七月堂・七月堂古書部

1973年創業。主に詩集の出版をしています。2016年に古書部OPEN 七月堂HP h…

七月堂・七月堂古書部

1973年創業。主に詩集の出版をしています。2016年に古書部OPEN 七月堂HP http://www.shichigatsudo.co.jp/ 古書部オンラインショップ https://shichigatsud.buyshop.jp/

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    ヒトノマ / インカレポエトリ叢書26【新本】

    田村奏天詩集 それでも、さわやかでありたいと思って 薄雪色の指 【作品紹介】 「街と暮れ方」 帰り際の夕立が街を知り尽くしている クリーニング屋の文字がさびれて いくつかの空白を埋めて読む 線路沿いは雑草が茂り 今にでも人類史がまっさらになるような予感 黒ずんだビルに書かれた 「ヘルス」はそれほど健康的でなく おぞましい桃色の看板をしているが 一方で自分が口に運ぼうとしている チューインガムも同じ色だった (それは平穏を保つための     音から意識を背けるための         端的な逃避行) 考えれば胎内ははっきりとした 鮮烈な肉の色をしていたはずで 閉ざされた暗がりに見ていた 熱のための色 人体から発生した我々は その色に寄せられた蛾にならざるを得まい 車窓に流れていく雨後の街を見ながら 強い空腹感を覚えて さらにはこの街がいつからか 鉄の匂いにさらされていることを知っている わたしは誰の信奉者にもならないので 冷静に脳が暮れていく街を解釈する 薄紫を羽織って沈みゆく太陽は 明日の雷を知らない 著者 田村奏天 発行所 七月堂 発行日 2024年4月15日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
    990円
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    貝がら千話の犬の話【新本】

    【著者内容紹介】 『貝がら千話の犬の話』は「貝がら千話」から犬が登場するお話のみを収録した短編集です。 著者 モノ・ホーミー 発行日 2024年3月30日 文庫判 58ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
    770円
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    ヒトノマ / インカレポエトリ叢書26【新本】

    田村奏天詩集 それでも、さわやかでありたいと思って 薄雪色の指 【作品紹介】 「街と暮れ方」 帰り際の夕立が街を知り尽くしている クリーニング屋の文字がさびれて いくつかの空白を埋めて読む 線路沿いは雑草が茂り 今にでも人類史がまっさらになるような予感 黒ずんだビルに書かれた 「ヘルス」はそれほど健康的でなく おぞましい桃色の看板をしているが 一方で自分が口に運ぼうとしている チューインガムも同じ色だった (それは平穏を保つための     音から意識を背けるための         端的な逃避行) 考えれば胎内ははっきりとした 鮮烈な肉の色をしていたはずで 閉ざされた暗がりに見ていた 熱のための色 人体から発生した我々は その色に寄せられた蛾にならざるを得まい 車窓に流れていく雨後の街を見ながら 強い空腹感を覚えて さらにはこの街がいつからか 鉄の匂いにさらされていることを知っている わたしは誰の信奉者にもならないので 冷静に脳が暮れていく街を解釈する 薄紫を羽織って沈みゆく太陽は 明日の雷を知らない 著者 田村奏天 発行所 七月堂 発行日 2024年4月15日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
    990円
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    貝がら千話の犬の話【新本】

    【著者内容紹介】 『貝がら千話の犬の話』は「貝がら千話」から犬が登場するお話のみを収録した短編集です。 著者 モノ・ホーミー 発行日 2024年3月30日 文庫判 58ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
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    ゲルハルト・リヒター【古本】

    【状態】 本体:上部ヨレ少 発行者 片山誠 発行所 青弓社 発行日 2022年6月30日 230mm×290mm 352ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955
    1,000円
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今年の挑戦。 七月堂マガジン「AM 4:07」の創刊の記事を書く時間が確保できずにうだうだしている。 「詩」を書いたり本にしたり売ったりしている人たちに参加してもらっていて、人や店に興味を持つことから詩を身近に感じてもらえたら思っています。 楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

    • スタッフがリニューアルしてくれているInstagram。カラフルで見やすくて眺めているだけで楽しくなります。 詩を抜粋して紹介しています。 よろしければぜひご覧ください。 https://www.instagram.com/shichigatsudo

