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「已己巳己」さんのあげ足を取るつもりはまったくないのだけれど。

「已己巳己(いこみき)」ということばがある。

「字形が似ていることから、互いに似ているもののたとえ」という、めずらしい四字熟語。
ついこのあいだ知ったことばで、どこで知ったのかというと、noteで募集していた「#旅する日本語」コンテストの投稿キーワードのひとつだった。

このことばを知って、初めに思い浮かんだのは古びた石段。
歴史ある山寺に向かう苔むす石段の役目はどれも一緒だけれど、長い年月を日光と雨風にさらされて、人々に踏まれて削られた一段一段の形状は似ているようで微妙に違う。

已己巳己というビジュアルも、実に階段ぽいと思った。

しかしながらこの難読四字熟語、どうしても気になることがある。

コンセプトは面白い。なんの文句もない。
しかし、あれなのだ、よく見ると「己」という漢字を2番めと4番目に2つ使っているのだ。
(已

いや、あげ足取りみたいなことを言うつもりはまったくないんだけど。
「己(こ)」と「己(き)」は読み方が違うだけで同じ形状じゃん・・・。
「それぞれが互いに似ているもののたとえ」だとすれば、4つすべてが微妙に違っていて欲しかった。

もしくはきっぱりと「已己巳(いこみ)」で終わらせるのはダメだったのかな。
どうしても四字熟語にしたかったのかな。他に似ている漢字がなかったんだろうなあ。

それなら「魑魅魍魎」さんのほうが、ディティールまでよくこだわってくれている。
いや「已己巳己」さんもがんばってくれてるとは、思うのだよ。
だけど、いまいち「魑魅魍魎」さんより認知度が低いのは、そういうところなのかもね。



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