見出し画像

やたら怒る人は自分の感情を見る解像度が低い人なのかもしれない

「怒り」という表現でしか自分の気持ちを伝えられない人がいるなあ、と知ったのは、市役所で働いていたことの大きな成果だと思っている。

わたしの見方に偏りがあるだろうと思うが思い切って書くとそれは「社会的地位があったであろう年配の男性」にとても多い現象だった。社会的地位がなくても年配の男性は年配の女性より多かった。乱暴にまとめると50代以上の男性に多く起きていた、気がする(もちろん男女も世代も問わずそういうことはあったけれどね)。

市役所の窓口にやってくる人がちょっとした不都合を感じて「どうなってるんだ?」と言い始め、その対応のちいさな掛け違えが起きたとき(いや、それほどのことがないときもあるが)急にびっくりするほど怒りを表明し始める。そして一度怒り出すと止まらなくて、それはほんの些細なきっかけで始まるのだけれど、原因となったように思うことの解決がされたとしても止まらない。初めて遭遇した時にはびっくりして、わたしの脳内にあった「誤解を解くためのあれこれ」はまったく通用しないんだなということも瞬時にわかり、でも何をどう怒っているのか理解できず呆然とした覚えがある。

ところがよくよく観察していると、そういう人の対応がものすごく上手い職員がいる。その人たちが対応すると荒れ狂っているように見える人や、とても執拗に重箱の隅をえぐりまくる人が妙に素直になり、笑顔まで見せる。

あるとき、何が起きているんだ?と思って観察していたらふとわかったのは、わたしには「あの人めっちゃ理不尽に怒ってる」と見えていた人は実は、「悲しい」とか「寂しい」とか「話聞いてほしい」とか「孤独なんだ」とか(非言語で)言っていたんだなということ。対応が上手い職員はそれを肌でわかるようで「怒り表現」を怒りとして受け止めず、相手の伝えたい(言葉に出来ない)感情として受け止めていて、それが「話を聞いてほしいんだな」とわかって、ただただ相手の言い分を論破することなどせず、こちらの言い分を主張することもなく聴いていたんだなと。だからその感情が怒っている相手に伝わって、相手の気持ちが満たされて話がうまく収束するんだなと(ただ、その満足度が高すぎて、結局その特定の職員になんだかんだ理由付けて文句を言う=構ってもらいに来るのは困るのだが…苦笑)。

これは本当に大きな学びになった。

これを読んでくれている人の中にももしかしたら「怒りを覚えることが多い」と言う人がいるかもしれない。あるいは、身近にそういう人がいるよ、と言う人がいるかもしれない。そうしたら少し考えてみてほしい。その人は「怒り」という表現しか知らないだけなのかもしれない、と。

自分の感情のとらえ方、いわば解像度というようなものが低くて、快か不快かしかないのかもしれない。たとえば「美味しいなら美味しいって言ってよ」と妻が言うのに「まずかったらそう言うんだから何も言わないのはそういうことだ」と言う夫のように(うちの父親がそんなことをよく言っていた)。

でも快のなかには喜び、嬉しさ、楽しい、快適、ほっとする、しみじみする、飛び上がりたい…と色々あるし、不快のなかにも、いらだち、怒り、憤り、不安、不審、不満、孤独、寂しい、悲しい…と色々あって、それを「不快=怒り」に紐づけることしかしていない、そんな人がいるのだろうなと。

キャリアを考えるときによく「あなたにとって、仕事で嬉しい瞬間ってどんなときですか?」のように感情と経験をセットで問う。でもその問いに答えられない人がミドル以上の(特に)男性に多い。「仕事は仕事です。仕事に感情など関係ない」って言われることもある。それを表現するかどうかは別として、きっと感情はあるのだろうに、押し殺しているのか無効にしているのか、また、感情を感じて表現する習慣を持たないでいると、人との関わりの中で自分が味わう気持ちを、どう説明すればいいかわからなくなるかもしれないなあと思う。説明できない気持ちはときに、極端な表現となって表に出る。それが怒りになることは少なくない。

もし、あなたが「いろいろと腹立たしいことばかりだ」と思うのなら、その腹立たしさの中にどんな気持ちがあるのか、もう少し見つめてみるとよいかもしれないね。そうしたらそこに「本当はどうしてほしいのか」がもっとはっきり見えてくるかもしれないから。
そして一人でむずかしいときはぜひ、誰かに(わたしでももちろん)聞いてもらってくださいね。

***

【お仕事の問い合わせはこちらです】
◆(個別)キャリアコンサルティング 対面orオンライン(相談)
キャリアって人生そのものです。仕事も転職も、人間関係も、その他ちょっとモヤっとすること、コミュニケーション課題や起業相談もどうぞ
16500円(90分) ※対面は主に名古屋市内
◆伴走コーチング オンラインのみ
月1度×3回~で、行動を変えていくお手伝いをします。コミュニケーションの具体的な練習をしている方も、「宿題」をやるための伴走者もOKです。
7700円(45分)×3回 ※フォーム上では「その他」を選択してください

【1月の予約可能日】
5日、7日、8日、9日、10日、16日、17日、20日、21日、24日、27日、28日、29日、31日

※ここにない日程でもピンポイントな時間帯では可能な日もありますので、ご相談ください



サポートを頂いたら…どうしましょう?そんな奇特な方がいたりしたら、全力でキャリア満足につながる日々の実現をお祈りします♡