思い描けずにいたのが事実です。

ところで、Googleストリートビューで自宅の周辺をお散歩してみると、我が家の畑に辿り着きます。その二年ほど前の写真に、父が畑仕事をしている姿が映っています。もちろん顔はぼかされていますが、元気だった頃の父に間違いありません。
いつ最新のものに更新されてしまうかわからないので、こっそりスクリーンショットを保存しています。
作物の様子を確認している様子なのですが、例えばその作業をしている姿を、実際にはもう見ることができないのです。あんな風に中腰で畑仕事をすることは、もうありません。

毎朝分担して掃除をしていたことも、家の外に置いてある椅子に座って一服しながら対岸を眺めていたことも、屋根に取り付けてあるテレビのアンテナを、台風の後で屋根に上って直してくれたことも(父八十歳のときの出来事でした、それはそれで危なかったですね)、思い出の中の出来事となりました。

私がいつまで経っても親離れのできない、自立できない人間なので、父は老け込む暇がありませんでした。なので周りからもよく、「え⁉ もう八十歳超えてるの⁉」と驚かれるくらい、若く見られる人でした。病気をしてからやはり、ちょっと年相応になりました。

何だかその現実に、まだどこか追い付けていない自分に気付いたのです。
うまく言えないのですけど……何やら時々、現実感が薄れてふわふわしてしまいます。特に父が介護サービスの利用で家を空けている間などに、そんなふわふわがやってきます。

仮にどれだけ泣いても暴れても、過ぎて行った時間は戻らないことを、今さらのように突き付けられています。判っているつもりでいて、解ってはいなかったのでしょうね。

だからせめて、今の私ができるのは、父と過ごせる「今」を大切にすることなのだろうな、と思います。
沢山話して、沢山笑って、できることはサポートして、逆に父が力になってくれることをありがたく受け入れて(存在してくれることが何よりの支えです)、そんな風に毎日を大切にしたいな、としみじみ思ったのでした。

ついつい、目の前の用事に追われてバタバタしてしまうのですが、忙殺されるだけに終わらないように、今の時間を抱きしめていきたいものです。

この先、父の身体の状態が今より悪くなっていくかもしれないことも、母から釘を刺されています。確かに考えておかなければならないことです。
ただ、そこだけにフォーカスしてしまわないように気を付けたいと思います。どう騒いだところで、結局「今」しかなくて、先のことは今の積み重ねでしかないように思います(もちろん先のことも大切ですが)。

色々ぐだぐだと回り道をしましたが、とにかく今を一生懸命生きたいなと思ったのでした(一生懸命、と書きましたが、力を抜くことも大切なので、そこはバランスを考えます)。

お読み頂き、どうもありがとうございました。

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