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東京の世田谷区にある小さな印刷・出版会社に併設された、小さな古書店のオンラインショップです。 詩集を中心に、小さいながらも幅広いジャンルを取り扱っております。 営業時間:11:00〜19:30 定休日:水・不定休 実店舗でも販売しているため、売り切れの場合がございます。 あらかじめご了承のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 ***

  • 旅の心を取り戻す【新本】

    柊有花 詩画集 このたび柊有花さんによる、「絵」と「言葉」の本を刊行いたします 明け渡してしまった 自分の心を取り戻すには 目的のない旅が必要だ 【作品紹介】 「呼吸」 人が去ったあとの海は 清らかに 打ち上げられた星は 浜一面にまたたく しなやかに編まれた 太陽の光は 海の底を明るく 照らしている 水面はやわらかに逆立ち 一枚の葉を 浜へ運んでゆく 一艘の白い舟が 岸を目指し進み かもめは追いかけ飛んでゆく 白い半月のかなた 昼の まぼろしのように浮かび ひとり 夜を待っているのか 濃い青と ブルーグリーンのあいだ 海は 海はたえまなく 呼吸している 【著者からのメッセージ】 絵と言葉の本を作りたいとずっと思っていました。わたしにとって絵は仕事でもあり、ライフワークでもあります。けれど言葉もまた欠かすことのできない大切なものです。絵と言葉は分かちがたくつねに影響しあっていて、それを自分らしい形で統合していきたいといつも考えてきました。けれど絵本や詩集など、自分の思うものを収めるにはすこし形が違うように思えて、自分が作りたいものはなんなのかさえわかりませんでした。作りたいと思うものを形にできないことは、わたしにとってとてもつらいことです。そのことが恥ずかしく、自分に対して怒りと悲しみを感じていました。 コロナ禍の内省の時間を経て、わたしがものを作ることへの意識はずいぶん変わったように思います。そのなかで2020年に作った画文集『花と言葉』に背中を押され、もっと遠くへ旅に出たいと思うようになっています。けれど同時に不安があります。家にいることに慣れてしまった自分はそんな旅へ出られるのかしら、と思うのです。 今回刊行する本が、そんな自分のなかの葛藤を打破するようなものになっているかはわかりません。けれど、自分の現在地をあらわしたものであることはまちがいないと確信しています。旅の途上の、悩み、怒り、悲しみ、進みたいと願う、未完成で等身大の自分です。 旅は楽しく面倒なもの。わたしたちにはかけがえのない日常があり、コントロールできない環境があり、いつでも旅に出られるわけではありません。けれど旅と日常のあわいに立って自分の心を眺める時間、それもまたひとつの旅なのだと思います。わたしが誰かの本を通じて自分の心をたしかめているように、この本も誰かにとってのちいさな旅への扉となることがあったら。そんな願いをこめながら、力を貸してくださるみなさまとこの本を届けられたらと思っています。 著者・装画・挿絵 柊有花 発行所 七月堂 発行日 2024年10月5日 138×148mm 88ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,090円

  • ハルカゼ舎 日めくりカレンダー2025(特製箱入り版)

    世田谷にある文房具店、ハルカゼ舎さんのオリジナル日めくりカレンダーです。 【ハルカゼ舎商品情報】 うれしい日、元気のない日、待ち遠しい 日、季節を楽しむ日。毎日がほんの少し 楽しくなるような、小さなコトバをひと こと添えた日めくりカレンダーです。 リビングやデスク、玄関などにちょこっ と置いて楽しんで頂けると嬉しいです。 ハルカゼ舎 カレンダー本体 約50×50×33mm 表紙+扉+365枚+台紙/天糊製本 紙パッケージ 箱仕様/内径55×55×35mm チップボール/ ステープル留め / かぶせ蓋 / Himekuri HARUKAZESHAエンボスロゴ入り ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,360円

  • ハルカゼ舎日めくりカレンダー2025(紙パッケージ版)

    世田谷にある文房具店、ハルカゼ舎さんのオリジナル日めくりカレンダーです。 【ハルカゼ舎商品情報】 うれしい日、元気のない日、待ち遠しい 日、季節を楽しむ日。毎日がほんの少し 楽しくなるような、小さなコトバをひと こと添えた日めくりカレンダーです。 リビングやデスク、玄関などにちょこっ と置いて楽しんで頂けると嬉しいです。 ハルカゼ舎 カレンダー本体 約50×50×33mm 表紙+扉+365枚+台紙/天糊製本 紙パッケージ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,980円

  • 榎本櫻湖 遺稿詩集『Hanakoganei Counterpoint』【新本】

    【内容紹介】 2014年~20年前後の間に書かれ、生前に構想された未刊のテクスト群。永遠に読み終わらない書物の夢。 【目次】 道へ/沸騰した水がお湯と呼ばれるまでにかかった時間/冬の旅/群島S./環礁、あるいは《星月夜》/Poème Symphonique for 100 fragments Un texte en hommage à LIGETI GYÖRGY/metamusik/( Tehi)llim/Chaconne pour violoncelle seul/Credo in US、または〈道化師の勝利〉/ビニール傘と地下鉄のいない手紙/(郵便的)、それ以外の犬たち/Sept Papillons/Hanakoganei Counterpoint、もしくは〈群(ancien-ambiant)島〉成仏 remix A version/豚小屋はブリザードに見舞われて ―〈群(ancien-ambiant)島〉成仏 remix B version ―/Bagatelles/Le Tombeau de Tombaugh - Autogynephilia Edit/十字架の蔭から鹿を覗いている男/絹と石、その他の単調な材質のもののための(ton)kraftwerk/コンセルヴァトワールの叔父/Helvetica Activity、(浜辺で、あの頃のわたしたちはいつも溺れていた)/Botanical Music Lesson/睡蓮の覚醒、または〈الكتاب〉へのつめたい憧れとméditation 著者 榎本櫻湖 発行所 七月堂 発行日 2024年9月16日 A5判 240ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    3,520円

