自律とか、モチベーションとか。
「褒めてほしい」っていう欲求は客観性や定量性とは関係なくて、主観に基づくもので、「自分がどこを褒めてほしいか」が理解されないと、評価者や組織を信頼できなくなってしまうんだと思う。
これはすごく繊細なことで、人は自分で「ここを褒めて!」と言えるものではない。
だから、「この人はこういうところを大事にしている」「この人はここに気を配っている」ということを解し、そこを取り上げて、その努力・価値観・美学を讃えなければならない。
組織に所属して働くモチベーションというものの根本には、その、評価者や組織への信頼が一番の根っこにある。
わかってくれない人たちのために、誰が働きたいと思うんだろう。
「わかってくれない」は「他律である」と言うことは、簡単だと思う。
一方で、「わかってもらえた」という体験なしに、「自律」もないんじゃないかとも思う。
自律的に動くことができる人は、自分の価値判断と組織の価値判断が一致しているという確信があるから動けるのであって、その確信がなかったら、その判断を常に他者に依存するしかない。もしくはそもそも動かないか。
だから、自律している人は、「わかってもらえた」という体験が自律するきっかけとして大きいのではないかと思う。
今回のTPA(Tribal Professional Academy)ではこちらの書籍が課題図書だった。
ぼくは今、新卒社員さんのOJTを担当している。
その経験に照らしつつ、その中でもっとも印象に残った箇所をこちらの書籍からご紹介したい。
4つの欲動
人間は4つの「欲動」に駆られるという。それらは、
・獲得への欲動 有形無形かかわらず希少なものを手に入れる
・絆への欲動 個人や集団との結びつきを形成する
・理解への欲動 好奇心を満たすことや世界を理解すること
・防御への欲動 驚異から我が身を守り、正義を広めること
どうして印象に残ったかというと、端的に言えば、マズローの5段階欲求説よりわかりやすく、自分・他者のモチベーションを測りやすいと感じたからだ。
今年、ぼくは初めて新卒社員のOJTを担当することになった。
その上で、モチベーションに関わるどんな種類の欲動があり、うまくいっている点・うまくいっていない点において、その欲動がいかに機能している・していないのかを測る、という点で非常に使えるフレームだと思ったからだ。
この書籍にはその4つの欲動と「組織上の急所」「行動」という表があり、これもとても参考になりそう。
<個人の目標と組織の目標を一体化させる>
ぼくのOJTの経験でもっとも貴重だったのは目標設定だ。
一緒になって、新卒社員さんの目標を考えていった。
そのプロセスで最も気を払ったことが、まさに「個人の目標と組織の目標を一体化させる」ことだった。
とても有り難かったことは、その新卒社員さんが非常に明確な個人の目標を持っていたことだ。
そのおかけで、明確な個人の目標に対して、チームリーダーの小蔵さんやぼくの経験や知識でわかっている、「この会社の業務経験がその個人の目標に対して最大限どういう寄与をすることができるか」を、「新卒社員さん個人もトライバルメディアハウスという会社も、ともに目標を達成できるにはどうしたらいいか」を考えながら、いくつかの具体的な目標を設定していくことができた。
目標に美醜なんてないのかもしれないし、立てただけの目標はただの徒労でしかないのだけれど、それを達成した未来に行きたいと心から思える目標はやはり美しく、そんな目標を立てることができたんじゃないかと思っている。今、勝負の真っ最中だけれど。
そんな過程はまさに「個人の目標と組織の目標を一体化させる」だったと思う。
次はこちらの書籍から。
内容はまだ表面的にしか理解できていない実感があり、再読しないとなあと思っているけれど、巻末の「4つの考え方」がちょうどよい力で背中を押してくれる内容になっていたので、紹介したい。
1.勝ち負けではなく「効果」で考える
2.人の行動にはすべて理由があることを理解する
3.待つ
4.「他人は自分と違う」と理解する
ぼくはこの「3.待つ」を書いてくださったことに心から感謝したい。
自律ということで大切なことは、「自分の成長を待っている誰かがいる」という、「緊張感」と「安心感」が両立している状態だと思っている。
今できないことがたくさんある。だけど、いつかできるようになりたい。
できないことの先にあるやりたいことに向かって、ぼくたちは日々頑張っている。
そこに自分が心から信頼できる誰かがいてくれたら、早くそこに向かいたいと思うはず。
今回は、「モチベーション」という観点でnoteを書いてみたけれど、結局「自分」か「誰か」に向くベクトルの大きさでしかないのだろうと思った。
モチベーションを維持するような仕組みを導入しつつ、日頃の些細なコミュニケーションを心を込めて行うしかない部分もあるのだろう。
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