8月6日にオリンピックで「黙とう」をするべきだったか問題。
テレビで松本人志さんが「8月6日のオリンピックにはみんなで黙とうをしてほしかった」とコメントした。
あーたしかになあ、と思った。
だって日本は世界で唯一、原爆・核兵器を投下された国なんだよ。
たった1個の爆弾で、広島市の人口35万人のうち約16万人、長崎市の人口24万人のうち約7万人がころされたんだ。
その現実を、その悲しみと愚かさを、世界がひとっところに集まっているいまこそ、認識するべきではないか。
だって平和の祭典なのだからさ。
しかしだね、そのあと思ったよ。
アメリカの人々のことを。
試合中とまではいわなくても、試合前後に、オリンピック参加者に黙とうが求められたとする。
まわりの「なんで?」という疑問に「日本はアメリカから2回も原爆を落とされているからだよ」と答えるだろう。
それを耳にしたアメリカの人々はどう思うか。
いまはなんの罪もないアメリカの人々のなかには「申し訳ない」と気に病む方もいるだろう。
だとしたらそれは、オリンピックに必要な感情だろうか。
いや、いらない。
その気持ちを無視して黙とうは強制できないよ。
5年間がんばってきたアメリカの選手たちを、いまそんな気持ちにさせる権利は我々にはない。
日本人だって、常に世界で清く正しい歴史だったのかといえばそうではない。
これはその他のしかるべき場所でみんなで学ぶようにしよう。
それにしてもこのオリンピック開催までの8年間、山ほどすったもんだがあったっけ。
国立競技場の建設費問題、ロゴ問題、ボランティアの制服問題、森喜朗会長の直前での辞任、そしてコロナなどなど...。
いざ始まってしまえば一瞬だったなあ。
本当であれば、何万、何十万もの世界の人々に日本の良さを知ってもらえる機会だったね。
それに関しては、いたく残念に思う。
しかし、おかげさまでわれらが黄金の国ジパングは、これからも世界の人々に極東の神秘として憧憬の情を走らせつづけるだろう。
まだ見ぬ東洋の不思議な国の住人として、これからも想像のなかでNINJA、SAMURAI、YAMATONADESHIKOとして生きてゆくのも悪くない。
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