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Asako51_№17

🇫🇷TEMPURA
AUTOPORTRAITS DE TOKYO

フランスで年4回発行される日本文化を紹介する雑誌“TEMPURA”で連載中のインタビュー記事
“AUTOPORTRAITS DE TOKYO”=”東京に住む人たちのセルフポートレート”を日本語訳したものをnoteに記録しています。

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TEMPURA_№17 / 2024.4

Asako 51
MANGAKA

Photo / Text : Ayaka Shida

生まれたのは仙台で、育ったのは千葉県です。『うめ』というペンネームで、2人組の漫画家をしています。私は主に作画を担当しています。
子供の頃から絵を描くのが好きでした。7年通った大学では政治経済学部に在籍していました。

当時はモラトリアム期で(笑)漫画を描くのは好きだったけど、漫画家になるのはどうせ無理だと思っていたし、なろうとも思っていなかった。
でも、そろそろ卒業しないといけないし、最後に挑戦してみるのも悪くないかな、と思い、コンテストに投稿しました。その時は賞を獲ることはできなかったけど、それをきっかけに担当編集者がついてくれたんです。
次に賞を獲れるように、一緒に頑張ろうと言ってくれる存在ができました。

大学を卒業してからは、アルバイトをしながら漫画家のアシスタントをしました。
締切日が近くなると徹夜することもあって大変でしたが、みんなでたわいもない話をしながら作業する時間は楽しかったな。
その間、自分の作品で何度が入賞することもありましたが、なかなか連載に繋がらなかった。それで、徐々に担当編集さんに連絡することが減ってしまったんです。

今はパートナーと2人で漫画を作っていますが、当時は1人でした。
でも、その頃はすでにパートナーと同棲していて、相談に乗ってもらったりしていました。
その一環で、毎日15分間、ストーリーを作るトレーニングを2人でやっていると、彼が面白いストーリーを作ったんです。
それを元に、私が漫画にしてコンテストに投稿したら、それが大賞を獲りました。
賞金の100万円の大部分は光熱費になりましたが。笑
ここから、2人組で漫画を作るようになりました。

最近、新作の配信がスタートしたんですが、この作品には気合いが入っています。
私の人生で1番のバイブルである、Kazumasa Hiraiの『ウルフガイシリーズ』のような作品をいつか作りたいと思って始めた作品でもあるからです。
この作品のための取材で、先日北海道にも行きましたよ。

私は実家が団地だったんですが、それが本当に嫌いでした。みんな同じ形の部屋で、似たような人しかいなくて。動物が好きなのに、飼うこともできなかった。土地にも歴史がない埋立地だったから、ルーツを感じられなかった。寅さんやこち亀のような、下町の地域密着のコミュニティに憧れていました。今はパートナーと、娘2人と猫1匹と一緒に東京に住んでいますが、子供たちは『東京出身ってなんだかつまらないな』と言っています。それを聞くと、人はどこに生まれても文句を言うもんなんだなと思いました(笑)

今の生活は気に入っていますよ。良い絵が描けると嬉しいし、作品のための取材をきっかけに友達ができることも楽しい。
密かに抱いている野望は、今の最新作がアニメ化すること。
あとは、行き先はどこでもいいから、ひとり旅もしてみたいな。



ここから編集後記🐈‍⬛
インタビューに至った経緯や私個人の意見を書いてます。
編集後記と言いながら、ほとんど私の日記みたいになってて公開するのがなんとなく恥ずかしいから
最新号・公開した方がいいなと思うもの以外は最低金額で有料設定にしてます🙃

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9回目。

ライターMathieuが卒業して、この回から私がテキストと写真の両方を担当することになりました。

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漫画家のあさこさんです。
あさこさんがeスポーツの漫画の取材をされている時に、ゲームライターの岡安さんが紹介してくれて出会いました☺️

いつも現場でお会いする時、私は仕事してるからあんまり長い間話したことはなくて
でもご挨拶するといつもくしゃくしゃ笑ってくれるところが好きで、あと動物が好きなことも一緒だったから、いつかちゃんとお話ししてみたいなって思ってた方です。
だから、受けてくれた時とっても嬉しかった✨

漫画家のような専門性の高い仕事に就くためは、きっと登竜門みたいなコンテストがあって、そこで賞を取るためにはかたい意思をもって目指さないといけないんだろうなと思っていたんですが、
お話を聴く限り、あさこさんの人生にはそういう力の入った感じが全然なかった😇(いい意味♡)

やってやるぞっていう気概だけで進んでいくんじゃなく、かといって流されてるとも違う
ただ無理せず手だけは止めないことで自分らしい道ができてた。
それなら、目の前にあるひとつひとつとちゃんと向き合おう!
っていうゆるめの誠実さ☺︎
これは私があさこさんを好きな理由のひとつです🐈

誠実さもあんまりがちがちだと周りは息苦しくなるし、行きすぎると押しつけになる
そしてモラルとして正しかったら何も言えない
でも、そういうのがないあさこさんには、私は、安心して憧れることができるのです🙃

だから、そんなあさこさんがインタビュー中の雑談のなかで
わたしたちちょっと似てるところあるねって言ってくれたのすごく嬉しかったな🥰


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