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心の逃げ場を積極的につくろう - 起業家のメンタルヘルス・テクニック

どうも、渋谷です。突然なんでクリスマスイブにこんなnoteを書くことにしたのかというと、可愛い後輩にお願いされたからです。

セルフケアをテーマにしたアドベントカレンダーということで、「自分を大事にするためのテクニック」を書いてほしいとのこと。

最初は正直面倒なお願いだなと思ったのですが、10年近く起業家として生きてきた自分にとって、「起業家のメンタルヘルス」というのはずっと研究してきたテーマでもあったので、自分が普段心がけていることを書くことにしました。

起業家のメンタルヘルスについて

まずは軽く自己紹介も兼ねて、なぜ自分がメンタルヘルスに興味があるのかを書きます。
僕は2011年にフラーという会社を起業して、現在10期目になります。この10年近くを振り返ると、まさに「ジェットコースター」のような10年だったなと。そして重要なポイントとしては、体力的に大変だったというわけではなく、「感情のジェットコースター」との戦いが最も大変だったということです。

起業家の仕事って、良い時もあれば悪い時もある、なんてものではありません。感覚的には、一難去ってまた一難。悪いことが常に起きてて、良いことがたまーにあるという感じです。でも、その良いことが刺激的過ぎて、充実感と達成感に満ち溢れていて、だからこそ「ジェットコースター」という表現を使いたくなるのです。

メンタルを壊してしまう起業家は、本当にたくさんいます。知り合いでも少なくなく、「明日は我が身」と常に思ってこれまで生きてきました。
自分の感情をどうコントロールするのか、自分の心をどう守るのかというテーマは、起業家にとって非常に重要なのです。

メンタルをタフにすることよりも、逃げ場を確保しておくことの方が重要

「何ごとにも慣れが肝心」というのはまさにその通りで、辛いことでも何度も経験していればだんだんと何も感じなくなっていくものです。自分の例で言えば、創業期は人が辞めていってしまうのが凄く辛かった。でも、3年目くらいから何も感じなくなったというか、喜んで送り出せるようになりました。何か事件が起きたりしても、誰かに嫌なことを言われたりしても、昔に比べるとかなり不感症になった気がします。

ところがどっこい。課題や悩みというやつは、どんどんと規模が大きくなっていくもの。自分が歳を重ねて成長するごとに、ぶち当る壁もまた大きくなるのです。そうすると、メンタルをどんなに鍛えても追いつかない。いつか壊れてしまう。

メンタルをタフにすることよりも、何が起きてもリセットできる術を持つ方が、サステイナブルだということに途中から気づきました。
どんなに不感症だと思い込んでいても、実は心の傷というのは蓄積されていっています。気にしていないだけで、なくなっているわけではない。だから、耐えるのではなく、リセットすることが大事なのです。

簡単にこの10年をまとめると、創業1-3年はメンタルが鍛えられた時期、4-6年は不感症と思い込んでた時期、それ以降はメンタル・リセットによって自分の心を守ってきたという感じです。そして最近はすっかりメンタル・リセット・マニアになってしまいまして(笑)、日々研究を続けています。

心の逃げ場を積極的に確保しよう

精神は鍛えるものではなく、都度都度リセットするもの。リセットさえできれば、人間は忘却力があるため回復できる。
嫌なことを減らすのではなく、嫌なことが起きることを前提に、対処法を備えておくことが重要です。

僕の場合は、大きく分けて以下の3つの対処法(心の逃げ場)を確保しています。

・日常的な心のメンテナンス
・定期的な心のリファクタリング
・緊急時の心のリブート

それでは、一つずつご紹介していきますね。

日常的な心のメンテナンス

日常的に心をリフレッシュする術を持っていることはとても重要だと思います。
人によって、それはランニングであったり、筋トレであったり、飲み会やカラオケだったり、様々あると思いますが、僕の場合はなんといっても「サウナ」です。

なぜサウナなのかというと、いつでも気楽に行ける癒し空間であり、風呂に入るという毎日必ず行うルーチーンに組み込みやすいからです。
飲み会や麻雀といった趣味もあるのですが、それらは翌日に響いたり、誰かと一緒じゃないと成り立たない。サウナは季節関係なく一人でいつでも行けるし、夜良く眠れるようになるので仕事人間には最適なリフレッシュです。そして、行こうと思えば知り合いと一緒に行って交流することもできる。一回あたりの単価もお手頃で、とてもコスパがいいです。