  • 雑誌『cygnifiant』0号【新本】

    【内容紹介】 作品:榎本櫻湖 Ophélie's mad scene カニエ・ナハ(共作) Oświęcim 他 菊地利奈+ジェン・クロフォード(翻訳) fishwortHEALTHchannel 対談:朝吹亮二+榎本櫻湖 詩が書かれる今、詩が読まれる今 論考・エッセイ:朝吹亮二、野村喜和夫、関口涼子、古怒田望人/いりや 詩:広瀬大志、高貝弘也、藤原安紀子、小林坩堝、望月遊馬、髙塚謙太郎、石松佳、十田撓子、紫衣 追悼:小笠原鳥類、山田亮太、吉田アミ、滝口悠生、樫田祐一郎、樋口塊(古書ソオダ水)、伊藤幸太(忘日舎)、平田潤子(Edge)、出町考平(元・四軒茶屋店主) 装幀・組版:佐野裕哉 編集:藤井一乃 校正:唐作桂子/しまい編集室 発行所 archaeopteryx 発行日 2024年9月16日 A5判 160ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,320円

  • 言祝ぐ【新本】

    中村梨々詩集 イノチへの賛歌 機知に富む短詩の名手である。冒頭の詩「雨上がり」からして、なんだか可笑しい。「玄関あいとる」と奥にいる家人に声をかけたところ、「血管浮いとる」と聞こえたなんて。そして、それを詩のモチーフにしてしまうなんて。(井坂洋子栞より) 【作品紹介】 冠水 穏やかな晴れの日、ビデオでバイクが走るのを見ている 『木陰に光るとかげの口元は迷わない』 それが合図 黒い影がわさわさと遡上 子どもたちはジェラートになって いつの時も空から降りてくる 雨は友達だね 穀物の声が歌う 風鈴を持って、誰か来たのと母が出てくる 時間をかけて見つめ合ったような埃が鏡台に積もり 格子柄のカーテンが揺れている 窓枠の隅にとかげの足が細く七色になびいた どこへ行くの 百日紅 むきだしの幹に 昼の月が掛かる 見てるだけじゃぁ いつの間にか届かなくなってしまう 口に含んだままの意味 記憶の木陰で涼やかな通り道になる きしむ樹皮 ないものがくるぶしにあたってよろける 出したほうは逃げる 後ろは遠い山々に囲まれ青く澄んで こんこんと水がおぼれてゆく 来ないから行ってみる 背中から清流をひたひた流しながら出ていく こぶた記   それは最初耳に聞こえず カーテンがかすれて吠えた 黒くてぶ厚い布の裏側は 大量の深紅に大人が埋まっていた 小声を飛ばそうとして高く投げると 布がべろになってくり返し迫ってきた  それどころじゃない 目と目がちょっとちくちくする ちいさなこぶたはそのたびに身をかわした 一番上の兄さんのわらでできた家 二番目の兄さんの木の家も おおかみに吹き 飛ばされてしまった ふたりはぼくの家に来て 木杓子でおっきな鍋を混ぜてい る 畑でできたじゃがいもと人参と葉っぱのスープ 湯気のなかで怖さはふやけ るどころか どんどん煮詰まってくる感じ おおかみのひと吹きにいつこのレン ガの家も吹き飛んでしまうかと心配して さっきから何もしゃべらないことに なっている 大丈夫だよ この家は時間をかけて積んだレンガだからね おおか みの息なんかにびくともしない 練習一回目で壊れた段ボールの煙突は張り直さ れていた それにしても おおかみのふぅふぅが止まらない 二回くらいでびくともしない とあきらめて、煙突へと向かうはずなのに 窓からのぞくとおおかみは 見られていると気づきもしないで 腰を手に 上半 身を上向けにしたあと 一気に前に倒れ込んだ 何度も何度も何度も、だ ぼくが思っていたより必死に おおかみは息を吹き出していた 弓のようにからだを反らすとしっぽが風になってなびいた そのきれいなしっぽを見ているうちに、だんだん腹が立ってきた 扉をあけ 肩で息をしているおおかみへと前進 じぶんの丸い肩をできるだけ広げて立ちはだかった おおかみは一瞬きょとんとしたが、気を取り直して息を吸う まだやる気だ ぼくはおおかみに飛び掛かった 兄さんたちが驚きと恐怖であえぐ 母さんの「やめんちゃい」が紅のべろを動かす 著者 中村梨々 発行所 七月堂 発行日 2024年7月24日 四六判 104ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,760円

