「ええ？そういう意味だったの？」ってあとでわかるときに足りないこと

Aさん「聞いたら嫌そうにしたじゃないですか。だから聞いちゃいけないんだって思ってました」
Bさん「反応がなかったので無視されたと思って、聞けなかったです」

貿易ゲーム（チーム対抗・体験型コミュニケーションゲーム）をやったときのふりかえりでの一コマ。

これは私が「なぜ〇〇について、確認しなかったんですか？」と問いかけたときの、とあるグループの方たち（別々の回です）の答え。
どちらもどこか「…そっち（私）がそういう態度だったからだ」ってニュアンスがダダ漏れよね（笑）。

この「〇〇」は大変重要な情報で、これを確認しているかどうかで結果にかなりの影響がある。
Aさんのチームはこれにより勝利を逃し、Bさんのチームはお得情報を使えなかった、ということで、いずれにしても悔しいことに。

Aさんは〇〇の件ではなく、全然違うことを私に質問してそのとき私に「それって（質問する）必要性あります？」と言われたことをこう捉えた。Bさんは〇〇の件について私の斜め後ろから（つまり私に直接目が合わない状態）、私に呼びかけることもなく「〇〇は…」とつぶやいたのですが、それは独り言のようでもあり、私を呼び止めたわけでもないので「スルー」したら、それであきらめた。

このゲームでは「コミュニケーション」が大事なテーマなので、そういう事態にどう対処するか（どうコミュニケーションをとろうとするか）も見ていいる。だから必要以上に「超ものわかりの悪い柴田バージョン」で対応していたりする（ほんとは優しいのよ・笑）。

なのでさらにこんな風にお伝えする。

「それがどうしても必要な情報なら、あなた自身が『柴田やべえな、聞くの嫌だな（笑）』とか思ったとしても取りにいきませんか？チームのほかの人に頼んでもいいでしょうし、『なんで教えてくれないんですかっ』ってしつこく聞いたっていいですし。たった一度、ちょっとなんとなくダメなのかも…という抵抗を感じただけで、引き下がれてしまうくらいのことだったんですか？」

「ほんとに（ゲームの目的としてあらかじめ伝えてある）チームで勝とうと思ってました？」

…怖がらないでね（笑）。ここ大事なとこなんで。

前提として
・一人でやってるわけじゃない（チーム対抗です）
・問いかけに失敗してもそれで減点になるとかない
・いじわるでやってるわけじゃない←私が気を利かせたら学びにならない

まあでも、こういうことが起きているとき（しょっちゅう起きてる）は
・一人が一度トライして、そして勝手に諦めている
・そもそもの目的（チームで勝つ）より、自分の感情を優先してしまう
・チームに共有していないことがめちゃくちゃ多い（〇〇は重要情報だが、誰かが知ってて同じチームの誰かが知らないとかよくある）

貿易ゲーム以外でも似たようなことがよくある。
チームで情報共有しながら課題解決（謎解き）するワークショップをしていて、ぐいぐい進む人に気押されて黙り込んでいるうちに、大切なことを伝えられずにチームが迷走する、とかね。
「早めに伝えたらよかったのに、どうして言わなかったんですか」と聞くと「なんかタイミングを計ってて」とか「言いかけたらほかの人が別のことを言ったので、自分の情報は今じゃないのかなって」とか、そんなことでそっと飲み込んでしまう。でもチームのほかの人（たとえば話をかぶせちゃった人）は「え、ごめん！そうだったの？全然そういうつもりじゃなかったんだけど…」って言ってたりね。

こういうことが起きているのをじっくり観て、
あのときのあの行動はどんな意味だったんですか？と私が聞くと、その答えを聞いたほかの人が「ええ？そういう意味（こと）だったの？」って驚くことが、本当に多い。そしてしばしばそれは、ダイジなことだったりする。

日常の中にも、これは本当に多い。

小さな「多分そうなんだろう」という思い込みが、大きな誤解を生んでいるのをしょっちゅう見ている。こういうときって、特別なコミュニケーションスキルが必要なのではなくて、あと一歩の「ちゃんと確認してみる」とか「もう一度やってみる」とか「別の方法（聞き方）を試してみる」とか、そんなことが足りないだけなんだよ。

なんだか伝わっていないような、よく見えてないような気がしたら、「つもり」と「だろう」でやりとりしてないかな、って考えて一歩踏み込んでみてね。そこからだよ。

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