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相澤病院-マーケティングトレース

本日のマーケティングトレースは救急医療の相澤病院。
なぜ「救急医療」特化出来るのか、断らない診療の仕組みについてまとめていきます。後半ではWebサイト制作/運用の現場で起きる「即対応」との向き合い方についても書いていきます。違った業種でも起こり得るお話。

PEST分析

患者のたらい回しを防ぐ、相澤病院の仕組み

相澤医院の特徴

救急医の一時受け後、各診療科の専門医が24時間体制で対応。病状の緊急度により優先順位をつけ(トリアージという仕組み)軽度な患者も疎かにせず、システマチックに対応していました。
また早期リハビリを行い、入院期間を通常の3/1に短縮。

周辺の開業医との協力

このビジネスモデルの肝になっている部分。お互いのメリットを補完し合い、カルテのデータベース化を行い協力体制を構築しています。
「患者視点」で考えられた協力体制。

【相澤医院のメリット】
・患者を開業医から紹介してもらえる仕組みの形成
 ⇒開業医からの紹介は初診患者の80%

開業医のメリット
・開業医は専門医の為、対応が難しい患者や急患を24時間体制の相澤病院に紹介出来る

効率化を生んだ仕組み
・ドクターネットワーク(患者のカルテ、検査結果の共有システム)

様々な施策で「救急特化」の病院として、地域住民から信頼を得て、業績は回復したが。それでも、少子高齢化の影響により現在では業績は停滞しているようです。

「退院させるだけ」の医療からの脱却

業績が伸び悩み次なる施策として打ち出したのが高齢者向けサービス

時代に併せて、ニーズを汲み取った効果的な施策

相澤医院の別事業の特徴

・在宅復帰の支援病院
 退院後に孤立化する老人のライフスタイルに合わせたリハビリ提案
・高齢者向け住宅
 初回入居費無料、月額も低価格で年金生活の高齢者がターゲット

これが「退院させるだけで終わらない」相澤病院の新事業。
時代のニーズを汲み取った「患者視点」の施策がなされています。

ここで一旦、救急に話を戻します。今回、一番特に気になった点が。

なぜ救急医療の組織が維持出来るのか?

「患者視点」を持ち、お互い1つのゴールに向かい、協働。そういった働き方にスタッフはやりがいを持ち、組織の一体感を高めているようです。

ただ正直、365日、24時間体制はシフト制とはいえ、かなりハードな環境だと思います。採用に関しては応募が殺到し、年間100名前後のスタッフが増加するそうですが、そこを「やりがい」で退職がカバー出来るかがすごく気になる所。

サイト制作、運用でもよく起こる「即対応」

命の危機はないにしても業種によっては、即対応はよくあること話だと思います。サイト制作、運用などをしていても「お客さんがこのバナーのデザイン変えて欲しいって言うから、すぐ直してよ」みたいな場面をよく見ます。

トリアージのように、いくら緊急度を選別して対応したとしても、こういった即対応の状態がずっと続けば、デザイナーも営業、ディレクもどちらも疲弊していきます。
やはり現実問題。「やりがい」だけで人を引きつける事は非常に難しい。

全ての即対応をなくす事は不可能

全てをなくす事は不可能ですが、
こういった事態を未然に防ぐ取り組みが非常に重要だと感じます。

医療でいえば
地域住民に対しての健康的な生活の提案、事故の防止の働きかけなど。
(医療関係者ではないので想像の範囲ですが)

サイト制作、運用でいえば
初期の要件定義の漏れを防ぐ、契約やコンディション、諸々の認識をプロジェクト全体に関わるメンバーが合わせるなど。

とはいえ、こういった救急、即対応をゼロに防ぐ事は不可能なので。感謝の心を忘れずに、お互いの職域を理解、リスペクトし合う事が非常に大事だなと思います。

職域を超えた協働は新しい可能性を生むことが出来るキッカケになっていきます。仕事をしていると、つい「いや、これは営業の仕事でしょ!」みたいに対立する事もあると思いますが…。そこは職域を超えて改めて「顧客視点」でチャレンジしていけるといいかなと思います!




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