  • 乳既 / インカレポエトリ叢書28【新本】

    寺道亮信詩集 ペニスタワーにひとひらのかげ 間伐 ※かつて森にて メトロノーム、ひとさじ 言葉は現実を変革するためのもので しかない、という臆見、がのさばる 現実   を確変するためのものでしかないっ たらない言葉が、 昼と夜を空費させる 開かれを秘匿させる 孤独、にして  ことごとく 祖国、にして  そっこくに 散歩と呼ぶには生温い 当社比の森林浴で川のセレナーデを 無視しよう 自由意志死すとも尿意は  死せず しがない、という臆見、がのさばる 歯間ブラシを いとも丁寧に磨く これからの これまでの     街の突撃   星のくすめき 犬の断食……。 擲ってもしゃぶりつけない骨々があるだけであろうと なかろうと 孤独、にして ことごとく 露骨、にして おそまつに 幼時、ほくろをけんめいに剝がそうとした 偶然性は必然性を 必然性は 剥がそうとした 人口のまばらな集落で 私はひとり、三千人になる カーキ色の教科書は口唇時代から始まったきり 冀う 孤独、にして  ことごとく 旦那、にして  たんねんに メトロノーム、ひとさじ 矯正施設でつくられた いろとりどりのクッキー缶 木々はさっぱり間伐された ひとり でに なかったことは  なかったことにさえならない  渡る世間は鬼ですか らに 孤独、にして ことごとく いい加減、にして 「砲弾!」「」「砲弾!」 メトロノーム、ひとさじ 木々はさっぱり間伐された ひとりで に なかった こと は な かっ たこと に (冴え) ならない メトロノーム、ひとさじ 孤独、にして ことごとく  いい湯加減、にして  「あほんだら!」 「」「あほんだら!」 著者 寺道亮信 発行所 七月堂 発行日 2024年8月31日 四六判 96ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    990円

  • ちいさなゆめがあったなら【新本】

    【出版社内容紹介】 「いたばし国際絵本翻訳コンクール」第30回英語部門大賞受賞作 アメリカのベストセラー絵本作家でもある著者と絵本、挿画、装丁など幅広く活躍し注目されるイラストレーターの初コラボ絵本。 リズミカルなテキストと伸びやかで明るいイラストレーションが、子どもの想像力の豊かさを存分に描き出している。 小さな丘があったなら、なんと名前をつけましょう? 小さな女の子は、自分の身近なものたちに名前をつけて慈しみます。 子どもの目で改めて名付けられるものたちは、そのものの役割や可能性を生々と語りかけてきます。 優しくリズミカルなテキストと、伸びやかで明るいイラストレーションがおやすみ前のひと時を豊かに彩る絵本です。 【著者プロフィール】 ニーナ・レイデン (ニーナ レイデン) (著/文) 1962年生まれ。ニューヨーク州出身。 両親ともに芸術家という家庭で育つ。シラキュース大学でイラストレーションを専攻。『Peek-a Who?』、『Who Loves You, Baby?』(共に未邦訳)などの人気絵本の作家・イラストレーターである。 アメリカ、ワシントン州にあるルミ島に夫と住んでいる。 メリッサ・カストリヨン (メリッサ カストリヨン) (イラスト) 1986年生まれ。 イギリス人の母とコロンビア人の父のもと、ロンドン郊外に育つ。ケンブリッジ・スクール・オブ・アートでイラストレーションを専攻、修士号取得。シルクスクリーンやリソグラフを使った鮮やかな色使いを特徴とし、絵本や挿絵、装幀など幅広い分野で国際的に活躍している。本作が絵本デビュー作となる。 邦訳絵本に『すてきってなんだろう?』(きじとら出版)がある。英国ケンブリッジ在住。 よしざわたまき (ヨシザワマキ) (翻訳) よしざわたまき(吉澤珠紀):茨城県出身。 大学では主にアメリカ文学を、英国の大学院では児童英語教育を学ぶ。留学中に絵本への興味を深め、現在は英語講師としてことばの楽しさ、面白さを伝えている。 第30回いたばし国際絵本翻訳大賞(英語部門)最優秀翻訳大賞を受賞。 文 ニーナ・レイデン 絵 メリッサ・カストリヨン 訳 よしざわたまき 発行所 工学図書 発行日 2024年8月26日 A4判 30ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,980円

  • 七月堂の詩集 1 『やさしくてらす』【新本】

    このたび七月堂刊行書籍より、西尾勝彦、海老名絢、佐々木蒼馬、佐野豊、古溝真一郎5人の詩を一篇ずつ、『やさしくてらす』のテーマに収録した七月堂初めてのスペシャルオムニバスZINEを刊行いたします! 七月堂スタッフ手作業、印刷と糸綴じ製本で限定部数を発行。 今後もテーマを変えて発行してまいりますので楽しみにお待ちください。 発行日 2024年8月23日 印刷・製本・発行 七月堂 発行部数 200部 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    880円

  • 星の嵌め殺し【新本】

    【出版社内容紹介】 優美さに内包する痛み、気高く眩い光を放つ言葉の乱反射。第一歌集『Lilith』から4年、いま最も注目される歌人・作家の第二歌集、ついに刊行! 【著者プロフィール】 川野 芽生 (カワノ メグミ) 1991年生まれ。連作「Lilith」で第二九回歌壇賞受賞。第一歌集『Lilith』で第六五回現代歌人協会賞受賞。著作に『無垢なる花たちのためのユートピア』、『奇病庭園』、『Blue』など多数。 著者 川野芽生 発行所 河出書房新社 発行日 2024年7月30日 四六判 136ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,200円

  • 注文の多い注文書【新本】

    【出版社内容紹介】 サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」、村上春樹の「貧乏な叔母さんの話」、内田百閒の「冥途」など、5つの物語に登場する“この世にないもの”を小川洋子が注文し、クラフト・エヴィング商會が探し出す…。はたして「ない」はずのものは、注文主に届けられるのか?現実と架空が入り混じる世界で、2組の作家が想像力の火花を散らす前代未聞の小説。 著者 小川 洋子、クラフト・エヴィング商會 発行所 筑摩書房 発行日 2019年6月10日 文庫判 224ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    946円

