七月堂・七月堂古書部

1973年創業。主に詩集の出版をしています。2016年に古書部OPEN 七月堂HP h…

七月堂・七月堂古書部

1973年創業。主に詩集の出版をしています。2016年に古書部OPEN 七月堂HP http://www.shichigatsudo.co.jp/ 古書部オンラインショップ https://shichigatsud.buyshop.jp/

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    【3/23(土)開催】ことばあつめの夜 キット(今夜の一冊付)

    【ご注意ください】 いつもご利用いただきありがとうございます。 こちらの商品は、2024年3月23日(土)19:30~21:30のことばあつめの夜に遠隔にてご参加いただける方のみご購入ください。 このたび、七月堂古書部で毎月第4土曜日に開催している「ことばあつめの夜」を、実際に店舗に来られない方にも参加していただきたく企画いたしました。 ことばあつめの夜は、閉店後の七月堂古書部のあかりを消して、ランタンを持ってお過ごしいただくイベントです。 店内は「ことばポスト」と投稿用紙があるので、そこにその日生まれたことばを書いていただきます。 詳細は以下のリンクよりご確認ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n3d52d0885726?sub_rt=share_pw イメージビデオ https://www.youtube.com/watch?v=onB_PohF9vk 【参加方法】 ①七月堂古書部ECサイトにて、キットをご購入ください。到着までに2~4日かかりますので、開催日の5日くらい前までにご注文ください。 キットは、七月堂書籍の「今夜の一冊」がふくまれているものとふくまれていないものがあります。3/23の回の「今夜の一冊」は江戸雪『声を聞きたい』です。 すでにお持ちの方、また、本が不要な方は、書籍付ではない方をご購入ください。 https://admin.thebase.com/shop_admin/items/edit/80867970 お送りする内容は以下になります。 ・「ことばあつめの夜」概要と参加方法 ・投稿用紙 ・今夜の一冊(江戸雪『声を聞きたい』限定書下ろし詩付) ・その日の夜に集まった言葉をまとめた一冊の本(イベント終了後約1か月後の発送) ②当日は部屋の照明を消してお過ごしいただきます。お手元を照らすくらいの灯りをご用意ください。 ③当日の時間になりましたら、ちいさな灯りをご用意いただき、七月堂古書部のインスタライブをご覧ください(19:30~21:30)一緒にことばあつめの夜を過ごしましょう。 ④キットの中の投稿用紙にその時心に浮かんだ言葉をお書きください。エッセイ、日記、詩、短歌、俳句、形式は問いません。 ⑤記入済みの投稿用紙の写真を撮って、「kotobaatumenoyoru★gmail.com」まで、タイトルに「ことばあつめの夜」とお書きの上、翌日中までにお送りください。(★を@に変えてください) 一か月くらい後に、紙とゆびさきさんが一冊ずつ丁寧に製本された、その日の夜にあつまったことばが詰まった本が届きます。 楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
    4,050円
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    【3/23(土)開催】ことばあつめの夜 キット

