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公暁の苦行と、暗殺事件の黒幕論

比叡山延暦寺で、12年間の山籠もりの苦行を全うした人が20年ぶりに現れた。

12年……すごいな。私は12年前何してたんだろう? と思ったらまぁ……あまりにも「普通の会社員」ができなくて、文筆業で食っていけないかなとなんとなく考えていた頃ですね。

まぁ私の身の上話は今回置いといてですね……。

12年、世間との接触を断つって、どんなものかもはや想像つかないです。

「引きこもり体質だから大丈夫!」っていう人だって、その一言をネットに投稿しているということは、ネットで世間と繋がっているはずですよ。

私、ネットのない環境でひとりきりで引きこもっていたら、どんなに頑張っても、多分3日ぐらいで「寂しい」と声に出して呟きはじめ、1ヶ月ぐらいでさめざめと泣き始めると思う。

実際に修行を治めているお坊さんだって、12年間の修行を全うできたのが戦後に入って7人だけだというし。今回も20年ぶり。

20年前でもインターネットって今ほど普及していなかったし、それの12年前なんて携帯電話も持っている人はごく一部の人だけだったはず。

そんな時代の人でさえ、「世間との接触を断つ」っていうのは、挫折してしまう苦行なんだ。

そういえば800年前の人も、千日籠りを挫折したお坊さんがいたな。公暁っていうんだけど。

ええ、1219年の雪の日に、源実朝を暗殺した公暁さんです。彼、実は千日籠りの最中だったんですよ。

1217年6月20日、公暁は鶴岡八幡宮の別当職(最高責任者)に就きます。そしてその初仕事として、10月11日から千日籠りを始めました。

終わるのは、多分、1219年6月21日の予定だったはず。(数字が苦手なうえに、当時の暦もよくわからないので正しい日付は得意な人に任せます)

しかし、その142日前……858日目にしてあの大事件を起こします。

最近目にする説で「実朝を殺せば将軍になるなんて、いくらなんでも浅はかすぎる。やっぱり黒幕がいるのでは?」というものがありますが、約2年4か月、世間との繋がりを立っていた公暁。わりと極限状態だったんじゃないでしょうか。

私、けっこう前々から「公暁は雛見沢症候群L5状態」ってよく言っているんですが、この事実って、この仮説を補強しませんか?

公暁は苦行で極限状態。

そう、公暁は苦行で極限状態だったんですよ!!

ちなみに私は、公暁は「くぎょう」と読むほうが馴染みある派です。


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