性字家(せいじか)の偉業とは。
むかし小学校のクラスに「性字家(せいじか)」という職人がいて。
それは、無機質な国語辞典にいのちを吹き込む偉人だった。
性字家(せいじか)とはつまり、国語辞典でいやらしい系のことばを探し、その単語に蛍光ペンで線を引いている人である。
たとえば「乳房」とか「股間」とか「陰毛」とか、そういう類の単語たち。
性字家の日々は、授業中に1ページまた1ページと己の国語辞典にマーキングを続けていくこと。
その地道な積み重ねにより、無色透明だった国語辞典に鮮やかなマーキングが増えてゆきま