    【ご注意ください】 いつもご利用いただきありがとうございます。 こちらの商品は、2024年3月23日(土)19:30~21:30のことばあつめの夜に遠隔にてご参加いただける方のみご購入ください。 このたび、七月堂古書部で毎月第4土曜日に開催している「ことばあつめの夜」を、実際に店舗に来られない方にも参加していただきたく企画いたしました。 ことばあつめの夜は、閉店後の七月堂古書部のあかりを消して、ランタンを持ってお過ごしいただくイベントです。 店内は「ことばポスト」と投稿用紙があるので、そこにその日生まれたことばを書いていただきます。 詳細は以下のリンクよりご確認ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n3d52d0885726?sub_rt=share_pw イメージビデオ https://www.youtube.com/watch?v=onB_PohF9vk 【参加方法】 ①七月堂古書部ECサイトにて、キットをご購入ください。到着までに2~4日かかりますので、開催日の5日くらい前までにご注文ください。 キットは、七月堂書籍の「今夜の一冊」がふくまれているものとふくまれていないものがあります。3/23の回の「今夜の一冊」は江戸雪『声を聞きたい』です。 すでにお持ちの方、また、本が不要な方は、書籍付ではない方をご購入ください。 【このページが今夜の一冊なしのカートになります】 お送りする内容は以下になります。 ・「ことばあつめの夜」概要と参加方法 ・投稿用紙 ・その日の夜に集まった言葉をまとめた一冊の本(イベント終了後約1か月後の発送) ②当日は部屋の照明を消してお過ごしいただきます。お手元を照らすくらいの灯りをご用意ください。 ③当日の時間になりましたら、ちいさな灯りをご用意いただき、七月堂古書部のインスタライブをご覧ください(19:30~21:30)一緒にことばあつめの夜を過ごしましょう。 ④キットの中の投稿用紙にその時心に浮かんだ言葉をお書きください。エッセイ、日記、詩、短歌、俳句、形式は問いません。 ⑤記入済みの投稿用紙の写真を撮って、「kotobaatumenoyoru★gmail.com」まで、タイトルに「ことばあつめの夜」とお書きの上、翌日中までにお送りください。(★を@に変えてください) 一か月くらい後に、紙とゆびさきさんが一冊ずつ丁寧に製本された、その日の夜にあつまったことばが詰まった本が届きます。 楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
    2,400円
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    【3/23(土)開催】ことばあつめの夜 キット(今夜の一冊付)

    【ご注意ください】 いつもご利用いただきありがとうございます。 こちらの商品は、2024年3月23日(土)19:30~21:30のことばあつめの夜に遠隔にてご参加いただける方のみご購入ください。 このたび、七月堂古書部で毎月第4土曜日に開催している「ことばあつめの夜」を、実際に店舗に来られない方にも参加していただきたく企画いたしました。 ことばあつめの夜は、閉店後の七月堂古書部のあかりを消して、ランタンを持ってお過ごしいただくイベントです。 店内は「ことばポスト」と投稿用紙があるので、そこにその日生まれたことばを書いていただきます。 詳細は以下のリンクよりご確認ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n3d52d0885726?sub_rt=share_pw イメージビデオ https://www.youtube.com/watch?v=onB_PohF9vk 【参加方法】 ①七月堂古書部ECサイトにて、キットをご購入ください。到着までに2~4日かかりますので、開催日の5日くらい前までにご注文ください。 キットは、七月堂書籍の「今夜の一冊」がふくまれているものとふくまれていないものがあります。3/23の回の「今夜の一冊」は江戸雪『声を聞きたい』です。 すでにお持ちの方、また、本が不要な方は、書籍付ではない方をご購入ください。 https://admin.thebase.com/shop_admin/items/edit/80867970 お送りする内容は以下になります。 ・「ことばあつめの夜」概要と参加方法 ・投稿用紙 ・今夜の一冊(江戸雪『声を聞きたい』限定書下ろし詩付) ・その日の夜に集まった言葉をまとめた一冊の本(イベント終了後約1か月後の発送) ②当日は部屋の照明を消してお過ごしいただきます。お手元を照らすくらいの灯りをご用意ください。 ③当日の時間になりましたら、ちいさな灯りをご用意いただき、七月堂古書部のインスタライブをご覧ください(19:30~21:30)一緒にことばあつめの夜を過ごしましょう。 ④キットの中の投稿用紙にその時心に浮かんだ言葉をお書きください。エッセイ、日記、詩、短歌、俳句、形式は問いません。 ⑤記入済みの投稿用紙の写真を撮って、「kotobaatumenoyoru★gmail.com」まで、タイトルに「ことばあつめの夜」とお書きの上、翌日中までにお送りください。(★を@に変えてください) 一か月くらい後に、紙とゆびさきさんが一冊ずつ丁寧に製本された、その日の夜にあつまったことばが詰まった本が届きます。 楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
    4,050円
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    【3/23(土)開催】ことばあつめの夜 キット