  • うつくしいってなに?【新本】

    【出版社内容紹介】 きみの だいじなものは なに? 女の子が部屋から窓の外を眺めています。窓から見えるいろいろな景色。夕暮れ、海、船、夜空、星、都会の明かり。部屋の中の家具やおもちゃ。ネコ。やがて女の子は自分の世界に包まれて、眠ります。 詩人最果タヒと絵本作家荒井良二が紡ぐ、夢のような物語。 作 最果タヒ 絵 荒井良二 発行所 小学館 発行日 2024年7月30日 A4判 32ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,870円

  • 小さな窓【新本】

    【内容紹介】 小さな窓から外を見る。 漫画のコマは小さな窓。 近所のあれこれと おかしなフィクションを 1冊にまとめました。 【目次】 1 小さな窓 2 おなじみの青い合羽 3 大都会警備 4 外ブッチブッチ 著者 手差ユニッツ 発行所 手差ユニッツ 発行日 2024年7月3日 A5判 72ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,100円

  • シューゲイザーの青い星【新本】

    【内容紹介】 手差ユニッツさんによる漫画短編集 キョーコちゃんは学校でいつもヘッドホンで何かを聴いている。それを耳にした、ものすごい轟音が聴こえてきた!「シューゲイザー」と呼ばれる音楽だった。鹿が活躍する『しからば』ほか、すこしおかしな漫画短編集。 著者 手差ユニッツ 発行所 手差ユニッツ 発行日 2024年7月3日 182mm×128mm 114ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,100円

  • ことばを育む手のなかで【新本】

    【著者内容紹介】 星野灯、4冊目のミニ詩集。 「冬眠し損なった私たち」をはじめ、「手に」「ことば」など10篇収録。 A6サイズ、28ページ。 空っぽの筒から声らしき音が 漏れて 届かないでほしくて 口を塞ぐ 手袋の毛羽立ちがむず痒い 冬がくすぐったい 物哀しさは 冬を耐え忍ぶ 宿命 のようなもの 冬眠し損なった生物にのみ与えられた 手では触れないギフト もうすこし 生き永らえたら また 会える 収録作品「冬眠し損なった私たち」より 著者 星野灯 発行日 2024年1月14日 A6判 28ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    700円

  • 戦略などなかった【新本】

    【著者内容紹介】 エッセイと日記の本です。 *著者サイン入りです。 【目次】 戦略などなかった 水無瀬のこと 旅が好き 出会いときっかけ 投稿欄とその後の話 詩集を作る 詩を書く道具 詩が「終わり」と言うまで 日記の抜粋(2022/10~2024/5) 著者 海老名絢 発行所 パレオパラドキシア 発行日 2024年9月8日 A6判 92ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    880円

  • 浅き眠りは地上に満ちて【新本】

    吉川彩子詩集 世界に満ちるすべての音も光も/ 被子植物のようにしずかに実るのだろう 夜の縁をなぞって吹き抜けるやわらかな風に似て 繊細で静かな詩の言葉が 今ここにいる〈わたし〉の内深く埋もれているいくつもの時間に触れ ひそやかな別れの記憶にみずみずしい痛みの光を瞬かせる その先を ここから生きていけるように                川口晴美 【作品紹介】 朝 いつのまにか三人称で話している ここにはわたしとあなたしかいないのに 伏線を回収するたびに 言葉が行き違いつづけて まるで失望の落雷 別れは惜しまない 欺瞞として過去は眠っていて 確かに受け取りましたと すんなり送ってくれない 青みどり色のオーラみたいなこだまは橋の下をくぐって 凍りついた空気の中を響きながら どこか知らない土地へ しじまの中へと帰っていく ゆっくりと前を見る かんたんな結論より前を見るほうが難しい 悲しみにみせかけた暗がりに 強く風が吹く 満ちる前に欠けて ひとすじの光が飛ぶ あなたの背中が燃えている 抱いた背中がしっとりとあまりの重さにたじろぐ ほんとうに好きだったのはこの人だった もうだれもいない朝 ゴミを出しにいく つっかけたサンダルがパタパタと鳴って 空には名残りの月 世界に満ちるすべての音も光も 被子植物のようにしずかに実るのだろう 帰り道 いつも帰り道だった 測れない天気予報と空の距離 投函した欠席連絡ハガキも 図書館に返却した芥川賞の単行本も 改札でかざした残高不足のICカードも キャリーオーバーにつられて買ったロト6も 暗号のようにうつくしい カフェの不在のテーブルに飲み残しの紅茶 だれかと別れて振り返らない いつも帰り道だった 風邪でも花粉でもなく涙が出る 自転車はすぐにキックボードに追い越された まだ恋は改行していない 雪がちらつき始める 浅く眠る街並みはどこまでも点描画みたいだ 前髪を直そうと バッグから鏡を取り出し映ったもの 角度が変わればそこは崖 そこはぬかるみ 降りつもるような 夜の合図は 大気をしずかな眠りにつかせ だれかの傷や痛みを消そうとする わたしはまだあなたと出会っていない いつも帰り道だった 自販機からジュースを取り出して 放電してしまった空のゆくえ 粉々になった飛行機雲が舗道に落ちている 月は太陽とみせかけて翻弄する コンタクトレンズがずれて沁みた いつも帰り道だった ほこりをかぶったスノードームの中にだけ この冬らしい雪を降らせて 今夜は眠ろう 著者 吉川彩子 発行所 七月堂 発行日 2024年8月20日 A5判 96ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,200円

