やすらぎ支援日記
グループホーム(GH)に入所している軽い知的障害と自閉症のTさん(被保佐人 男性)の趣味はクラシック音楽を聴くこと。私などは聞いたこともない曲や作曲家をたくさん知っている。通所作業所が休みの日には、図書館から借りてきたCDを聴くのが何よりの楽しみだが、もっと好きなのはコンサートで生演奏を聴くこと。でもそんなにお小遣いがないので、無料の演奏会などを探して聴きに行っている
先日、相談員から有料のコンサートチケットが2枚手に入ったのでとTさんにくださった。大きなホールなので一人で行かせるのは心配と、GHの施設長が仕事が空いているからと一緒に行ってくれた。
忙しいのにすみませんでしたと言うと、「いやあ、ぼくも楽しかったですよ、ぼくのほうがこういうコンサートのマナーに慣れていないから、拍手するタイミングも隣の座っているTさんの真似ばかりしてました」と嬉しそうに話してくれた。
Tさんは久しぶりのコンサートでご機嫌。
本来の仕事の枠をちょっとだけ踏み越えてTさんに関わってくれた相談員と施設長。後見人も含めて「私たちの仕事はここまでしかできません」ときっちり線引きしてしまうと、Tさんのように親族がいない人の暮しには、だれも埋められない隙間ができてしまう。相談員と施設長の心遣いに感謝。