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「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」2020年7月29日の日記

・今日は仕事を休みにしたので、上野の国立西洋美術館に行ってきた。

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・ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

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ロンドン・ナショナル・ギャラリー展(拡大)

・はじめに、“ロンドン・ナショナル・ギャラリー展”のすごいポイントについて、以下5点書きます。


①『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』は、1824年に市民の力により設立された世界屈指の美術館。13世紀後半から20世紀初頭までの約2300点の作品を所蔵し、年間来場者数は600万人にのぼる。

②200年近い歴史の中で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの所蔵作品がイギリス国外で公開されたことはこれまで一度も無い。

③つまり、今回の展示で公開されている61点全てが日本初公開、どころか、イギリス以外で世界初公開。

④展覧会の目玉は、ゴッホの《ひまわり》だけど、フェルメール、カナレット、ムリーリョ、ターナー、モネ、ルノワール。などなど、展覧会の目玉になりうる名画が集まりまくってる。

⑤例えるなら、アクションゲームのクリア後特典によくある”ボス連戦モード”。


・すごいねェ、すごかったよ実際。


・以外、私が気に入った作品6点を紹介します。


・まず最初に入る目の一作目が、ウッチェロ《聖ゲオルギウスと竜》(1470年頃)。
・この作品があることは知ってたんだけど、1作目にあるとは。
・何度見てもユニーク。漫画みたいな竜のレタッチだ。


・ウッチェロの数点先にあるのが、クリヴェッリの《聖エミディウスを伴う受胎告知》(1486年)
・大きさに驚いた。こんなに大きいのか。
・屋内にいるマリアに受胎告知をするため、大天使ガブリエルと、もう一人の男性が外から建物の戸を叩こうとしている場面。
・この“もう一人の男性”が、ここに描かれている町の守護聖人、聖エミディウス。手には町の模型を持っている。
・通常、受胎告知にはマリアとガブリエル以外は登場しないが、この作品はその受胎告知の場面をまるで日常生活の一場面かのように、聖エミディウスと、町の人々も一緒に描かれている。
・さらにこの作品には、当時珍しい遠近法が使われており、クリヴェッリの画力の高さが伺える。

・次のフロアに進むと、フェルメールの《ヴァージナルの雨に座る若い女性》(1670〜1672年)が静かにたたずんでいる。
・他のフェルメールの作品と本作を比べて私が“静かだ”と感じたのは、フェルメール特有の光の描かれ方にある。
・フェルメールによくある構図としては、「画面の左上の窓から光が差している」という構図だが、この作品の右上を見ると、わざわざ窓に布がかけられており、光は画面右側からやわらかに広がっている。
・ヴァージナルを弾く手を止め、こちらに視線を向ける女性の右前(画面左手前)に、ヴィオラ・ダ・ガンバ(昔の低音弦楽器)が鎮座しているから、彼女の視線の先の“私”は、彼女のパートナーかもしれない。
・画面右上に、一点の画が壁に掛けられている。
・その画を見ると、娼婦とその仲介役である老婆が、客である男性に声をかけている場面である。
・果たして、“私”と彼女は、健全なカップルなのだろうか。

・2つフロアを進むと、私が大好きな画家、カナレットの《ヴェネチア:大運河のレガッタ》(1735年)の大画面が迎えてくれる。
・“レガッタ”とは、ヴェネチアで行われているボートレースで、カナレットはイギリスからイタリアへやってきた観光客へ、今で言うポストカードや写真代わりに、イタリアの都市景観画を描いていた。
・見事な遠近法に、写実的な街の景観。
・賑やかな喧騒や河の青臭さも漂ってきそう。

・さらにフロアを2つ進むと、スペインの画家ムリーリョの《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》(1660〜1665年)が。
・愛らしい......
・可愛い......
・尊い......

・次のフロアでは、ターナーの《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》(1829年)
・ポリュフェモスは巨人の名前。ポリュフェモスに船ごと洞窟に捕らえられていたオデュッセウス一行が、洞窟から逃げ出し、霧の向こうに浮かぶ巨人に向かって高笑いをする場面。
・ターナー特有の“海”、”太陽“、”水面の輝き“が全部最高で、ドラマティックな大画面に釘付けになってしまう。

・次のフロアは、私にとって最も恐ろしいフロアだった。
・真四角に近いわずかなスペースに、ルノワール、モネ、セザンヌ、ドガ、ゴーガンらが私たちを取り囲むように立ち並んでいる。

・これはアレだ。ラスボス戦前の一室に、各ステージのボスの銅像が立ち並んでいて、銅像に触れるとそのボスとの戦闘が始まり、全部倒さないとラスボスへの扉が開かないやつだ。
・知ってる知ってる。ロックマンゼロで何度もやった。
・あれは銅像じゃないけどな。


・そして1番最後の1室に、ゴッホの”あの“≪ひまわり》が鎮座している。
・絵具が折り重なって、こんなに表面がデコボコとしているとは知らなかった。
・まるで本物のひまわりみたいだ。


・展示の目玉である《ひまわり》なんだけど、ここまでの道のりの作品群が、61点という少なさながら強すぎて、思ったより興奮せず冷静に《ひまわり》を眺めていた。



・カナレットをもう一度観たい。
・カナレットのヴェネチアをもう一度観たい。


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・近々、もう一度行きます。




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・めちゃくちゃに美味しい醤油ラーメン食べた。

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