      • 長いこと担当してきたSNSの更新だったが、昨年仲間になってくれたスタッフ達が引き継いでくれることに。 ただ今リニューアル準備中で時間があればアイデア交換をしている。 少しでも七月堂のことを知ってもらいたいという気持ちがただただ嬉しい。 店主のつぶやきは少しずつこちらへ移動中です。

        • 夏葉社さんのHP、「本屋さんと生活」コーナーで連載の記事「家業への思い。」が公開となりました。ライターの屋敷さんに書いていただいています。 寂しくてしかたなかった幼い自分に、今はこのうえない幸せのなか働いているよと教えてあげたいです。 https://natsuhasha.com/rensai/52/

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        • 店主日記。または七月堂通信。
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        • 『てばなし』刊行記念 峯澤典子×古屋朋 対談
          12本
        • 営業とアクセスなどのご案内
          8本

        記事

          小川万莉子 個展「場末にて」開催のお知らせ

          このたび、西尾勝彦『場末にて』の刊行を記念いたしまして、装画をご担当くださった、小川万莉子さんの個展を開くこととなりました。 開催日時|4月27日(土)~5月20日(月) 11:00~19:30     (初日4/27のみイベントのため17:00 CLOSE) 定休日|水曜日 小川さんとは、西尾勝彦詩集『ふたりはひとり』の装画をご担当いただいた時からのご縁で、展示も今回で二回目の開催となります。 光りや空間、風をはらんだような小川さんの絵は、ずっと眺めていたい気持ちにな

          小川万莉子 個展「場末にて」開催のお知らせ

          西尾勝彦 朗読会「言の葉を撒こうとおもうのです」開催のお知らせ

          このたび七月堂古書部にて、西尾勝彦さんの朗読会を開催することとなりました。 西尾勝彦 朗読会「言の葉を撒こうとおもうのです」 日 時|  4月27日(土)  17:30 開場  18:00 スタート  19:00 終了 参加費|1200円 定 員|10名(抽選) お申込方法| コチラのグーグルフォームよりお申込みください お申し込み期限|  4月3日(水) 抽選日|  4月4日(木)  4/5(金)に抽選結果をメールでお送りいたします 配 信|  未定 こと

          西尾勝彦 朗読会「言の葉を撒こうとおもうのです」開催のお知らせ

          2/25に開催した、松下育男さんと佐々木蒼馬さんのトークイベントは「詩人と勤め人」がテーマでした。 勤め人だから書ける詩があり、詩を書いているから乗り越えられる仕事もある。 そんな松下さんの言葉が深く響きました。 生き方なんて何通り抱えたっていいのだきっと。

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          カトウトモカ 似顔絵イベント「(似ない)似顔絵屋さん」開催!

          佐々木蒼馬詩集『きみと猫と、クラムチャウダー』の装画をご担当くださった、カトウトモカさんの似顔絵イベントが開催決定いたしました! (似ない)似顔絵屋さん きみと( )と、( ) ハガキサイズの紙に、あなたとペット(または黒猫)とすきな食べ物をモノクロで描きます。 ●開催日 3/10(日) 12:00~19:00 ●料金:3,000円(税込) ※おふたり以上を一枚の紙に描く場合はひとりにつき+1,500円(紙はハガキよりひとまわり大

          カトウトモカ 似顔絵イベント「(似ない)似顔絵屋さん」開催!

          「花をささげる」(髙塚謙太郎著『sound&color』より)

          庭のひろがりをゆびでひろげて みえてくる束をなぞるゆびをひらき いちめんのにおいやかなこえを ゆびさきでちらしてみる まるでおしゃべりしているように あなたのとなりでじっとしていた もう春もちかいし すぎゆくものもとけてゆく しらないものはゆくえににてくる いくにんかのゆくえ そうしてなりゆきをおもい 生きていることをおもい ふたりはとっくにみえなくなって まぶしいひろがりをまっているわけでもなく ゆびをからめ 春のひとときにこがれる目で いっしょにすごしていたとたずね 束ね

          「花をささげる」(髙塚謙太郎著『sound&color』より)

