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アスリートは「セカンドキャリア」ではなく、「オンキャリア」で価値を創造していく時代へ

例によってブレスト感覚で選手に対しての話になります。育成の話も絡んできます。是非ご意見いただければと思います。

また今回の内容では、前回の記事内容と逆行するものもあるかもしれませんが、基本的に「競技レベルを突き詰めること」と「人としての価値向上」は両立すると考えていますので、そのことを念頭に置いて読んでいただけると幸いです。

世界でのセカンドキャリアの取り組み事例

いきなり、タイトルと逆張りの内容です。スポビズ界のセミナーで聞いた話ですが、オーストラリアやニュージーランドのNFAでは非常にここに力を入れているようで、少し調べてきました。

ここで書かれていることをまとめると。

・AFL(オーストラリアンルールズ・フットボール・リーグ)の若手選手16歳~の多くは高校を中退し、プロになるため教育をしっかり受けられていない。(意欲もない)
・キャリアトランジション・マネジャーによる1vs1のカウンセリング
・勉強をするよう、教育の機会を得られるような方向付け
・プロ・スポーツの選手会が主導権を握って行っている

このようにリーグ、選手会が中心となって進められていることが、「進んでいる」といわれる所以なのかもしれません。日本とはまだ課題の背景が異なるかもしれませんが、リーグが提供するものが、学校教育を代替でき、それがより時代のニーズをとらえ、社会で生きていくことにリーチされていれば、日本でも非常に有用ではないかと感じているところです。

ただ、私が今回書きたかったのは、この内容ではありません。

そもそも「セカンドキャリア」という考え方が間違っている?

例によって、アメリカのバスケの事例を基に考えていきますが、

まず現在アメリカでは人気スポーツ(NBAやNFL)に年齢制限があり、仕組上一旦は大学に入学してからプロになることが必要となっています。

その影響もあり、NCAAなどの大学スポーツが非常に高い人気を誇っており、年に1000億規模の売上を上げています(Bリーグは50億)。しかし、選手はアマチュア規制によって給料が貰えないことが問題になってきています。

しかし、この枠組みは崩壊の兆しが既に見えており、

州単位での給与支払いの検討を行ったり、競技以外で選手の肖像権を利用してコート外での収入を増やそうという動き、NBAが高卒選手を育成選手として契約し、Gリーグ(下部組織)でプレイさせるという動きが出てきています。

ただここに言及するつもりもなく、日本がこうあるべきといいたいわけでもありません。

私が言いたいことは、スポンサー契約を始めとする選手のコート外での活動についてです。

パンデミックにより加速する個人主体主義の流れ

スポーツだけの話じゃないですが、今回の件によって、さらにチーム、組織でなく、個人として成長、価値を見出していかないとね。って流れになっているのは多くの方が耳にしているかと思います。

これはスポーツ選手にはより顕著に表れると思っていて、ステイホーム期間において積極的に発信する選手、そうでない選手と出てきていると思います。

ただ妄信的に発信して個人をプロモーションしろという話ではなく、人には向き不向きもありますし、もしかしたらクラブやスポンサーに厳しく管理されている選手もいるかもしれません。

大事なのは、自分がスポーツを奪われた時に、社会に対して何がしたいのか。何が出来るのか。を考えることだと思います。

そして、本来であればそれって、今回の件に限らず常に考えとかないと、いざ引退したとき、怪我したときにどうするの?って話ですよね。今だけじゃなく、この「個人としてどう競技以外で社会に貢献し、お金を得たいか」を考え続けることが、セカンドキャリア、いや自らのキャリア全体を考えることだと思います。

極論他にやりたいことが出来て、選手を辞めてもいいわけですし。

周囲のステイクホルダーがすべきこと

まずはAFLの事例でもある様に教育は怠ってはいけません。それも可能であれば、幅広く、実戦形式で、将来に繋がるものを、提供する必要があります。

次にクラブやスポンサーは、選手を管理しすぎない。選手はされすぎないこと。意思を尊重すること。ここがポイントになってくるのではないでしょうか。

個人へのスポンサーも今以上に増えてくると思います。そこでの理想は選手のキャラクターややりたいことと、合致するようなスポンサーシップの在り方を、選手と一緒に考えられるような状態。それが作れれば、引退後にも大きなものを残せると思います。

そして、直接選手に関わるクラブ、リーグは選手がコート外で自分の価値を見出せるよう、時間、人、知識、の広がりを縛らないことは勿論、選手との対話によって、出来る限りのサポートをすることが重要になります。(選手を守る意味では労使協定への考えも進めていきたいですね。)

そして、そのコート外の選手の活動やキャラクターを上手く、自チームのアクティベーション、価値づけに活用できるかがカギだと思っています。

代わり得るプレイヤーエージェントの在り方

最後に少しだけ。これらの内容から私は、プレイヤーエージェントの価値が非常に高まると感じています。

これまでは、選手とクラブを繋ぎ年俸交渉をする。もしくはスポンサーを見つけてくる。簡単にはそういう存在であったかと思います。また日本ではこれをほとんど個人で行っています。

しかし今後は、お金儲けのスポンサーやプロモーション以外にも、あらゆる業種業態の人達との繋がりを通して、選手の自主性を生み出し、色んな気づきを与えるような存在になる必要があると思っており、

最終的にはコミュニティとして、選手に価値を与え続けられるような、そんな仕事もできないかなあと想像してる次第です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。考えながら書いた部分もあり読みにくかったらすみません。

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