    【ご注意ください】 いつもご利用いただきありがとうございます。 こちらの商品は、2024年3月23日(土)19:30~21:30のことばあつめの夜に遠隔にてご参加いただける方のみご購入ください。 このたび、七月堂古書部で毎月第4土曜日に開催している「ことばあつめの夜」を、実際に店舗に来られない方にも参加していただきたく企画いたしました。 ことばあつめの夜は、閉店後の七月堂古書部のあかりを消して、ランタンを持ってお過ごしいただくイベントです。 店内は「ことばポスト」と投稿用紙があるので、そこにその日生まれたことばを書いていただきます。 詳細は以下のリンクよりご確認ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n3d52d0885726?sub_rt=share_pw イメージビデオ https://www.youtube.com/watch?v=onB_PohF9vk 【参加方法】 ①七月堂古書部ECサイトにて、キットをご購入ください。到着までに2~4日かかりますので、開催日の5日くらい前までにご注文ください。 キットは、七月堂書籍の「今夜の一冊」がふくまれているものとふくまれていないものがあります。3/23の回の「今夜の一冊」は江戸雪『声を聞きたい』です。 すでにお持ちの方、また、本が不要な方は、書籍付ではない方をご購入ください。 【このページが今夜の一冊なしのカートになります】 お送りする内容は以下になります。 ・「ことばあつめの夜」概要と参加方法 ・投稿用紙 ・その日の夜に集まった言葉をまとめた一冊の本(イベント終了後約1か月後の発送) ②当日は部屋の照明を消してお過ごしいただきます。お手元を照らすくらいの灯りをご用意ください。 ③当日の時間になりましたら、ちいさな灯りをご用意いただき、七月堂古書部のインスタライブをご覧ください(19:30~21:30)一緒にことばあつめの夜を過ごしましょう。 ④キットの中の投稿用紙にその時心に浮かんだ言葉をお書きください。エッセイ、日記、詩、短歌、俳句、形式は問いません。 ⑤記入済みの投稿用紙の写真を撮って、「kotobaatumenoyoru★gmail.com」まで、タイトルに「ことばあつめの夜」とお書きの上、翌日中までにお送りください。(★を@に変えてください) 一か月くらい後に、紙とゆびさきさんが一冊ずつ丁寧に製本された、その日の夜にあつまったことばが詰まった本が届きます。 楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
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西尾勝彦 朗読会「言の葉を撒こうとおもうのです」開催のお知らせ

このたび七月堂古書部にて、西尾勝彦さんの朗読会を開催することとなりました。 西尾勝彦 朗読会「言の葉を撒こうとおもうのです」 日 時|  4月27日(土)  17:30 開場  18:00 スタート  19:00 終了 参加費|1200円 定 員|10名(抽選) お申込方法| コチラのグーグルフォームよりお申込みください お申し込み期限|  4月3日(水) 抽選日|  4月4日(木)  4/5(金)に抽選結果をメールでお送りいたします 配 信|  未定 こと

    • 2/25に開催した、松下育男さんと佐々木蒼馬さんのトークイベントは「詩人と勤め人」がテーマでした。 勤め人だから書ける詩があり、詩を書いているから乗り越えられる仕事もある。 そんな松下さんの言葉が深く響きました。 生き方なんて何通り抱えたっていいのだきっと。

      • カトウトモカ 似顔絵イベント「(似ない)似顔絵屋さん」開催!

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        • 「花をささげる」(髙塚謙太郎著『sound&color』より)

          庭のひろがりをゆびでひろげて みえてくる束をなぞるゆびをひらき いちめんのにおいやかなこえを ゆびさきでちらしてみる まるでおしゃべりしているように あなたのとなりでじっとしていた もう春もちかいし すぎゆくものもとけてゆく しらないものはゆくえににてくる いくにんかのゆくえ そうしてなりゆきをおもい 生きていることをおもい ふたりはとっくにみえなくなって まぶしいひろがりをまっているわけでもなく ゆびをからめ 春のひとときにこがれる目で いっしょにすごしていたとたずね 束ね

        西尾勝彦 朗読会「言の葉を撒こうとおもうのです」開催のお知らせ

        • 2/25に開催した、松下育男さんと佐々木蒼馬さんのトークイベントは「詩人と勤め人」がテーマでした。 勤め人だから書ける詩があり、詩を書いているから乗り越えられる仕事もある。 そんな松下さんの言葉が深く響きました。 生き方なんて何通り抱えたっていいのだきっと。

        • カトウトモカ 似顔絵イベント「(似ない)似顔絵屋さん」開催!