          とても久しぶりにひとりでの営業。 懐かしい静けさだ。

          とても久しぶりにひとりでの営業。 懐かしい静けさだ。

          「はじまり」(峯澤典子著『ひかりの途上で』より)

          ときに火を焚き ときに花を流し 空にいる肉親に声を送る 地球という かなしい水辺に 降り立つことを選んだ足は はじめてつま先を地面におろすまでに 四季を見送り 生まれ月をふたたび迎えた それだけの月日を必要としたのは 自分と入れ替わりで 水辺を離れた人たちが 誕生から何十年ものあいだ 誰にもわからないように 彼ら自身でも気づかないように 手のひらにしまっておいた 草木や風や 星々の影絵に もういちど あやされながら 暗闇に同化してゆく時刻を できるだけ長く 寝転んで見上げて

          「はじまり」(峯澤典子著『ひかりの途上で』より)

          『きみと猫と、クラムチャウダー』展示とトークイベントのお知らせ

          このたび佐々木蒼馬詩集『きみと猫と、クラムチャウダー』の刊行を記念して、装画を担当してくださったカトウトモカさんの描きおろしイラストや蒼馬さんの手書き詩などが展示販売されます。 カトウさんの絵をモチーフにしたキーホルダーなどのグッズ販売も予定しております。 開催日時 2月17日(土)~3月10日(日) 11:00~19:30 定休日  水曜日(2/25(日)のみイベントのため17:45まで) そしてそして、刊行を記念してトークイベントを開催します! 佐々木蒼馬『きみと

          『きみと猫と、クラムチャウダー』展示とトークイベントのお知らせ

          夏葉社さんのHPで屋敷直子さんが連載されている「本屋さんと生活」で取材をしていただき、記事を書いていただけることとなりました。 本屋をやっていなければこのような機会に恵まれなかった不思議。よろしければぜひ。 https://natsuhasha.com/rensai/50/

          夏葉社さんのHPで屋敷直子さんが連載されている「本屋さんと生活」で取材をしていただき、記事を書いていただけることとなりました。 本屋をやっていなければこのような機会に恵まれなかった不思議。よろしければぜひ。 https://natsuhasha.com/rensai/50/

          「#MeToo」(山田亮太著『誕生祭』より)

          私も 自分のずるさを隠すために 見ないふりをしたことがある 私も 支配したいという思いにかられ 嘘をついたことがある 私も 無理解を言い訳に踏み込む人と 同じ顔 同じ仕草で 私も 安全な位置を確かめて 言葉を奪おうとした 愛は与えつづけないと死ぬ どれほど高潔であろうとも 信頼に目が眩んだ日に 私は間違える 私よ いつであれ変化せよ 私でないもののほうへ 山田亮太『誕生祭』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこちら 七月堂古書部オンラインショップはこちら

          「#MeToo」(山田亮太著『誕生祭』より)

          「一本の声」より(永澤康太著『誰もいない』より)

          一本の声に戻ってゆきたい あなたであり、ぼくでもあるような きみであり、きみでさえないような 一本の声に戻りたい 透明な樹を、植えてゆきたい こころのずっと奥のほうに 落としてしまった種がある そこから延びて来るものだけ そのものだけを、信じたい どうして どうして そう思うのか どうして どうして ここにいるのか どうして どうして あなたは ここに いないのか 永澤康太『誰もいない』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこちら 七月堂古書部オンラインショップはこちら

          「一本の声」より(永澤康太著『誰もいない』より)

          「帰り道」(菊石朋著『ラララフラワー』より)

          猫が小さく鳴いていて きっと町中のひとが その声に 耳をすましている 今は大きな音を たてないで 冷蔵庫の中になにがあるだろう 寒さはなにで凌げばいいのか 雨が降らなければいい わたしが人間だったら 耳をすましているひとたちに 「助けに行きたまえ」と いってやるのだけど 家猫のこえなど 手放した薄いカーテンが しわだらけの風を泳ぐように 一日が去り ふと 帰り道を忘れ 拾われた そんな家猫のこえなど 菊石朋『ラララフラワー』収録 発行:七月堂 七月堂HP通販はこち

          「帰り道」(菊石朋著『ラララフラワー』より)