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【洋画】ブレードランナー(1982)

監督:リドリー・スコット
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモスなど
上映時間:1時間56分

SF映画の金字塔「ブレードランナー」鑑賞しました。

時は近未来の2019年。地球では環境破壊が進み、人類の大半は宇宙の植民地「オフワールド」に移住した。そこを開拓するにあたって「レプリカント」と呼ばれる人造人間が開発された。彼らは優れた体力・知力を持つものの、過酷な奴隷労働に従事していた。

ある日レプリカントの1人がオフワールドで反乱を起こし、人間を殺して脱走した。彼を含むレプリカント4名が、シャトルを奪い地球に帰還した。地球にはオフワールドから脱走したレプリカントを抹殺する「ブレードランナー」と呼ばれる捜査官がおり、その1人が捜査に乗り出すものの、レプリカントに攻撃され負傷する。すると彼らは既にブレードランナーを退職していたデッカード(ハリソン・フォード)を呼び戻す。

彼はレプリカントの情報を得るために、製造元のタイレル社を訪れ、タイレル社長と秘書のレイチェルと面会する。レイチェルは実はレプリカントであるが、その事実を知らずに生きていた。しかしデッカードは彼女がレプリカントであることを見抜く。レイチェルはデッカードの自宅に押しかけ問いただし、自分の記憶が作られたものだと悟ると、自己認識が揺さぶられ涙を流す。デッカードはそんな彼女の姿に惹かれていく。

1982年にこの映画が制作されているって、改めて凄いなと。映像と音楽による世界観の作り込みが圧巻です。特に街の作り込み方はえげつない。演歌歌手が大型ビジョンに映し出されたり、街中に日本語表記が溢れかえる、チャイナタウンを想起させるような危なさ。暗闇の中に屹立する巨大ビルに、光ネオン。そして降りしきる酸性雨。近未来的ながら、世紀末感を感じる、恐ろしい街です。2019年という設定ですが、今のところこういった世界になってなくて良かったなと。

この映画を観るにあたって、酸性雨のシステムを分かっているとより重みを感じれると思います。酸性雨は科学燃料(石油や天然ガスなど)を使用することによって生じる二酸化硫黄・窒素酸化物が雨に溶解することで発生します。要は酸性雨は環境破壊による結果起こる現象なのです。そのことを理解していると、降りしきる雨がより効果的に映ります。

もう一つのポイントは「奴隷」。地球の環境破壊が進み、人間は宇宙の植民地・オフワールドに移住することになり、そこを開拓するためにレプリカントと呼ばれるロボットが生成され、こき使われるわけです。このことはヨーロッパ人がはじめてアメリカ大陸にやってきたときに、先住民やアフリカ大陸から連れてきた奴隷をこき使い、自国の経済を発展させていった歴史と重なります。このような歴史を繰り返してはいけないというのが、この映画のひとつのメッセージだと思います。そういう意味でも最後のバッティのセリフは心に響きました。

キャラクターで言うと、レイチェルがよかった!自分がレプリカントであることを悟り涙するシーンは最高に切なくて美しい。そりゃあデッカートも好きになっちゃうよな~。

「ブレードランナー」は地球の環境破壊が進んだ結果起こる未来を予測して作ったSF作品。近未来的で世紀末感のある街の作り込みが圧巻です。そしてレイチェルが素敵。

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