        • 「花をささげる」(髙塚謙太郎著『sound&color』より)

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        • 『てばなし』刊行記念 峯澤典子×古屋朋 対談
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        記事

          とても久しぶりにひとりでの営業。 懐かしい静けさだ。

          とても久しぶりにひとりでの営業。 懐かしい静けさだ。

          「はじまり」(峯澤典子著『ひかりの途上で』より)

          ときに火を焚き ときに花を流し 空にいる肉親に声を送る 地球という かなしい水辺に 降り立つことを選んだ足は はじめてつま先を地面におろすまでに 四季を見送り 生まれ月をふたたび迎えた それだけの月日を必要としたのは 自分と入れ替わりで 水辺を離れた人たちが 誕生から何十年ものあいだ 誰にもわからないように 彼ら自身でも気づかないように 手のひらにしまっておいた 草木や風や 星々の影絵に もういちど あやされながら 暗闇に同化してゆく時刻を できるだけ長く 寝転んで見上げて

          「はじまり」(峯澤典子著『ひかりの途上で』より)

          『きみと猫と、クラムチャウダー』展示とトークイベントのお知らせ

          このたび佐々木蒼馬詩集『きみと猫と、クラムチャウダー』の刊行を記念して、装画を担当してくださったカトウトモカさんの描きおろしイラストや蒼馬さんの手書き詩などが展示販売されます。 カトウさんの絵をモチーフにしたキーホルダーなどのグッズ販売も予定しております。 開催日時 2月17日(土)~3月10日(日) 11:00~19:30 定休日  水曜日(2/25(日)のみイベントのため17:45まで) そしてそして、刊行を記念してトークイベントを開催します! 佐々木蒼馬『きみと

          『きみと猫と、クラムチャウダー』展示とトークイベントのお知らせ

          夏葉社さんのHPで屋敷直子さんが連載されている「本屋さんと生活」で取材をしていただき、記事を書いていただけることとなりました。 本屋をやっていなければこのような機会に恵まれなかった不思議。よろしければぜひ。 https://natsuhasha.com/rensai/50/

          夏葉社さんのHPで屋敷直子さんが連載されている「本屋さんと生活」で取材をしていただき、記事を書いていただけることとなりました。 本屋をやっていなければこのような機会に恵まれなかった不思議。よろしければぜひ。 https://natsuhasha.com/rensai/50/

          「#MeToo」(山田亮太著『誕生祭』より)

          私も 自分のずるさを隠すために 見ないふりをしたことがある 私も 支配したいという思いにかられ 嘘をついたことがある 私も 無理解を言い訳に踏み込む人と 同じ顔 同じ仕草で 私も 安全な位置を確かめて 言葉を奪おうとした 愛は与えつづけないと死ぬ どれほど高潔であろうとも 信頼に目が眩んだ日に 私は間違える 私よ いつであれ変化せよ 私でないもののほうへ 山田亮太『誕生祭』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこちら 七月堂古書部オンラインショップはこちら

          「#MeToo」(山田亮太著『誕生祭』より)

          「一本の声」より(永澤康太著『誰もいない』より)

          一本の声に戻ってゆきたい あなたであり、ぼくでもあるような きみであり、きみでさえないような 一本の声に戻りたい 透明な樹を、植えてゆきたい こころのずっと奥のほうに 落としてしまった種がある そこから延びて来るものだけ そのものだけを、信じたい どうして どうして そう思うのか どうして どうして ここにいるのか どうして どうして あなたは ここに いないのか 永澤康太『誰もいない』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこちら 七月堂古書部オンラインショップはこちら

          「一本の声」より(永澤康太著『誰もいない』より)

          「帰り道」(菊石朋著『ラララフラワー』より)

