見出し画像

「失敗をおそれる」マインドが子どもに蔓延していることと、集団浅慮

個人的にすごく幸せなお便りを小学校からいただいた。
先日おじゃました小6のみなさんの授業のあとの感想文ね。この小学校は公立だけど、結構できる子たちがそろっている印象で、なるほどねっていう字の美しさと文章力だったよ(中学校でももっと素朴な文章で来るところは、多いからね)。

もともと先生からのご依頼は、年間通じてキャリア教育の授業をやってきていて、(私が伺う)1週前に地域の働く大人が来て仕事の話をする授業があり、そのあとの1年のしめくくりとして「これから先のこと」を考える機会にしたい、ということだった。

この学校は友人のつながりからお邪魔し始めて今回で3回目。ご縁がつながるのはありがたいことだよね。わりと過激なこと言うタイプなのに(笑)。

小学生にキャリアの話をするときは(いや、中学でも高校でもそうだけど)心がけているのは「まだまだ何一つ決まってない」ということ「これから始まるから、人生はどんな風にも展開する」ということをちゃんとわかってもらいたい、ということ。そんなメッセージを手を変え品を変え毎回お伝えしているので、そのあたりを教頭先生に気に入っていただいたよう。

で、事前になんどか伝えていただいていた懸念は、
「うちの子たちはとてもいい子なんだけど、とにかく失敗を恐れるのです。それをどうにかほぐしてあげたい」ということ。

そっか。ほんと最近多い話だなあ、と思いつつも、「うん、わかる。この学校ならなあ」という思いもあった。とにかく教育熱心な地域で比較的豊かな会社員が多いところで、将来像として見えているものがかなり画一化されているよなあ、と言う感じのところ。過去に伺ったときからなんとなくそれは感じていた。つまり、親(特に母親)が熱心に教育に関与していて、つまりは「子どもに何かが起きないように伴走している」傾向が強いということ。だから子どもたちは「とんでもない」タイプの子なんて全然いない。冒頭に書いた「感想のお手紙」も理解力も文章力も素晴らしくて、さらに字もキレイ。すでに仕上がっている感。

そんな子たちが口々に「印象に残った」といったのは、こんな私の言葉。
「失敗を恐れない。失敗することより失敗を恐れて何もしないことが一番怖い」(いきなりこれを伝えたわけではなく、その前後の流れがあってのことなんだけれどね)

その刺さりっぷりにびっくりしたよね。ほぼ全員(学年全員)の感想文に出て来てたからね。そのくらいこの子たちにとって「失敗はしてはいけないこと」になっているってことだから。

さて。これは子どもの問題なのだろうか?

生まれつき失敗を恐れる子どもがいるのか?地域的に失敗を恐れる遺伝子があるのか?ないよね。
そもそも、失敗ってなんだろう?小学生が恐れる失敗って何?どんな勝負しているんだっけ?そんな風に考えてみたって、頭に浮かぶものはない。あるとしたら、何か「ズレたこと」をして「笑われる」とか「指摘されてバカにされる」とか「嫌がられる」といったことだろうか。テストで0点とかも、失敗かもしれないけどなんか違う気がする。
じゃあ失敗しないって何かって言うと、

その場で求められているふるまいを適切に行うこと

…なんじゃないの?と思い当たるわけですよ。
学校で嫌がられるのって、授業で先生が話したいと思っていることを遮って質問するとか、今求められていることじゃない発言をするとか(しないとか)、人と違う行動をとるとか、

「迷惑をかける」みたいなことに近いんじゃないの?と。

改めて言うまでもなく、子どもは大人の鏡です。だからきっと「失敗しないように」というふるまいは、身近な人の望みを体現しているのだろう。

そんなことを考えていると、降ってわいたのはあの、「女の人の話が長い」発言だよ。ああ、こうやって社会は作り上げられているのかと改めて痛感したよ。あの会議の場でその長い挨拶(30分近く話していたそうだ・あなたが会議を伸ばすんじゃないのか、ってダレか突っ込んでほしいわ)の中の一連の問題発言に、参加者が笑っていたという場面だよ。笑うことで同調し、その問題を「冗談」として処理しようとしたんだろうね。場の中で無意識に。場を読んで余分なことを言わず、権力者をうまく持ち上げること、それこそが、教育の成果のように仕上がっている「世の中の正しさ」みたいなものなのかもしれないよね。

このニュースを通じて集団浅慮(グループシンク)という言葉が今回はずいぶん紹介されていて、初めて知ったと言う方もいたのではないかと思うけれど、まさに、そうやって知らず知らずに育っていってしまうのが、当たり前になっているのかもしれないね。怖いことに。

でも、それがもたらすものは、変革型時代の今には全くそぐわないだけではなく、戦略としても適さない。大いなる間違いでしかない。
ただ、このことにそう思って憤慨している私たち大人が、もしかしたら目の前の子どもたちに「いい子にしていて。場を乱さないで。余分なことを言いださないで。言われたとおりにしていたら間違いないから」と言っているのではないだろうか?

世の中に起きていることは、全部つながっている。
そんな世の中はまっぴらだ、と思う出来事があるなら、自分はそうでない生き方を選び、それだけじゃなく自分の周りの影響が届く範囲では、よりよいあり方の理解を深めそんな「いい輪」を広げるために働きかけることを、していくしかない。

私は私の持ち場で。
みんなはみんなの持ち場で。
ちょっとずつ隣にはみ出しながら、変えられるものをよりよく変えていこう。

***

【お仕事の問い合わせはこちらです】
◆(個別)キャリアコンサルティング 対面orオンライン
キャリアって人生そのものです。仕事も転職も、人間関係も、その他ちょっとモヤっとすること、コミュニケーション課題や起業相談もどうぞ
16500円(90分) ※対面は主に名古屋市内
◆伴走コーチング オンラインのみ
月1度×3回~で、行動を変えていくお手伝いをします。コミュニケーションの具体的な練習をしている方も、「宿題」をやるための伴走者もOKです。
7700円(45分)×3回 ※フォーム上では「その他」を選択してください

【2月の予約可能日】
※時間帯の希望はおしらせください。夜は他の日程も可能です。
8日、11日、13日、14日、17日、19日、20日、23日、24日
問い合わせ先はこちら↓↓



サポートを頂いたら…どうしましょう?そんな奇特な方がいたりしたら、全力でキャリア満足につながる日々の実現をお祈りします♡