買おう買おうと思っていても、なかなか買わないものってあるよね。
「2万円、するんだよなあ」
となりの席の係長が、プラモデルに使う「エアブラシ」なるものを買いたいが「2万円はすぐ出せる金額じゃないのよねえ」と、なやみ悶えていた。
分かる。
一戸建てを買い、子供を2人も育てている人だ。サラリーマンのお小遣いの範囲となれば2万円はでかい。
わたしも買おう買おうと思いつづけて買っていないものがある。
パソコン用の机だ。
180cm幅の大きいサイズのやつ。
執筆作業はもちろん、たまにテレワークもするので、広い机で創作&労働意欲をかき立てたい。
この値段がだいたい1万4千円前後。
一生、とまではいかないけど、しばらく使える便利なアイテムなんだから、思い切って買やあいいのに、欲しいと思ってから半年くらい買えていない。
その話を係長にすると、
「いや、それは買ったらいいじゃん。だって趣味以外にも活用できるでしょ」
まあ、そうだ。その通りだ。
なかなか踏み切れない理由はお金以外にもある。
それは、机を入れたい部屋が散らかっていることだ。
物置みたいになってしまっていて、ここを片付けたら買おう、と思ってもう半年経つ。
「だったら、先に買っちゃえばいいんだよ。買った机が廊下なり部屋なりに立てかけてあれば、早く使いたい！ってなって、オートで片付けはじめるでしょ」
はー、なるほど。
その手があったか。
買いたい買いたい、といいながら、ウチの奥さんもなかなか買わないものがある。
「シャインマスカット」だ。
ふつうのブドウならひと房780円くらいだが、これは高級品で2000円くらいする。
種がなく、皮も柔らかいので、房から実をもいだらそのままお口にGOできる。
以前、いただきもので食べたときに感動したらしく、スーパーで見つけるたびに立ち止まっていた。
誕生日も近いので、きょうはそれをおみやげに買って帰った。
ぶどうに2000円をポンと出せるような給料はもらっていないが、奥さんがよろこぶ顔を想像したら、買うのが楽しみだった。
相手がよろこんでくれる買い物は気持ちがいい。
よしよし、この勢いで机も買うぞ。
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