私がらんまんの「田邊教授」になりそうでならないけど共感できちゃうトコ

また朝ドラ話です笑
今日はキャリアの話でもありますが、イマドキ「よくあるあの話」でもあるのです。

あの話…が何かはあとで、
先週はほんとに辛いことが立て続いて、視聴者としても試されてた週でした(多分NHKさんに試されてはいない笑)

・主人公 万太郎が研究手段を奪われた(東大出禁・博物館もダメ)
・姉夫婦が経営する実家の酒蔵が腐造を出し仕込み酒全滅~廃業に
・万太郎の子、2歳にも満たない園子ちゃんがはしかで亡くなる

なかなかの叩き込まれっぷりです(苦笑)。
実家はお金のない万太郎の後ろ盾でもあるので、実家廃業は万太郎の研究のためにもお先真っ暗なやつですしね。

その辛いことシリーズの1つめ、東大出禁にしたのが田邊教授(要潤の演技が深い…)なのですが、2人の経緯はこんな感じ(知ってる人は飛ばして)

・そもそも東大にいきなり押し掛けた万太郎に、その潜在的な力を見抜いて(自分の役に立ちそうと判断したか)学歴もない中出入りを許す
・上流階級の人が集まる音楽会に同行させる
・植物学雑誌(学会誌)の発行を許可する(「中身が悪ければ出させない」とか鬼畜っぽいことは言っていたけど笑)

教授にそうさせた万太郎の「人たらしな関わり方」は大いにあったものの、教授は万太郎の存在に惹かれ、興味を抱き、彼の研究者としての可能性をまぶしく見ていたことは間違いないですね(自分の子飼いの存在として囲い込んでおきたかった模様)。そして教授の後押しがあって、万太郎は実績を重ねることに成功し、最初に反感を持っていた面々がみな万太郎に惹かれ、近づき、仲間となっていきます。この辺りの万太郎の見事さは「育ちの良さ」を存分に発揮していましたよね。
一方教授は思うような成果が出せずにいました。というのも彼は政府の仕事が多忙で研究に割く時間がとれていないことも大きいようなのです。
自分の目覚ましい成果をあげることに躍起になっていた折、万太郎が持ち込んだ植物を一目見ると、その分類、希少性、文献のありかなどを瞬時に見抜き適切な助言します。そのうえで「論文を書け」とまで背中を押すのです。
ところが出来上がった論文(植物学雑誌掲載)には助言指導した田邊の名はなく、万太郎の単著となっていました。そのことに怒り東大出禁になるのです。

視聴者界隈では教授ひどい、教授心せまい、教授功名心強い…とかとかいう声もあるのですが(だって万太郎は無邪気に「感謝はしております」的なことを言ってて、真顔で「何がだめだった?」ってポカンとしちゃってるのよ・笑)、私はなんだか勝手に教授の辛さにシンクロしてしまいました。

さてここから、私の勝手な分析です(勝手なのでご意見合わない方はスルーしちゃってくださいませ笑)

教授は秀才です。
そして万太郎は天才です。
教授は社会性が高く、なすべきことを優先して行動しています。
万太郎は自由で何にも縛られず感性の赴くままに行動しています。

教授はその昔政府のお金で留学しており、それを恩義に感じて政府からの依頼事項を次々としっかりこなしています。ゆえにまた依頼が増えていくのです(新設学校の校長とか)。大人の付き合いも大切に対応しています。やりたいことはありそうですが、器用貧乏というかなんというか上手く実績を上げられません。

万太郎は学歴もないし定職もない、ただの「植物好き」(植物バカといってもいい)です。「べき」ではなく「したい」で行動し、無茶をどんどん突き進めその先に「すごい発見」を繰り返します。周りの人は呆れながらもサポートし、友だちが増えていきます。でも本人はやりたいことだけをしているのです。やりたいことだけ(楽しいことだけ)をして、下積みも義理も果たしていないのに、天才的な成果を上げます。軽やか、に見えます。

教授は彼の存在に(おそらくは)憧れますが立場上そうはいきません。自分が日本の植物学の第一人者である必要があります。でも自由な万太郎はその世界をどんどん広げていき実績をあげます。

世の中の大半の人は万太郎ではありません。
自由には生きられないし、義理も大事にするし、役割も引き受けています。
そして真面目にコツコツと積み重ねていく日々の中で「これだけは自分がやりたいと思ってきたこと」を持つ者もいます。そんなふうに育ててきた大切なものを、ふわっと現れたうんと年下の天才が軽やかに全部持っていったとしたら…。それをみなが賞賛したとしたら…。

考えただけで田邊教授の心の痛みが(勝手に)伝わってきます。
ドラマで教授は怒りを表していますが、あの怒りは悲しみでした。悲しみとともに落胆や孤独、諦めも現れていました。
私が田邊教授になりそうでならなかったのは、たった一つの理由です。それは「権力を持っていない」から。でも、遠い昔、少しだけそんなふるまいをしたことがあります。絶大な権力などなかったけれども、それはどう考えても相手に対する理不尽な怒りでした。私の問題であって、相手の問題じゃなかったと思うのです。

人生の中でそんなことはよく起きます。

練習バカのように努力していて高3になってやっとレギュラーに、と思った矢先に練習嫌いな天才1年生が入部してきてレギュラーをさらう、とかいうのは漫画っぽいですが、イマドキはもっとそれが可視化して、置きやすくなっています。

そう。
SNSを通じて勝手に沸き起こる「承認欲求」を求めるあれこれです。

知り合いがみな、自分より輝いて見える。
友だちの中に急にものすごく成果を上げている人が現れた。
とても幸せそうで何もかも持っている人がたくさんいる。

あるいは、
同じような仕事をしていて、むしろ自分が先に始めたのに後から出てきたあの人が急に先を行っているように見える。

そういうとき人は「見たくない」と思うはずです。
見なくていいし、見ないようにすることは可能ですから(フォローを外すとかミュートにするとかね)。それ自体は問題ないですよ。権力によって何かをしているわけじゃないので。

田邊教授は万太郎を出禁にしました。そうできる立場でしたからね。
きっともうあのまぶしさを、それを見て感じてしまう自分の悲しさや悔しさを見たくなかったのだと思うのです。そのことによって余計に自分がまた孤独になることをわかっていながら。

自分がこの場所で、この道で「上手くいかない」と挫折感や焦りを感じたとき、その思いをどう扱うか、もし自分のクライアントだったらどんなふうに関わるか、そんなことを考えさせられた週の前半でした(後半怒涛の展開で辛くて吹っ飛んだんですが)。


ちなみに、
ドラマって誰に気持ちを持っていかれるかで、そのときの自分の関心がよくわかりますよね。田邊教授、来週以降どこかで救われてほしいなあ…!


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