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今の時代、よほど意識しないと子どもを大人にさせにくくなっている

時代設定が明治とか、いやせいぜい昭和のはじめとかの朝ドラを見ているといつも思う。「この子、いくつよ?」って。登場人物のやっていること、だいたい今の感覚より10歳?15歳?は早い。

さすがにその時代とは比べられないとしてもだ(笑)、
最近はいったい子どもはいつ大人になるんだ?と驚くことが多すぎて、もはやそっちが通常モードになってもいる。でもほんとにそれでいいの?

今や内定者説明会を親向けにやる会社は珍しくない。
転職相談は親にする、のもまったく珍しくない。
結婚後もなんだかんだと親が前面に出てくる。はい、よくある。
幼稚園の子どもがいる親が子どものことで困って、親(子どもの祖父母)が対外調整に乗り出してくるとかもある。

ましてや、大学のオープンキャンパスに親と行く(行くだけならともかく、行き方や予約も親が準備しているのもよくある)、履修登録も親と相談して決める、大学で三者懇談がある、当然、就活までまっしぐらで親がセット、親から問い合わせを受ける(大学に対してだけでなく、内定先企業に対しても)とか、何も珍しくない。

…いいのか?大丈夫か?18歳で成人だぞ?とは誰も言わない。法律はともかく「うちの子はまだまだ…」とみんな言う。大人にしたがらない。

昭和ひとケタ生まれのうちの親は、こんな娘(笑)とは裏腹に「当時のノーマルな親」だった。女の子は勉強したら可愛げがないとか言うようなとこあったし、家の手伝いは私だけに命令して弟には言わないし(私が弟に下請けに出したのがバレて、激怒されたこともある笑)。

でも、
(四大に行きたいという話には抵抗されたものの)大学の入学式、卒業式には当然来ないし、就職のことなど「公務員になればいいのに」くらいしか言わなかった。もちろん「リクルートを受けるの」なんて言わない娘なので、伝えたのは「決まったよ」だけ(笑)。どうせ3年くらいで辞めて結婚するだろう、って思ってたからね。

うちの親は普通の(つつましい中流の)人たちだったので、多分周りも似たようなものだったんだろう(50軒くらいの規模の社宅育ちなのだが、小学生の頃に2・3軒今で言うと教育熱心な母親がいて、子どもの習いごとと勉強に相当入れあげていたけど、それを「変わってるね」と笑うような感じが社宅の母たちの普通だった。もちろん父親たちは何もしてない)。

でもそんな私たち世代が親になって相当にあり方が変わった。

まず大学進学率があがり(女性が四大に多くいくようになったのは、私よりもう少し下の世代からだが)保護者が高学歴化した。でも女性の多くがまだまだ結婚出産で退職していき、それと呼応するかのように教育への関心や子育てについての役割意識が相当高くなっていった。子どもの人数もそんなに多くはなかったから目が届いた。一方で家事にかかる負担は(家電の発達も含め)相対的に減った(核家族化、さまざまな便利商品開発なども奏功していると思う)。近所づきあい、地域の無償労働の量も減ったんじゃないだろうか。その分、目が家の中、特に子どもに向かった。
「自分が頑張れば、子どもによい未来がある」そんな風に思ったのは無理もない。そこに頑張ること=やりがいで、愛で、そこに世の中の風潮も後押しした。

それからまた時はたった。
今や両親ともに忙しく働いていたりもする。まだまだ今高校生、大学生の母はパート労働も多いが、独身時代は総合職で働いていた、という人も少なくない。基礎能力が高く、教育や社会情勢に関心もある。子どもが幸せになるためには、こうしたほうがいい、という成功法則(のようなもの)を持っている。知っていることは伝えなくてはならない。失敗は避けさせなくてはならない。なぜって、私は親として子どもの幸せを願っているから。子どもを愛しているから。

…その結果、どこまでも子どもの世界に入っていく。

子どもが何を考えどういう時間を過ごし、子どものいる環境には何が起きているのかを知りたいと思う。別に支配したいわけじゃない。今の親は子どもとの距離が近くて仲がいいから、単純に「何してるんだろう。どうなっているんだろう。仲良しだからもっと知りたい」ってだけだ。でも持っている情報も力も経験も親と子は全然違う。ゆえに親が子どもの世界に入っていけば、子どもはなんだか未熟なところが目立つ。そしてその未熟さに「良かれと思って」助け舟を出す。仲のいい親子だからそれで問題が起きることはない。ただ、子どもは自ら考えて決めて動いて結果を受け止める、という経験の機会を奪われるだけだ。それは見かけ上、何の問題もない。ただ、子どもにとっていつまでも「頼れる親」としてそこにいて、そして危なっかしくても自分で決めて立って受け止めていく経験が先延ばしにされるだけだ。

こうして、最近よく言われるのは「なんか今の子って、10歳くらい昔より幼いよね」って話だ。昔の20歳は今の30歳くらいなんじゃないかって言われたりする(これは企業でもよく聞く話だけど、それ言ってる人が子育てに関与しないで妻に丸投げしてたりする。お前が言うな感だよね)。

ともかく、今の時代、誰も悪気はないのに、いやむしろ本気で一生懸命に努力して出来るだけのことをしてあげようとするだけで、子どもが大人になれなくなっていく。普通にしていたら大人になれないような仕組みが整っている。とある大企業の20代後半の女性が「通勤が不便なので去年から一人暮らしをしているのだが、母から今でも毎日何回もLINEがくる。返事をしないと電話がかかってくる。どうしたものか」と相談されたことがある。母の思いを無碍に出来ないが、今は仕事に集中したいというまっとうな相談だった。優しい子どもが困っていた。頭痛い。

前にも何度も書いたが、親に必要なのはやせがまんだ。
知りたい、役にたちたい、なんならそれをする力がある、とわかっていて、子どものやることなすことが危なっかしくても、とにかく「やせがまん」が仕事だと知ってほしい。できるけどあえてしないことだ。
それが辛くて耐えられなかったら、子どもの代わりのナニカを見つけて時間を使って(埋めて)欲しい。
仕事でも、趣味でも、夫婦で何か始めるのでも(この先の人生、夫婦で生きていくんだからこれが一番よね←私にはよくわからないけど・笑)。

そして、可能な限り、子どもとは物理的距離を取ることをおすすめする。
目の前で見てしまったら黙っているのも見ないふりするのも辛いのは、よくわかる(私だってそうなる笑)。

親の最後の仕事として、子どもにはちゃんと大人になってもらおう。
そしてあなたはちゃんと「親」って役割から離れて、少しずつでも「わたしの人生」にシフトしよう。その方向性が見えなかったら、いつでも相談に来てほしい。一緒にあなたの歩みたい人生を発掘するから。

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