  • 月の領域【新本】

    くりはらすなを詩集 外を覗くと/青白い地球が/すっと魂のように消えていった  ほどいた後のやさしさの贈り物 【作品紹介】 鏡 ときには なぞときのような 〈黄金虫〉や 〈メルツェルの将棋差し〉 夢の中で君はよく笑っていたけれど ポーの使う ひとつひとつの算術の中には きっと空と空の間にあるという 鏡のようなものがあって (木原孝一が言っていた) (池田克己だったかな) それは死を前に引き返した者にしか見えないもので たぶん もうじき 私の前にもあらわれる 似たような風景 それはどこかで見た風景だ 浄瑠璃かしら ある時突然女の 亭主が現われ 女の顔を張り倒す 見ていた私はついその仲 間に入りたくなり 男の腕を後ろから押さえてしまう もち ろん男の力など どうすることもできないが たしかにそれ は 保育園の中庭でのことで私も女もこの先どうしたらいい のかわからない この時子供たちは一列に並んでこっちを見 ていたのだろうか 女はただ殴られるままになり ほおって おいてくれと言う もちろん女と他の男の関係を亭主が知っ たためだったがあとのことは覚えていない 似たようなことはたしか子供の時分にもあったはずだ 母が 妹を連れて逃げて行こうとしている 父は怒鳴りながら二人 の乗った車を抑えている それはやはりどこか芝居じみて  その日 食事を済ませていたのかよく覚えていない 私は翌 日の学校の時間割をランドセルに詰め直す 母と一緒に行か なかった私に父はいつもより優しかったような気がした 著者 くりはらすなを 発行所 七月堂 発行日 2024年8月20日 A5判 84ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,200円

  • ふっとこわばる / インカレポエトリ叢書27【新本】

    神田智衣詩集 抜いてしまった祖母と抜けなかった祖母におびえながら 【作品紹介】 二階 赤い服を着ている人がいる 赤い服の裾を引きずって歩いていく後を私はついていく 階段をのぼった先には待合所があってむこうに飛行機が見える 私はその人のとなりに並ぶ その人が見ている方をみようとして寒さと強風の話をする それにはす向かいの人が答える 待合所ではありとあらゆる二足歩行の人と数多くのそうではない人が 奥へ奥へとにじりよる 入口近くに立つ人は血管が浮き出して肌が薄緑に染まっている 戸の開いた籠を持っている人は 飛んでいった鳥が帰ってくるのを待っている 空のベビーカーにもたれている人がいるのは 中の子どもがとっくに出ていったからだ 私は隣に立つ人に向かってひっきりなしに話し続ける 私の言葉と声を美しいとほめるのは いつもはす向かいに立つ人たちで あの人たちは私に感心があるわけではなくて 私が聞き返したいことは一つもない (請求書が踏みつけられている) 赤い服を着た人は少しも動かずに立っている いつになっても私には目の色がわからない きっとレンズでおおわれているからなのに 覗いても覗いてもわからないのは まつ毛のせい、で まぶたのせい、だ すべて引き抜いてしまいたいと私が言うのも聞かずに その人はずっと遠くを見ている 私がその人の服をはぎ取っても 首に手をかけてそのまま引き上げても こめかみを強く突いてさえも その人がこちらを見ることはない 待合室の中で次々やって来る人たちが 待っているのは遅延か欠航の知らせで 私達は少しずつ縮んで待合室は近いうちに底が抜ける それまで私は下を向いて その人の赤い服が擦り切れていくのを見ている 著者 神田智衣 発行所 七月堂 発行日 2024年8月20日 四六判 94ページ 【関連】 インカレポエトリ / インカレポエトリ叢書:https://shichigatsud.buyshop.jp/categories/2851576 ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    990円

  • 野ばら【新本】

    【内容紹介】 1920年、小川未明が38歳の時に発表した童話「野ばら」。不朽の名作であるこの作品に2024年、作家・松村真依子さんが絵を添え、よもぎBOOKSが造本を担い、1冊の絵本をつくりました。 大学の卒業制作で一度「野ばら」を題材に私家版絵本を作ったことのある松村真依子さん。その後幅広い活動を経て、改めて今回展示のテーマとして「野ばら」に取り組むこととなりました。 朱色と藍色の2色で2つの国を描いたり、袋とじの手製本で和綴じ仕様という鮮やかかつ和洋折衷な一冊に仕上がりました。 「野ばら」をよくご存知の方も、初めて「野ばら」に出会う方も。 この1つの舞台のような絵本で、童話に没頭していただけたら嬉しいです。 *「童話と飲むダージリン」は数量限定のため、なくなり次第終了します 文 小川未明 絵 松村真依子 発行所 よもぎBOOKS 発行日 2024年6月27日 150mm×138mm×8mm ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,640円

  • もうひとつの陶淵明試論【新本】

    【出版社内容紹介】 陶淵明の使う詩語「慷慨」に着目し<脱田園詩人>として陶淵明を捉え直す試み。詩人の「生きるべくして生きる」その姿を浮き彫りにする。 学業を終え、人生の波をくぐりながら、古希を迎える頃から本格的に陶淵明に向かう。 恩師を訪ね、指導を仰ぎ、多くのつまずきに耐えながらこの『もうひとつの陶淵明試論』は仕上がった。 未来の命へ届けてほしい。 目次 まえがき  第一部 陶淵明《飲酒》其の二 考  はじめに   第一章 淵明《飲酒》其の二「百世當誰傳」訓読 再考   (一)仮説 訓読「百世 当に誰か伝へんや」に依り淵明を読む    (二)淵明《会ること有りて作る 幷びに序》が示唆する淵明の覚悟    (三)《会ること有りて作る 幷びに序》の詩作年代を探る    (四)淵明の詩語――「慷慨」と「慨然」――から読む詩作年代   (五)淵明《雑詩》其の十「慷慨して綢繆を憶う」を詠じた時期とその思い   第二章 《飲酒》其の二「百世 当に誰か伝へんや」の含意   (一)異文化を併せもつ隠者 淵明    (二)「百世 当に誰か伝へんや」立ち位置の社会性    (三)魯迅が触発する陶淵明《述酒》評    (四)淵明《述酒》に登場する「陶朱公」   おわりに  第二部 陶淵明詩 大澤静代 訳  はじめに   《歸去來兮辭》幷序   《飮酒》二十首 幷序   《有會而作》幷序   《雜詩》其十   おわりに  書誌  あとがき  著者 大澤静代 発行所 七月堂 発行日 2024年5月17日 四六判 155ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    3,300円

