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哀しき母性「バーバリアン」【ホラー映画を毎日観る人】(325日目)

「バーバリアン」(2022)
ザック•クレッガー監督

◆あらすじ
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仕事の面接のためにデトロイトを訪れたテスは宿泊先の家を訪れるも予約サイトのダブルブッキングにより見知らぬ男性が先に滞在していた。大雨の中、他のホテルも満室で行くあてもないテスは先客のキースの提案で仕方なくその家に泊まることにする。最初はキースを警戒するも徐々に打ち解け朝を迎える。翌日、テスがトイレットペーパーを探しに地下へ降りると扉が閉まり出られなくなってしまう。さらに隠し扉を発見し、恐る恐るテスは中に入っていく。
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冒頭から絶妙なカメラワークと緊張感のある音楽で恐怖を巧みに煽る作りになっていて非常に面白かったです。

脚本が本当によく出来ており、一番盛り上がるところで別パートに切り替えてしまう大胆な構成になっていてそれが徐々に繋がっていく流れがとても気持ちよく最後まで飽きずに見ることができます。

キース役のビル•スカルスガルド氏
「イット」のペニーワイズ役などでもお馴染みです。

地下にいた人物の造形というかデザインも出色の出来で絶妙に不気味で怖いけど人間っぽさもわずかにあり、さらに乳房だけはキレイに残っているというのがまた切ないです。
ですがなぜずっと地下にいてあのような常人離れした怪力や生命力を持っているのかがかなり謎でそこだけ気になってしまいました。
“母は強し”だけでは片付けられないレベルだったんですけどどうなんでしょうか。

地下にいた人物が何者なのかをあえて全部描ききらないことで視聴者に想像させる余白を残しておくのもまた憎らしいです。本当に秀逸な脚本です。
エンディング曲は内容とは合ってないかもしれないけどそれまでの悲しい気持ちを拭い去ってくれるような明るい曲で個人的にはピッタリな選曲だと思いました。

念のためにキースの免許証の写真を撮っておく描写も
テスの慎重さが分かるのでとても良かったです。

地下室にあった衣服やビデオ、あの寝たきりの男の最後に取った行動などでほんのりこうだったのかなと想像して他の視聴者の方々と答え合わせしたり考察するのも楽しいだろうなと感じました。

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