無駄にロジカルにマッピングしてみると、リフレッシュ界におけるサウナのポジションはこんな感じになります。笑

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(この図に関しては物議を醸すかもしれませんが、ひとまず置いとくとして。笑)
この世のリフレッシュ方法には、能動的に自分がアクションする必要があるものと、動画視聴などのようにただ座っていればよいだけ(受動的)のものがあります。そして、汗をかく運動系のものと、そうでないものとがあります。
そう考えるとサウナは非常にレアな存在で、汗をかくリフレッシュ方法なのに、基本的には「ただ座ってればいいだけ」なのです。なので始めるための敷居が極端に低い。着替えたり、気合いを入れる必要がないのです。むしろ全部脱いで、ただ無心に熱くなったり冷たくなったりして、リラックスすればいいだけなのです。

難点があるとすれば、サウナはハマる人とそうでない人がわかれること、そして本当にハマるまでには多少時間がかかることが挙げられます。ところが、一度ハマってしまえば最高のリフレッシュ方法として確立されます。
「どんなに嫌なことがあっても、サウナに入ればいいんだ!」といった具合になれば、もう完璧です。怖いものなんてありません。だってサウナに入ればいいんだから。笑

ということで、サウナについて延々と語り続けるのが今回のテーマではないため、そこは以下の書籍に譲るとして、、(なぜサウナブームが来てるのか、正しいサウナの入り方はなど書いてあるので興味持った人は是非!)

とにかくここで言いたいのは、サウナが超すごいということではなくて、別にサウナに限らずとも「嫌なことがあったら〇〇をすれば回復!」という回復魔法を常に用意しておこうということです。

そうすれば「嫌なこと→悩む」という流れではなく、「嫌なこと→サウナ!」というフローを習慣化することができ、むしろ嫌なことすら楽しみになってきます。笑
これは別に現実逃避をしているわけではなく、何かあったらまずは心をリセットして正常な状態に戻し、その上で解決策を考えようということです。
悩んで病んでいる状態で判断するよりも、心が正常な状態で判断をした方が、絶対に良い結果になるはずなのです。

定期的な心のリファクタリング

先ほどのチャプターでは日常的なメンテナンスの話を書きました。これは嫌なことがあったり落ち込んだりした時に、いかに普通の精神状態に戻すかという観点で大事なことです。
一方でここでは、定期的なリファクタリングの必要性について述べていきます。リファクタリングという言葉はエンジニアの人以外はあまり聞き慣れないかもしれませんが、簡単にいうと「心の整理」を行うということです。蓄積した精神的疲労やモヤモヤを大掃除し、これから先どう生きていくかをゆっくり時間をとって考え、心をスッキリした状態にする。定期的にこうしたリファクタリングを行うことで、人生の幸福度は確実に上がります。

僕の場合はどうやってリファクタリングしているのかというと、季節ごとに自然を味わえる場所で、美しい景色を見ながらゆっくり考えごとをしています。大自然の中で心を洗い、雄大な景色を見ることで、自分の悩みごとなんてちっぽけだなと思うことができます。
「季節ごとに」と書いたのも重要なポイントで、季節をしっかりと感じることで時が過ぎていっているのを認識しています。春であれば桜を眺めたり、夏であれば海でBBQ・山や川でキャンプ、秋であれば紅葉スポット、冬であれば雪の中で露天風呂。こうやって季節をしっかり味わいながら、その時その時トピックを決めて人生の振り返りと今後の目標設定をしています。

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僕は2020年の6月に故郷の新潟へUターン移住したのですが、一番良かったこととしてはこの季節ごとのリファクタリングが非常に充実した点です。
新潟は春であれば高田の夜桜、夏は海も山も川もたくさんあるのでキャンプ、秋も絶景紅葉スポットがたくさん。そして冬は雪が降り、温泉もたくさん。真っ白な雪を眺めながら露天風呂で人生を考えるのはとても好きな時間です。
僕の場合は新潟に来てからは特に明確にスケジュールしておかなくても、季節が変わったらリファクタリングのタイミングとしているので、必然的に年に4回タイミングが訪れます。四季があるって素晴らしい!