  • 白くぬれた庭に充てる手紙(サイン本あり)【新本】

    望月遊馬詩集 あすの火は わたしたちのなかにある ……………… 光を孕んだ水が流れて島を象るように、言葉はほどかれ何度でも編み直され、こんなにも柔らかく強く透きとおる詩になった。実在の場所の伝承、そこにあったかもしれない情景とリアルな今に息づく思い。外と内。豊かにくつがえされて季節はめぐり、届けられる声を掬う私たちのてのひらに生命が燃えあがる。――川口晴美 ……………… 【作品紹介】 かすかなひと 春から夏のゆるやかな野と こぼれかけの庭 わたしのブラウスにも白い舟が漂着して 白い舟は 壊れかけのまま なかから こびとの船員が這いだしてきては 遠い国の合言葉を となえた わたしという舟を すこしだけ 前進させて こびとは 果ててしまったか もうそこには影すらない こびとたちの溢れる港には 新鮮な魚やていねいな職人が息づいていて わたしが美し い鉱石の指輪を買うことは まるでこびとたちへの問いかけのようで 死ぬことも生き ることも 永い時間のなかでは ゆっくりと木べらを持つこびとたちに かき混ぜられ ていくような気がした 爛熟する正午 わたしはスウプを口にし こびとにもそれを飲 むように強要した 壊れかけの庭には 薔薇の迷路がつづいている ここに来る者も 出ていく者もいない この完璧な企図のなかで わたしは洗い終えた皿を 湿った布巾 でぬぐった こびとたちは それぞれの仕事に戻った あるものは漁師として 朝の冷 たい町を巨大な魚をひきずって歩いた あるものは医師として 少女のきずぐちを縫い 少女に花のような接吻した また、あるものは会計士として ある未亡人の相続にまつ わる 不吉な地図を燃やした すべてのものが 水音のようにひらいていたのだ その 清潔な音 純粋な音――。わたしが守りたかったのは そんな音の絵だ 白い舟は 湾を周回し わたしは口をおさえて 港をあとにした どんなに苦しくても 消えいりたいと思ったとしても ことばを棄てることはなかった そんなあなたに わたしは わたしのことばを相続します 【著者プロフィール】 望月遊馬(もちづき・ゆま) 2006年、第44回現代詩手帖賞受賞 第一詩集『海の大公園』(2006、poenique)で、第12回中原中也賞候補 第二詩集『焼け跡』(2012、思潮社)で、第18回中原中也賞候補、第4回鮎川信夫賞候補。 『水辺に透きとおっていく』(2015、思潮社)で、第26回歴程新鋭賞受賞、第21回中原中也賞候補 『もうあの森へはいかない』(2019、思潮社)で、第70回H氏賞候補 『燃える庭、こわばる川』(2022、思潮社)で、第73回H氏賞候補 著者 望月遊馬 発行所 七月堂 装丁・組版 川島雄太郎 発行日 2024年7月31日 A5判変形 132ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,200円