          猫が小さく鳴いていて きっと町中のひとが その声に 耳をすましている 今は大きな音を たてないで 冷蔵庫の中になにがあるだろう 寒さはなにで凌げばいいのか 雨が降らなければいい わたしが人間だったら 耳をすましているひとたちに 「助けに行きたまえ」と いってやるのだけど 家猫のこえなど 手放した薄いカーテンが しわだらけの風を泳ぐように 一日が去り ふと 帰り道を忘れ 拾われた そんな家猫のこえなど 菊石朋『ラララフラワー』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこち

          「帰り道」(菊石朋著『ラララフラワー』より)

          「身体を流れる」より(海老名絢著『あかるい身体で』より)

          雨が揺れる街で ビニール傘越しにビルの光が滲む 唐突な水たまりは 影の向こうに 夜景を映す 空っぽの瓶を逆さに振って 見えない空気だけが入れ替わる ように 雨の日、 わたしの水は深まる 降雨の膜が境界をはっきり知らせる 舞い落ち跳ね返る雨粒、 わたしは足首から水を吸う 吸い上げて歩く 髪の先まで水が満ちて ざあざあ鳴っていた 耳も静かになった 海老名絢『あかるい身体で』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこちら 七月堂古書部オンラインショップはこちら

          「身体を流れる」より(海老名絢著『あかるい身体で』より)

          「クリーム」(西尾勝彦著『なんだか眠いのです』より)

          奈良には しかびと が います 二足歩行する 鹿のような人です もしくは 四足歩行できない 人のような鹿です わたしは今まで 数回お会いしました 一緒に お茶したこともあります  めるる  めぎゅ? と ほがらかに しゃべっていました ほんとう と うその あいだに ちょっとした 原っぱがあるように 現実 と 非現実の あいだには やわらかくて 甘い クリームが はさまっています あなたの町に クリーミーな人は いますか 西尾勝彦『なんだか眠いのです』収録 発行:七月堂

          「クリーム」(西尾勝彦著『なんだか眠いのです』より)

          「一日」(尾形亀之助著、西尾勝彦編『カステーラのような明るい夜』より)

          君は何か用が出来て来なかったのか 俺は一日中待っていた そして 夕方になったが それでも 暗くなっても来るかも知れないと思って待っていた 待っていても とうとう君は来なかった 君は一緒に話しながら食おうと思った葡萄や梨は 妻と二人で君のことを話しながら食べてしまった 尾形亀之助著、西尾勝彦編『カステーラのような明るい夜』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこちら 七月堂古書部オンラインショップはこちら https://www.shichigatsudo.co.jp/

          「一日」(尾形亀之助著、西尾勝彦編『カステーラのような明るい夜』より)

          「源流のある町」より(草間小鳥子『源流のある町』)

          与えられるものに固執しすぎていた くらぐらと冷たい岩陰から音もなく真水は湧き 源流をたどればなにかが変わるはずだと すがるように歩いてきたわたしたちは コインパーキングの自動販売機で買った 一番安い缶コーヒーをすする 「なにかを簡単に塗り替えてしまう感情なんて嘘っぱちだ」 きみは力いっぱい空き缶を投げ、 缶は夕映えにうつくしい放物線をひゅっと描き、 それから草むらに落ちた空き缶を 背中を丸め小走りで拾いに行った うつくしい瞬間だけをつないで生きてゆけたらいいのに 草間小鳥子

          「源流のある町」より(草間小鳥子『源流のある町』)

          「水の旅」より(峯澤典子『あのとき冬の子どもたち』)

          もう二度と会えないひとも 生まれてから一度もめぐり会えないひとも 同じ花の気配に変わる街まで 流れてゆくことを 旅、と呼ぶのなら 通りすがりの岸辺の たとえば大聖堂や鳥の白さを 数えては 忘れるために 残りの時間はあればいい 峯澤典子『あのとき冬の子どもたち』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこちら 七月堂古書部オンラインショップはこちら

          「水の旅」より(峯澤典子『あのとき冬の子どもたち』)