見出し画像

店舗兼用のなりわい賃貸住宅〜hocco〜

こんにちは。
皆様は小商いのある暮らしに興味はありますか?
最近はメルカリなどが普及した影響で不要品を売ってみたり、欲しかったものをお得に買ったりとオンライン上での小商いは浸透していっているのかなと思います。しかし、実店舗を持って小商いをするのはなかなかハードルが高いですよね。

今回紹介したいのは小田急バスとblue studioが提案する住と商が共存する"なりわい暮らし"が実現できる賃貸住宅「hocco(ホッコ)」です。
「hocco」は東京都武蔵野市の「武蔵境駅」よりバス12分の終着点「桜堤上水端(hocco)」から降りてすぐの場所に位置しています。
元々はバスの折返場+駐車場で人の滞在が少なかったこの場所が、まちの人々が出会い・ふれあう暮らしの「まちあい」所として生まれ変わりました。

住宅の前にバスの待合所がある

「hocco」は13戸の賃貸住宅が中庭を囲むように建ち、バスターミナルに近い5戸が店舗兼用住宅となっています。店舗兼用住宅は1階の土間と玄関前の軒下が中庭に開いており、開かれたこの空間で自分なりの"なりわい"を行うことができます。
「hocco」が提案する"なりわい暮らし"とは、自分の趣味や好きなことを街に開き「やってみたい」を表現する暮らし方です。

現在は以下の4店舗が、店舗兼用住宅で営業をしています。
01S号室「l’atelier de nature(ラトリエ ド ナチュール)」:パンと焼き菓子の店
03S号室「玉草屋」:植物とお庭の店
05S号室「惣菜スタンドSoil」:お惣菜とお酒の店
13S号室「The Pie Hole Los Angeles 小金井公園」:パイとコーヒーの店
4店舗ともおしゃれで近所にあったらワクワクしますよね!

写真左:13S号室「The Pie Hole Los Angeles 小金井公園」

店舗の他にも季節イベントであったり、毎月第4日曜日に開催する日曜市と地域に開いた催しを起こしています。この地域は建替えした団地や新しいマンション群、昔からの戸建てがあるため新旧住人が混在した幅広い世代の家族が多く住んでいます。こうした人達をターゲットに地域に開いた催しを起こすことで、「hocco」をより広く知ってもらい、まちの人々が出会い・ふれあう暮らしの「まちあい」所として発展していくのが狙いのようです。

バスの終着点という駅から最も離れた場所に、地域活性化に資する施設をつくったのはバス会社ならではの考え方だと思います。
鉄道会社の場合、駅前の商業地を開発し人を多く呼び込むことで、沿線の価値を上げていきます。一方バス会社の場合、駅から街へ繋げていく交通網のため、沿道エリアの価値を上げる必要があります。バス会社が抱える多くの沿道エリアは住宅地が多く、エリア全体として住人の高齢化と社会的孤立が課題となっています。バス会社はこういった問題を解決し、地域の魅力を上げていくのがこれからのビジネスモデルなのかもしれません。

地域の魅力を上げる手段として"商業者"を誘致するのではなく、なりわい暮らしを実現したい"生活者"を誘致したのがこのプロジェクトの肝だと思います。
"商業者"を誘致した場合、サービスを提供する側と消費する側で明確に区別されてしまいます。駅前の商業地であれば、多くの消費者を集めるものに特化したほうがよいですが、バスの終着点ではまた違った視点が必要です。

土間と軒下からなる"なりわい"空間

「hocco」の場合、住んでいる人が趣味のコーヒーをふるまったり、手作り雑貨屋さんを開いてみたりと生活者自身が「当事者意識」を持ってまちに関わっていきます。生活者から物を買う人も、その店のなりわいを応援したり、自分もなりわい側に回ってみたりと「当事者意識」が芽生えていきます。

そのエリアに住む人達の「当事者意識」が浸透していくことで、イベントの時のみならず日常的に人が集まってくるかもしれません。日常的に人が集まってくれば、住人はふらっと出歩くようになり、偶発的な出会いが生まれコミュニティが活性化されるかもしれません。こういったことが実現できれば「当事者意識」のある住人同士の助け合いが成り立ち、高齢化や社会的孤立といったエリア課題の解決につながっていくことが期待できます。

今後「hocco」での活動がどのように地域に影響を与えていき、地域の課題に貢献していくかはまだ未知数です。
しかし、こういった事例が成功していけば、バスの終着点が新たなコミュニティスポットになっていくかもしれません。今までは単なる帰り道だった終着点が、「ヒトと出会い、触れ合える」目的地になったら素敵ですよね。

商が共存する"なりわい暮らし"が実現できる賃貸住宅「hocco」はいかがだったでしょうか。今回の記事をきっかけに皆様なりの"なりわい暮らし"を見つけてみてください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?