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充実していく産休・育休/育児支援と非正規雇用の現実

みなさんこんにちは。人材系企業で働いています、しぶやです。X(旧Twitter)は→こちら

先日、両立支援法案が衆院を通過しました。子どもが小学校に入学する前までは、テレワークや時差出勤など複数の働き方を選べる制度の導入を全企業に義務付けるとのこと。ほかにも、残業免除の申請期間を現行の「3歳になるまで」から「小学校入学前まで」に延長したり、5日間取得できる看護休暇を「小学校入学前まで」から「小学校3年生まで」に適用したりするそうです。

両立支援自体は素晴らしいことだと思いますが、気になるのは正規雇用と非正規雇用の待遇差がより広がるのではないかという点。

弊社は派遣事業を行っていますが、派遣社員の産休・育休は不安定だなという印象です。もちろん制度ですから、産休・育休をとること自体はできます。弊社でもいまのところ、希望者の取得率は100%です。

ところがこれにはカラクリがありまして、取得は簡単なのですが復帰時に派遣先を探すのに難航し、育休終了と同時に退職していく方もいるのが現状です。「制度は充実してきたが、フルで恩恵にあずかれるのは正規雇用」と考えておいた方が良いかと思います。

派遣は責任が軽くゆるい仕事というイメージを持つ方もいますが、派遣は「マッチング重視」の側面があるので「時短希望」「平日のみ就業希望」「夜勤不可」といった制約のある子持ちには、なかなかマッチする派遣先が見つからないことがあります。最近では介護を理由に働き方を変える人も多く、数少ない時短案件に多くのエントリーが集まっています。

また、良くある誤解ですが無期雇用だったとしても派遣先に復帰できる保証はないです。無期雇用は「派遣元との雇用が無期」なだけで、派遣先とは有期雇用のままです。派遣先から契約を切られたら、無期雇用している派遣元が休業補償もしてしっかり面倒見てね!という制度なんです。なので「無期雇用だから育休復帰時も安心だ」とはならないのが現実…

復帰できなければ、在宅勤務やフレックス、残業免除、看護休暇などの各種制度の恩恵を受けることも当然できません。

解決策は申し訳ないですけどひとつだけ、出産前に正規雇用を目指すことです。昨今、どの業界でも人手不足が顕著になっています。若い世代は正規雇用を目指しやすい環境です。派遣にい続けるのではなく、結婚が決まったタイミングなどでできるだけ早く転職活動をしましょう。

もしくは、派遣の中でも復帰しやすい専門派遣を選ぶのも一つの手です。弊社でも復帰時に派遣先に交渉し、時短勤務や出張免除、残業免除などの希望が通って復帰した例が複数ありますが、いずれも専門派遣のスタッフたちでした。

専門派遣は後任が見つかりにくかったり、高いスキルを評価されて復帰を熱望されることもあるため、復帰時に希望条件が通りやすい。派遣を選ぶなら、事務派遣ではなく専門派遣を目指すといいと思います。(給料も良いですし)

なんだか夢も希望もない話になってしまいましたが、やっぱり正規雇用は制度に守られていて強いです。政府の、育休や育児支援の充実をはかる方針には私も賛成ですが、非正規雇用が多い現実を見ると、制度と実際の運用が異なる状況になりかねないと危惧しています。現段階で個人でできることは、制度を知るとともに、その制度を使用できる場に身を置くことではないでしょうか。

最近は人手不足も深刻化し、若い世代は正規雇用に就きやすい環境になってきています。年齢を重ねると非正規から正規への転職がむずかしくなってくるので、あきらめずに挑戦してほしいです。


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