未確認飛行物体と殺人チンパンジー「NOPE/ノープ」【ホラー映画を毎日観る人】(330日目)

「NOPE/ノープ」(2022)
ジョーダン・ピール監督

◆あらすじ
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南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊のヘイウッド•ハリウッド牧場を亡き父から受け継いだOJは父が死んだ時のことが未だに引っかかっていた。公には飛行機からの落下物が直撃して死亡したことになっているがOJは父が倒れた際に巨大な飛行物体を目撃していたのだった。それを動画に収めてバズろうと計画する妹のエメラルド、そして再び彼らの前に現れる飛行物体、頻発する不可解な現象の数々。それらは全て最悪の序章に過ぎなかった。
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“突如、牧場の上空に未確認巨大飛行物体が出現”

というSFな大枠の中にホラー、サスペンス、アクション、エンタメ、社会風刺など様々なものが詰め込まれており、殺人チンパンジーを筆頭に話の個性が強いです。

監督、脚本は「アス」、「ゲット•アウト」のジョーダン・ピール氏が務めています。

序盤は不穏な展開を丁寧に積み重ねていきます。

聖書の引用だったり、行間を読まなければならない難解な部分もあり、流し見をしていると殺人チンパンジーとの関連性もよくわからないままになるかもしれません。
おそらく私はこの作品の真の魅力にはほとんど辿り着けていないと思いますがそれでもしっかり楽しめたので流石だなと感じました。

物静かな兄OJと「飛行物体を動画に収めてバズっちゃおうよ！」というかなり陽キャな妹のエメラルドの兄妹のバランスも非常に良く、テーマパークのオーナーで元子役のリッキー、監視カメラを設置してくれる家電量販店スタッフのエンジェル、著名な撮影監督のアントレスなどメインも脇役も非常に奥行きのある人間らしい人間でとても良かったです。

底抜け陽キャのエメラルドがいてくれるお陰で
物語が必要以上に暗くなりません。

飛行物体は中盤までは王道の無機質な円盤型で終盤にはクラゲや凧のような見た目になり、これがまた出色のデザインです。シンプルなのにしっかりインパクトがあり「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒が実際に現れたらこんな感じなのかなとも思いました。

この無機質な感じが堪りません。

リッキー役のスティーヴン•ユァン氏
ウォーキング•デッドのグレン役でもお馴染みです。