見出し画像

無骨なドキュメント「トンソン荘事件の記録」【ホラー映画を毎日観る人】(327日目) 現在上映中

「トンソン荘事件の記録」(2023)
ユン•ジョンヒョン監督

◆あらすじ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2019年、とある寺に放置された車から映像素材が見つかる。それは1992年に釜山の旅館“トンソン荘”で起きた殺人事件に関する記録映像だった。あまりの残虐性からこの映像は検察に押収されるもある制作会社が訴訟を起こし素材を取り戻す。この映画はその映像を編集したものである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

公式サイト↓

「呪詛」や「女神の継承」に影響を受けたモキュメンタリー(ドキュメンタリーの手法を用いて、まるで事実であるかのように表現したフィクション作品)映画です。
事件の映像と制作会社のスタッフたちがその事件を追う映像を編集したものでPOVを用いているため非常に臨場感があります。

言われなければ気付かないレベルのさり気なく映り込む
演出はとても良かったです。

ドキュメンタリーにより過ぎているためか明確な起承転結や過剰な演出が無いので「娯楽としてホラー映画を見るぞ!」というスタンスだと肩透かしを食らってしまいます。
面白さや盛り上がりなどを一切意識せずに作った無骨なドキュメンタリー映画を見ていると思った方がいいのかもしれません。

中盤の謎の儀式のシーンは非常に面白いんですけどここだけカメラワークや演出が普通のホラー映画っぽくなってしまいドキュメンタリーからは少し逸脱しているように感じました。

ノンフィクションという体なのにこの儀式のときだけ
カメラワークがしっかりし過ぎてます。

韓国の地名や日時、人名が非常に多く登場しますがあまり馴染みがないので覚えられないです。おそらくこのあたりを整理して頭に入れておけばもう少し楽しめると思います。
あとモキュメンタリーなので仕方ないとは思いますが、制作会社のスタッフたちの関係性もよくわからず誰が何をしているのかは不明瞭でした。

がっつり物理で怖がらせてくる終盤の展開は非常に面白かったです。
気が触れた人間が何をするのか一切想像もつかずかなり怖いです。

同じ系統のモキュメンタリー作品だと個人的にはやっぱり白石晃士監督の「ノロイ」が不動のNo.1です。どうしてもここと比べてしまうのでこの手の作品は独自の方向性や飛び抜けた何かがないと印象に残りづらいです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?