飲食店 つらいばかりじゃない
おはようございます、しばいぬ店長と申します。
35歳、飲食チェーンの店長です。
このnoteではこれから飲食店への就職を考えている方、飲食店の社員の内情を知りたい方、現在飲食店で働いていて今後の自分の方向性に迷いを持っている方に向けて、参考にして頂きたく発信しております。
数ある仕事の中でも飲食はかなりきつい、鬱になるという話を聞くことが一度はあるのではないでしょうか?
何故そのように言われてしまうのか。
その要因は.....
また別の機会に書き綴らせて頂くとして、今回は逆に社員としてやりがいを感じる部分にフォーカスしてお伝えしたいと思います。
しんどいことばっかりじゃないよ、ということです。
[ 1.お客様からの感謝 ]
月並ではありますが、お客様からの
「ありがとう。」
や
「おいしかった。」
いざ言われてみると予想以上に嬉しいものです。
こちらとしても仕事ではあるのですが、
・できるだけ丁寧に接客しよう
・早くご提供しよう
・良い状態の商品を届けよう
そういったことは考えながらお客様と向き合いますから、いざ感謝の言葉を頂けると
「自分のサービスがお客様の心地よさを生み出せているんだ」
と少し感動に近い感情が湧いてきます。
アルバイトではなく店舗管理やサービスの質の向上に力を入れている社員だからこそその喜びは大きいものに感じるでしょう。
お客様からの感謝の言葉、とても嬉しいものではありますが、
このあたりは安易に想像できるお話だと思うので次に進みます。
[ 2.スタッフが気持ちよく仕事をしてくれる ]
社員を続けているとお店のシフトを作ったり新人採用、教育を進めていくとになります、もはやプチ管理職です。
スタッフそれぞれに
「ガッツリ稼ぎたい!」
「週1,2回だけでいい。」
「家が離れているから短い勤務時間はイヤだ。」
等、要望が異なります。
一人一人の働き方の希望をヒアリングして、それに沿ってシフトを作成していきます。
お店にも人件費の予算があるので希望を全部叶えることはなかなかできませんが、なるべく全員の希望に近いものを作るよう心がけます。
そうすることでスタッフは
「希望がおおよそ聞いてもらえている」
と喜び、前向きな姿勢で業務にあたってくれます。
または、スタッフが働いていて
「不便だなぁ。」
と感じている部分を改善して働きやすくしてあげることで、
「私たちの声を聞いてちゃんと改善してくれるんだ。」
とより気持ちよく仕事をしてくれるようになります。
ここが非常に大切で、
職場に不満を持ったスタッフが行う接客って間違いなくお客様に心地よさを与えられないんですよね。
みなさんは仕事内容や人間関係でストレスを抱いている中で終始屈託のない笑顔をし続けることができるでしょうか?
なかなかできないですよね。
逆にスタッフが仕事へのストレスなく前向きになればなるほど自然と笑顔になり仕事のクオリティやお客様への接客の質も上がります。
そういったスタッフが増えればお店の雰囲気も良くなり、それがお客様にも伝わり、いつの間にか
「いいお店だね。」
と思って頂けるお店になってゆきます。
その良いサイクルを生み出している根源が、自分のシフト作り(スタッフ管理)だったり業務改善によるものだと気付いた時大きな喜びを感じることができます。
飲食店はアルバイトさん無しでは成り立たないところがほとんどだと思います。
社員業務として様々な内容の店舗管理の項目がありますが、
一番大事なことは
『スタッフの不満要素を取り除き気持ちよく働いてもらうこと』
だと思っています。
お客様に再来店して頂けるかどうかは商品の質と店舗の清潔さとスタッフの接客にかかっています。
スタッフに気持ち良く働いてもらえることで、その全てが底上げされ結果売り上げを延ばすことにも直結してゆきます。
さらっと書きましたが、本気でここが大事です。
フルサービス型の店舗であれば尚更ちょっとした料理のクオリティUPとかよりお客様の満足度は上がります。
[ 3.アルバイト育成のおもしろさ ]
店舗の規模によりますが、飲食チェーン店であればアルバイトさんの数は少なくとも10人以上、多ければ30人、40人と在籍するお店もあるでしょう。
人に教えるってなんでも難しいものなんですが、
右も左もわからなかった学生の子がたくさん失敗しながら経験を積んでいつの間にか一つのポジションを任せられるようになり、時が経ち新しいスタッフに業務を教えるようになっている姿に私は胸が熱くなります。
(おじさんだからでしょうか...)
これは飲食店でなくても同じだとは思いますが、
飲食のピークタイムって本当に大変なんです。
忙しい中時にはクレームをもらったり、社員や先輩から注意されたり、
それに挫折しかけながらも乗り越えて一人前になる姿には心動かされるものがあります。
学生さんの場合数年で卒業して辞めていきます。
苦楽を共にしたスタッフが社会人として旅立ってゆく姿を見ると、学校の先生さながらこみ上げてくるものがあります。
学生さんにとってアルバイトは言ってみれば社会人になるための予行練習、働いてお金を稼ぐという体験を得られる貴重なものだと思っています。
「いやいや、バイトなんだししんどかったり注意されるようなとこはすぐ辞めればいいんだよ」
という考え方の人もいるでしょう。
ただ学生さんも社会人の一歩手前の位置にいるので、そのスタンスでいきなり社会人になってうまくやっていくことができるか疑問に感じます。
学生の頃から「働く」ことに真摯に向き合いひたむきに努力した人と、しんどかったら秒で辞めてきた人とでは社会人スタートを切った時点で雲泥の差があると思います。
私達サービス業の社員は、学生さんが社会に出てもある程度の経験と知識を持った状態でスタートできるよう
・組織で働く上でルールを守る理由
・労働の対価として賃金を得ることの大変さ
・仲間と協調して助け合っていくことの大切さ
を知ってもらうことも役割としてあるんじゃないかと思っています。
実際は店舗の業務をしてもらいたいだけなので本当はないんですが(笑)なんだか世の中の歯車ってそういう風に回っているんじゃないのかなって思います。
仕事をする中で学ぶ、経験する、思考する、発見する、そして成長していく。
そういった連鎖でみんな自然と社会人になっていって、私たちも教育する過程でうまくいかなったこと、改善してうまくいったことを経験して成長する。
クサイ話になってきましたが、働いているとそんな美しい連鎖を感じることが多々あります。
おべんちゃらではなく飲食店の店長を勤めていて本当に思っていることです。
以上、超絶しんどいと言われる飲食業界の社員ですが、辛いばかりではないですよという部分もお伝えしたいと思いこのnoteを書きました。
逆に、噂通り本当にしんどいよ(笑)という部分もお伝えしていけたらなと思っています。
それでは、大変お疲れ様でした。
「頑張れ」が届くのはお店でお客様から「美味しかったよ」と言って頂けるのと似ております。 皆様のスキやサポートが活動源となります。