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脱コロナ禍を狙う演出広報とは

コロナ禍も3年目を迎えました。

世の中では、マスクはいつ外すか、外さないのか、タイミングはどうする?といった、すでに「ポストコロナ禍」に意識が移りつつあります。

その中で大学は、大人数での授業かつクラスターになりやすいということで、社会の流れからは比較的保守的な緩和をとってきています。

教室では喚起、距離を開けた座席配置、サークルやイベントの中止や縮小化、もちろん授業講義のオンラインは大学らしい最も分かりやすいコロナ禍で生まれたコンテンツです。

本来、夢に見た花の大学生活が「失われた大学生活」「こんなはずではなかった」という悲劇的なイメージになりがちですが、もっとも厳格な大学において、コロナ禍をプラスに転じる広報のやり方もできます。

声出し応援、コロナからの復活を広報に使う

自分が上手いな、と感じたのは、野球のDeNAベイスターズでした。

今回のマスクをしての声出し応援解禁に先駆けて、コロナ前のマスクなしの応援とこの2年間応援すらもできなかった状況を対比して、それをSTORYに仕立てているのです。

野球などスポーツはコロナにより観客動員収益で大きな打撃を受けた業界ですが、本来は選手と観客が一体となって、感動や喜び、悲しみを味わうのがスポーツ、それが応援ができないことで魅力が半減してしまっていることも事実です。
この動画は、声出し応援解禁という潮の大きな変わり目を、以前の応援を思い起こさせることで「この2年間を取り戻そう」「溜まった鬱憤を爆発させよう」としています。まさに守備の裏は攻撃、野球のルールが如くです。

では、大学のコロナ禍での広報はどのようにすべきだったでしょうか?

コロナにどう立ち向かうか?をどのように表現するか?

戸板女子短期大学では、コロナ感染が始まった2020年4月は自宅学習、1ヶ月の準備期間を経て、全授業をZOOMでのオンライン授業に切り替えました。

最初は画面共有やシステム連携など手探りの状況でしたが、その中で教職員が悪戦苦闘しながら、オンライン授業に臨む様子をドキュメンタリー動画にして公開しました。

新入生が初めて授業を受ける日の1限目、オンライン授業開始の日でした。
登校もなく、入学式もなく、初対面も画面の中で安東教授が涙ながらに「ご入学おめでとう」と語りかける動画は、900回まで再生されました。

またヘアメイク演習をスマートフォンを駆使しながら実技を行う関根講師の授業の裏側は画面だけでは分からない苦労が伺えます。
今でも関根先生とは「あの時は大変でしたね」と顔を合わせるたびに笑い話になります。
同教室にいて、200名の学生に対して個別で話しかける、その奮闘もZOOMの画面では分からない隠れた部分を広報として表現しました。
こちらの動画も700PVと高い視聴回数でした。

コロナ禍を活用する、抗う体制は大学の売りになる

授業だけでなく、コロナに対して立ち向かう体制はイベントでも同じように強みになります。
大学の学生にとっての楽しみは秋に行われる学祭でもありますが、1年目はオンラインのみの開催になりました。その際に学生が作成したムービーは、外部だけではなく、学内インナーを奮い立たせる内容となっています。

2年目はオンラインだけでなく人数制限、感染対策を行なった上での対面+オンライン配信を行いました。

その学祭を開催するにあたり、事前に公開した学生の思いのYoutube動画は、コロナ禍に対して立ち向かうのではなく、上手く付き合いその中で最大限のパフォーマンスを出そうという、学生の決意表明です。
感染対策を見せつつも、オンラインと対面の両面開催をポジティブに表現しています。

「コロナ禍だからこそ、私たちがやってやろう」

戸板女子短期大学の学生らしい動画です。

3年目のポストコロナはどのように広報するか?

さて、この3月からコロナ禍は3年目を迎え、かつ以前の日常に少しずつ戻ると言われています。その中で、慎重である大学界隈の中で大胆にコロナに対して立ち向かう広報はどのように行うのか、各大学の腕が問われます。

マスク外すことでの対策、もちろん感染拡大防止やオンライン授業どうする問題も。慎重に動く大学もあれば上手く利用する大学もあると思いますが、学内のコロナに対する対応の意思統一と広報の演出が重要になってきます。

「コロナ対策をした上で対面授業や演習を本学は動き出してます」

「それでもコロナ対策をしっかりしてオンライン授業での対応含めて、安心安全な大学です」

学内の意思統一がインナーにも対外にも、高校にも高校生にも広報次第でメッセージとして届くのです。


最後までご覧くださり有難うございます。

これまで20年間、コンビニやヘルスケアベンチャー企業でマーケティングやブランディングに携わってきた澁谷の経歴やストーリーはこちらをご覧ください



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