実際にどうやってリファクタリングの時間を過ごすのかは、ビル・ゲイツ氏のThink Weekなんかがとても参考になると思います。

なかなか一週間という時間を確保するのは難しいかもしれませんが、2,3泊でも十分に心のリファクタリングは可能だと思うので、是非やってみてください。

緊急時の心のリブート(特効薬)

さて、いよいよ3つ目です。日常的にメンテナンスをしたり、定期的にリファクタリングをしていても、人生の中で本当にどうしようもない時ってありますよね。かくいう僕も、何回かそういう時がありました。すみません、嘘です。何回”も”ありました。
大体そういう時って、色んなことが運悪く重なってるんですよね。仕事のヤバイこととか、プライベートのヤバイこととか、これでもかってくらい重なって、どん底に叩き落とされる。どんなに元気を装っても、顔が全然笑ってない。気を抜くと吐きそうになったり、夜全然眠れなくなったり。

そんな時、僕には必勝法があります。長年の研究により編み出した、特効薬があります。それが、こちらです。

「??」と思った人もきっと多いのではないでしょうか。でも、ど真面目です。僕はこの本に何度も救われました
般若心経という言葉は聞いたことがある人も多いかと思いますが、実際に読んだことのある人はきっと少ないのではないでしょうか。

別に僕はここで布教をするつもりなんて全くありませんし、この本の内容の何が良いのかを細かく語ろうとは思っていません。
ただ、騙されたと思って一冊手元に置いてみてください。そして、本当に精神状態がヤバくなった時に、手にとって読んでみてください。

この本の副題は「すべての悩みが小さく見えてくる」というものなのですが、本当にその通りです。人間は考え過ぎてしまうから、どん底にハマってしまうのだと思います。ところが、頑張って切り替えよう切り替えようと思っても、本当にヤバイ時はそんなことができません。だからこそ、こういった特効薬の意味があるのだと思います。

僕がこの本に救われたのは、一度や二度ではありません。今のところ百発百中の効果がありました。「本当にどうしようもなくなったらこれを読もう」と決めているので、とても安心感があります。コツとしては、精神状態が落ち着くまで、何度も読み返すことです。この本が必要じゃなくなるくらい回復するまで、一日に何度も、そして明くる日も回復していなければ読み続けます。
この本は非常にコンパクトで、一回あたりはすぐに読み終わります。それがまた良いのです。サクッと読んで、深呼吸。またサクッと読んで、深呼吸。これを繰り返します。

どうしようもなくなった時は、PCのように再起動をする。日々のメンテナンスや、定期的なリファクタリングも非常に大事ですが、一方で緊急事態にリブートする方法を確保しておくことも、同じくらい重要だと思うのです。人生、いろんなことが起こるので。

ということで、ここまでで心の逃げ場を確保する3つの方法をご紹介しました。
ここには書きませんでしたが、困った時は遠慮せずに「人に頼る」ことも重要です。僕も実際困った時はすぐに頼れる人に相談して、乗り越えて来ました。だから、逆に困っている人はできる限り助けたいと思っています。
渋谷の知り合いの起業家の皆さん、また起業家に限らずとも、困った時は遠慮せずに相談してください。僕にできることがあれば、全力で助けます。

どんなに辛いことがあっても、生きていれば良いことは必ず訪れます。
是非みなさんも自分なりの心の逃げ場を積極的につくって、自分の心を守り抜いてください。

最後に

今回参加したアドベントカレンダーを貼っておくので、良かったら他の人の記事も読んでみてください!

そして最後になりますが、渋谷にクリスマスプレゼントをあげてもいいよっていう心優しい人、良かったらTwitterフォローしてみてください!
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少しでも多くの人が精神的に健康でいられるよう、祈っております!

それでは皆さん、良いクリスマスを!ちなみに新潟は現在雨すら降っていません。これから雨が降って、夜更過ぎに雪へと変わる、そんなクリスマス・イブにならないかなと期待しています。

#アドベントカレンダー

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