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われわれは「論客」ならぬ「文客」です。

「刺客」ということばがある。

この意味は「暗殺する人、暗殺者」である。
どんな人物像をイメージするかといえば、江戸時代にいそうな、鋭い目つきで着流しをまとった浪人。ぱっとみはただの浪人なのに、腰の日本刀だけ異様に手入れがされているような。

これが「剣客」となると、急に着物もシュッとして、なんとか一刀流の免許皆伝をしていそう。髪も整えられ、礼儀ただしく、裏世界の住人っぽい「刺客」よりも、正統派なイメージ。

「◯客」という字面は、とにもかくにも「切れ味が鋭そう」でかっこいい。そして令和になった現代でもこの「◯客」は存在している。

たとえば、テレビを観ていればワイドショーなどで、常にひとかどの意見を述べられる「論客」。
ポピュラーな言い方をすれば「コメンテーター」だ。

「論客」は、そのとき扱っているテーマにたいし、個人的な意見をたとえ話やエビデンスを交えながら展開し、第三者が聞いていると「はあ、なるほどねえ」と、納得させる会話力を持っている。

「剣客」が剣術なら、「論客」は話術だろう。
あざやかな斬り合い(殺陣)はかたずを飲んで釘付けになってしまうように、軽快でわかりやすい話術もまた、聞いていて心地が良い。

べつに「朝まで生テレビ」を欠かさず観ているとか、そういうわけではないし、けっして評論家すべてが良いというわけではない。
乱暴なことばや、他者をつよく否定する「論客」もいる。こういった方々は「剣客」でいえば、ただ道場にながくいるだけの道場生みたいなもの。

「論客」のなかでも実力派になると、他者の意見にたいして自分の主張を否定や肯定のバランスを取りながら語ることができる。

そんな「論客」は、剣をきわめた「剣客」のように、かっこいいとわたしは思う。第三者から「論客として活躍している◯◯さんなんですが…」なんて評されていると、ちょっとうらやましくもある。

わたしは自分の意見を口頭で伝えるのがとてもにがて。
だからこそ、書く表現者としての道を選んでる。

そこでふと思った。
あれ?
では、我々のような「書いて主張をする者たち」のことは何客?

「文客」?
「筆客」?
「書客」?

どれも日本語には存在しない。

ペンは剣よりつよいぞ、と太古の昔から言い伝えられているのに、我々の世界には「◯客」ってことばがないじゃないか。

だから、勝手に名乗ろうと思う。
上記3つだったら「文客」がしっくりくるかな。

プロフィール書き換えようっと。

ちなみに「刺客」や「剣客」「論客」は、しかく、しきゃく、けんかく、けんきゃく、ろんかく、ろんきゃく、どっちでも良いそうですよ。


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