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メキシコ青年海外協力隊活動記録Vol.2【任地での住居】

新卒で環境コンサルタントとして7年勤務したのち、JICA青年海外協力隊(2023-4次隊)の「環境教育」隊員として、2024年5月7日からメキシコで活動しています。
今回は【任地での住居】についてご紹介します。


誰が選ぶの?誰が決定するの?

任地の住居は各配属先(受入機関)が、JICA安全基準を考慮しつつ3カ所程度の候補を提示し、JICA事務所のボランティア調整員が現場を見て決定(家賃、光熱費の金額等を事務所長決済)します。
隊員にはホームステイかアパート(一人暮らし)になるかも含め選択肢はなく、候補選定に隊員は関与することができません。「犬猫OK?」等のアンケートもなかったと思います。ホームステイではペットがいる可能性もあるため、アレルギー等ある人は早めにボランティア調整員に伝えておくと良いと思います。
私は日本の大学院のゼミがあるので「ネット環境と深夜のネット会議がOKな家が望ましい」と伝えたら一応考慮してくれました。

住居にまつわる悲しい話

住居にまつわるトラブルをいくつか聞きました。隊員には住居選択に関与する機会はないですが、今後のボランティア参加予定者にはこんなトラブルもあるということを共有したいと思います。

トラブル例

  • JICA事務所が確認した部屋と違う部屋に通される。

  • バスルームは個別でと聞いていたものの、共同バスルームとされる。

  • 共同キッチンと冷蔵庫が汚すぎる。

  • 外出の際には家や部屋にカギをかけてはいけないと言われる。

  • エアコンは22時以降でないと使ってはいけないというルールの強要。

  • 荷物を拡げるスペースがない。(スーツケースから荷物が出せない。)

  • 着任時に部屋が決まらずホテル暮らしを続ける。

トラブル原因

トラブルの大半はホームステイ先の居住環境が、事前にJICA事務所から聞かされていた内容と異なるという点が多いです。JICA事務所が内検する時には笑顔で「大丈夫!」と言っておきながら、いざ当日には「あ、変わったんだ」と言われることもあると思うし、外面の良い大家もいると思います(ラテン系は特に)。
また配属先が提案するホームステイの場合、職場の人と大家さんが知り合いのケースもあり、それがより言い難い関係を生み出すこともあるようです。

結果として、任地の家がJICAの安全基準を満たしておらず、3ヶ月ホテル暮らしをした隊員もいたり、任期短縮(帰国)を選択した隊員もいました。
他方、立派なマンションに住んでいる隊員もいるし、住まいに関しては本当に運です。大家さんと良好な関係を築くと食事がもらえたり、旅行に連れて行ってもらえたりと良い暮らしができる人もいます(羨ましい)。

住居に関する基本姿勢

僕らはボランティア隊員なので贅沢は言えませんが、2年間の海外生活において一番安全地帯である住居トラブルに遭うのは精神的にも肉体的にもしんどいです。
なので、基本的な姿勢として以下を心がけています。

  • 期待しすぎない(メキシコであっても)。

  • 置かれた環境に適応できるよう心掛ける。

  • 隊員仲間で住環境を共有し、自分の環境の相場観を持っておく。

  • 身の危険を感じたら直ぐ相談できるよう、JICA調整員、職場の同僚、大家さんとは日頃から良好なコミュニケーションを心がける。(EX.お土産作戦、町内会のイベント手伝い等)

台風前の町内会のドブ攫いに参加

とはいえ、NGなところはしっかり主張した方がいいです。経済途上国にボランティアで行こうと考える人たちは我慢強いことが多いですが、住居は慣れない異国の最後砦。心身ともに安全を確保し2年間のミッションを行うためにも、妥協せずきちんと伝えましょう。

JICA海外協力隊の選考~合格、日本での訓練期間、現地での語学学校を経て、やっと着いた任地ですので、住居のトラブルは本当にしんどいですが、それにめげずに頑張ろう!

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