  • 公園のまんなかにはおおきな木があって【新本】

    たかすかまさゆき第1詩集 届かないものを あなたと分かち合いたい …………………… たかすかさんの詩とともに散歩をし、佇み、微かな風を肌で待ってみる。 それは果てしなく孤独で、自由で、色気のある時間だ。 ――三宅唱(映画監督) …………………… 【作品紹介】 途上 坂の途上の地面は断層が剥き出しになっていて 茶色と灰色の入り混じった土が不安定に固められた足場を伝いながら 白いヘルメットを被り、紺色の作業着を着たひとがひとり降りてきて 奥の空間へと消えていく 奥では鉄骨と青いシートに覆われた穴だらけの家が 完成を待っているのか 解体を待っているのか 浅く削られた地面に鎮座していて その横で風に揺れ斜めに伸びる一本の木の緑が 家の中を行き来する作業着たちの影を曖昧に拡散している オーストラリアっていま何時だっけ? 風にのって不意に届くカタカナの地名が 坂に乗って不安定に傾くからだの姿勢をかたかたとなぞり 謎かけをたのしむように笑い声が遅れてやってくる ひゃ、ひゃ、ひゃ、ひゃ、と 穴から風が漏れるような破裂音が辺りに響き それにあわせるようにシャッター音が三度、 坂の上から鋭くたてつづけに鳴る 撃たれたように振り仰げば 空を覆う黒と灰の雲が うすくれないに染まりはじめた眼下のまち並みと 層を成しながらゆっくり下降する 加工され固定された時間をカメラにおさめたそのひとは 鳥の囀るオーケストラを背後にしながら この世の反対側にいるみたいな深く沈む眼 中央区立浜町公園 橋の向こうのまちのことはよく知らなかった。とぐろを巻く首都高が空を覆い、その真下の空き地で父親がちいさな子ども二人と遊んでいた。さらに進んで、大きな通りで右に曲がった。真っ直ぐ行くとまた別の橋があるらしかった。橋を渡ったらまた橋って、なんかどこにも行けんみたいやん? きっとあなたならそう言った。橋の手前で左に折れて、公園に寄った。公園では着物を模したお揃いの服を着た子ども四人がかくれんぼをしていた。隠れる場所はあまりなさそうだった。大人たちは水辺のベンチで談笑していた。その水辺に野生のネズミが一匹どこかから現れて、とてもおいしそうに水を飲んだ。公園内の照明はどれも濃い橙色だった。陽はまだ沈みきっていなかったけれど、もう空には陽が生み出す橙色は残っていなくって、陽が水平線に消え去る瞬間の淡い黄色だけが西の空にうっすら膜となって残っているだけだった。だから公園を満たす橙色は全部人工的なもので、人工的な橙色を透かして見る人間たちは、どれも古い映像のなかのひとたちみたいで、なんだか過去のようだった。もちろんそこにあなたはいなくて、わたしはひどく安心し、安心したことにひどく胸を痛めた。それから公園脇の階段から川沿いの遊歩道へ降りた。橙色は届かなくなり、陽はすっかり沈み、一段一段降りるごとに辺りは暗くなっていった。川は巨大で、真っ黒い水はひどく波打ち、歩道まで溢れてきそうだった。怖かった。そう思っていたら呑み込まれた。 それは言い訳でしかないんやん? きっとあなたならそう言った。良いわけがない。良いわけがない。意味なくくりかえすわたしはまだ川沿いの遊歩道を歩いていた。わたしのからだを運ぶのはわたしの足だった。しらじらとした蛍光灯の明かりにまみれたわたしの足の足裏が、地面に着地するまでの時間とその隔たりを正確に測る必要があると思った。目の前には色とりどりのネオンにライトアップされた大きな橋があり、川面にネオンがモザイク状に映って揺れていた。川を遡る一艘の船が橋の下を垂直に通過し、船が通った跡で切断されたネオンが揺れていた。石を投げればネオン色の煙が上がるだろう。煙の中からあなたが現れるだろう。けれども石はなかった。いつまでもアスファルトの平らな道だった。橋の上から車のヘッドライトが鋭くこちらを射す。隠れる場所はなかった。 著者 たかすかまさゆき 発行所 七月堂 発行日 2024年8月3日 A5判変形 124ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,200円

  • 誕生日の日記【新本】

    【出版社内容紹介】 「どんな今日も、誰かの生まれた日」 誰かの誕生日の日付から始まる、15人の日記集。 「誕生日」は自分と関係のない日付でもあるし、どこかソワソワと意識する日でもある。 カレンダーに印刷される公的な日付ではないけれど、完全に私的とも言えない日付。 そんな狭間にあるものとしてイメージしながら、この本の編集を進めることにしました。 生まれてきたことを祝う気持ちも、疑って悩む気持ちも、ひとしく並んでいる本を目指しています。 また、日記における日付の性質を際立たせるために、 ページ数(ノンブル)をつけず、日付を追って読み進めていただく造りになっています。 日記帳の中に紛れ込んだような、涼しげな読書体験を楽しむことができるかもしれません。贈り物にもおすすめです。(編集より) 著者 阿久津隆、いがらしみきお、イリナ・グリゴレ、植本一子、大崎清夏、金川晋吾、古賀及子、柴沼千晴、鈴木一平、pha、三宅唱、三輪亮介、me and you(久保山領、竹中万季、野村由芽) 発行所 株式会社 日記屋 月日 発行日 2024年7月15日 A6変形 208ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,530円

  • その日暮らし【新本】

    【内容紹介】 ずっと向き合えずにいた寂しさの正体がわかったことで、 僕ははじめて、自分を信頼できるようになった。 コロナ禍にはじめた畑。熊本の土地とたいせつなひとたちとの出会い。うれしさも苦しさも分かち合える家族との昼夜をへて、僕は自分のなかにいた、もうひとりの大事にすべき存在と出会った。日々を綴るエッセイの先に待つ、あらたな境地へといたる生の軌跡。 著者 坂口恭平 発行所 palmbooks 発行日 2024年8月1日 四六判 144ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,760円

  • 息のかたち【新本】

    【出版社内容紹介】 ひょんなことからひとの「息」が見えるようになった京都の高校生・夏実の物語。 どんな世界になっても息づくいのちの躍動を描いた青春小説。 コロナウイルスという「目にめーへんややこしいもん」にも変えられないもの。 突然の休校や陸上大会の延期、急なモテへの戸惑い、そして受験と進路…… コロナ禍の「青春のかたち」を切り取った、待望の作品集。 息は、光は、そこにある。気に留めるか、留めないか、そのちがいがあるだけ。 著者 いしいしんじ 発行所 講談社 発行日 2024年7月23日 四六判 240ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,760円

  • 世界の適切な保存【新本】

    【出版社内容紹介】 ロングセラー『水中の哲学者たち』で話題沸騰! 対話する哲学者・永井玲衣、待望の最新刊! 見ることは、わたしを当事者にする。 共に生きるひとにする。 世界をもっと「よく」見ること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること。 この世界と向き合うための哲学エッセイ。 わたしはどうやら、時間が流れていくにしたがって、 何かが消えるとか、失われるとか、忘れられるということがおそろしいらしい。 ここに書かれたもの。その何倍もある、書かれなかったもの。 でも決してなくならないもの――。 生の断片、世界の欠片は、きかれることを待っている。じっとして、掘り出されることを待っている。 著者 永井玲衣 発行所 講談社 発行日 2024年7月23日 四六判 288ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,870円

