エッセイからあふれる香りでリラックスを。
家に着いても、しばらくは仕事モードのままだ。
もちろん、良くない意味で、だ。
「あの資料はどう作ろう…」「あの人にどうやって伝えよう…」など、いそがしさと比例して頭のなかでは仕事をつづけてしまう。
それでも、まいにちエッセイのようなものを書く。
「そろそろなにを書こうか、かんがえよう」と切り替えたくて、風呂に入りながら思考をめぐらす。しかし、あれやこれやかんがえていても、次第にモクモクと入道雲のような仕事のなやみがふたたび頭を埋め尽くす。
気づけば、なにも決まらないまま、身体を拭き、髪を乾かしている。
どうしても頭のなかを切り替えたい、そんなときに、人は香りを嗅ぐと良いらしい。
月並みだけど、カモミール・ジャスミンなどアロマセラピーによるリラックス効果は大きいだろう。
思い出の香りが記憶を呼び覚ますように、朝のコーヒーの香りで目が覚めるように、香りには脳内のスイッチをコントロールするチカラがある。
それに倣い、わたしは、どうしてもかんがえがまとまらない日は、書く前に「香りのエッセイ」を読むようにしている。
京都にある「松栄堂」さんという「お香」の会社が、1985年より毎年開催している「香りのエッセイコンテスト」。
その過去の作品を集めたエッセイ集だ。
受賞作品はどれも、文面にさまざまな香りがあふれている。
すぐれたエッセイからただよう芳香に、次第に頭はリラックスし、執筆モードに切り替わってくる。
ついつい読みすぎてしまい、執筆タイムが減ってしまうこともあるのだけど…。
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