  • &Premium 9(No. 129)Inspiring Words / 明日を生きるための言葉。【新本】

    【出版社内容紹介】 今月の特集 「明日を生きるための言葉」 SNSをはじめ、私たちを取り巻く社会は、膨大な「言葉」で溢れ返っています。でもその多くは、効率の良さや即時性を優先し、形骸化した「痩せた言葉」のように感じられ、疲れてしまうことも少なくありません。そんなとき、自分を前向きに奮い立たせてくれるような言葉を、ひとつふたつ胸に抱いていられたら、と思いませんか。今号では、エッセイや日記、詩や短歌の言葉などから、思索に満ちた「豊かな言葉」を紹介します。人の心に響く美しい仕事を遺した作家やエッセイスト、詩人、歌人、芸術家、学者、デザイナー、建築家や料理家たち。心をふるわす言葉に触れることで 、明日に向かって進んでいくヒントを見つけてもらえたらと思います。 【目次】 020 Inspiring Words 明日を生きるための言葉。 022 MY FAVORITE QUOTE 23人の、明日のための言葉。 野村しのぶ 川内倫子 大田ステファニー歓人 西村佳哲 長井優希乃  工藤桃子 若菜晃子 安西葉子 長山智美 森下典子 三宅 唱 竹田ダニエル AKI INOMATA 三田真由 山極壽一 中岡祐介 祖父江里奈 朝倉洋美 稲葉俊郎 宇多丸 国井美果 三國万里子 鈴木俊貴 028 BEST ESSAYIST 言葉の名手が選ぶ、あの人の言葉。 朝井リョウ 伊藤比呂美 柴田聡子 小原 晩 町田そのこ 大森克己 040 ESSAYS FOR LIFE 暮らしの心得を名エッセイに学ぶ。 044 AKIRA MINAGAWA 皆川明、「つくる」を支える言葉。 048 EXPERTS SAY 専門家の、心に響く言葉。 052 TRAVELOG 柚木沙弥郎の旅の歓び。 056 IN NATURE 串田孫一の自然を見つめる眼差し。 060 IN THE DIARIES 日記に綴られた、生き方のヒント。 064 THE OLD CLASSICS 現代にも通じる、古典の情緒。 068 FROM MORNING DRAMAS 今日を元気にする、朝ドラの台詞。 072 ARTISTS’ STATEMENTS 生命力に溢れたアーティストの言葉。 076 OUTING WITH POETRY 詩をたずさえて、外に出よう。 New TANKA for Better Life 短歌をベターライフの道しるべに。 【連載】 ・&Paris 木戸美由紀のパリところどころ案内。「ベルヴィル通り〜ピレネー通り」ほか ・&Taipei 台湾ベターライフ 片倉真理の台北漫遊指南「潮州街」ほか ・&COOKING 渡辺有子の料理教室ノート「ゴーヤー」 ・&NAOKO 大草直子の好きな時間、好きなもの。「元気なストレリチア オーガスタ」 ……etc. 発行所 マガジンハウス 発行日 2024年7月20日 A4変形 136ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    930円

  • 誕生日のアップルパイ【新本】

    【出版社内容紹介】 庄野潤三夫人である千寿子さんから、 長女の夏子さんに送られた、たくさんの「ありがとう」の手紙。 庄野文学の馥郁とした香りをつたえる130通。 (帯文より) 著者 庄野千寿子 発行所 夏葉社 発行日 2024年6月10日 145mm × 185mm 224ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    2,420円

  • syunkonカフェごはん 8【新本】

    【出版社内容紹介】 シリーズ累計780万部突破! 「最低限の手間と材料なのに、すごく美味しくできるレシピ」「読むだけで楽しい、読んだら絶対作りたくなるレシピ本」として、日本でいちばん売れている料理ムックシリーズ。 「いいね!」が殺到した4年分の大人気レシピと新作を、シリーズ最大ボリュームの128ページに詰め込みました。前作の「7」より25%増量した最大ボリュームなのに、キッチンで開きやすい特別仕様でお届けします。 ・食材、調味料は「多い順」ではなく「使う順」に掲載 ・お弁当OK、冷蔵〇日、冷凍OKなど便利なマークと保存期間付き ・倍量作りたい!にも対応 さらに取り外して活用できる特別付録「レンジ活用BOOK」(全24ページ)付き!! 隅から隅まで大活用していただける、自信の一冊です! 【内容紹介】 Part 1 4年分の集大成! 人気おかずBEST30 Part 2 まだまだある! 素材別人気レシピ Part 3 主菜はフライパン1つ! 素材別 楽チン献立 Part 4 解凍せずに調理可能! ガチガチ冷凍肉レシピ Part 5 お手軽&絶品! ご飯もの Part 6 休日の味方! めん類 Part 7 旬の野菜で! 副菜&おつまみ Part 8 自信作! 簡単お菓子&おやつ レシピコラム 幸せのパン&サンドイッチ/至福のスープ 含み笑いコラム 夢追い人レシピ/お手紙レシピ 人気記事ダイジェスト/よくありそうな質問コーナー/Twitterダイジェスト 素材別INDEX <特別付録>*切り離して使えます! レンジ活用BOOK(全24ページ) これまでのsyunkonシリーズに掲載したレンジの便利な使い方、特に人気のレシピ(+新作も)を一冊にまとめました。 野菜の加熱時間の目安・人気のソース&たれ・卵料理まとめ・めん類のゆで方・人気&おすすめレシピ・副菜・うどん・パスタ・チンするだけキット・レンジの便利な活用法他 著者 山本ゆり 発行所 宝島社 発行日 2024年7月1日 AB判 152ページ ________________________________________ ※送料の変更をさせていただく場合がございます。詳しくは以下のURLよりご覧ください。 https://note.com/shichigatsudo/n/n848d8f375955

    1,298円