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贈り物に「ストーリー」が欲しいらしい

以前友人にこんなことを言われた。
「あなたって、贈り物にストーリーを求めているよね。」

ストーリーを求めるって、どういう意味だろう。
ということで自分を顧みるべく、考察してみようと思う。


ストーリーには2つ含まれる

私が求めている「ストーリー」とは、動機と過程があることだと思う。

思い返せば、私は贈り物を渡すとき必ず動機と過程を伝えていた。
「あなた○○好きだったと思って、就職祝いに○○を探してみたの」のように。

じゃあ動機と過程には、どんなものが含まれるのか。
自分が人に贈り物をする場合を例に振り返ってみる。


動機

動機は「贈りたい、贈らねば!」と思うこと。
よくありそうなのを書き出してみた。

①イベント関連
・誕生日
・母の日、父の日、敬老の日
・めでたいイベント(就職祝い、合格祝い、結婚祝い、出産祝い、etc)
・お正月、お盆
・旅行のお土産

②応援、お返し、手土産
・お世話になったから
・頑張っている姿を見て応援したいと思うから
・お家へお邪魔する

性質として、①イベント関連の動機は気を抜くと形式化しやすいと思う。
悲しいかな「今年もこの季節が来ましたね、よっこらせ。」になってもおかしくない。

あと②の動機に近いが、「街中を歩いていてふと目についたとき、あなたが思い浮かんだから」なんてのも素敵だ。あの子コーラ好きだったよねとか、あの子お花が好きだったなとか。
(ふと贈りたい相手が思い浮かぶほど、大切に思える人がいるのはお互いにハッピーでwin-win!)

余談だが、最近私が頂いて嬉しかった動機は「体調不良のリハビリを頑張っているから、リハビリのお供にしてほしい」だ。(現在適応障害でリハビリ中のため)
その気配りだけでおなかいっぱいだぜ、謝謝。


過程

過程とは、端的に言うと「贈る人のことを考えた物選び」と「付加価値をつけること」だと思う。

贈る人のことを考えた物選びを時間軸で分解する。

①過去
・贈る相手の好みが考慮されている
②現在
・相手の現状を踏まえている(一人暮らし or 実家、etc)
・渡す状況にあっている(遠方から来る人に大荷物を持たせない、etc)
③未来
・贈った後気を遣わせない(予算、形に残るか否か、消費期限、etc)

私としては、これは思いやりとして最低限達成したい。
1人暮らしの人に4人前鍋セットとか困るからね。

全体を通して、情報収集がものを言いそうだ。ニーズを間違えると感動が半減してしまう…


2つ目の付加価値は、正直最も大事だと思う。
付加価値を付ける=私から贈ることに意味を持たせる作業だ。

私の興味、得意分野、限られたリソース(お金、時間)からどう贈り物を実現させるのか。
人生で培ってきた引き出しが、今試される…



【考察】ストーリーとは?

私にとってストーリーとは「明確な動機と過程を伴って相手へ思いをはせた時間」と結論付けた。

上記の内容を考慮して贈り物を検討すると、自ずと準備に時間がかかるからだ。

つまり友人の言う「ストーリーを求める」とは言い換えると、「あなたに思いを馳せた時間ごとプレゼントしたい」ということだと思う。

逆に贈り物を頂く場合は、贈り物をしてくれたという行為の裏に思いをはせて、その準備や気配りに心がほっと温かくなる。
つい、「なんでこれを選んでくれたの?」と聞いてしまう。

考察1)何でストーリーを求めるようになったのか?

ストーリーを求める姿勢は父から来ている。

以前、父の誕生日を用意する時間がないとき、お酒好きの父へ酒のつまみセットをスーパーで急いで買って贈ったことがある。

父は「手抜きだ」と言った。
そして言われてわかったことは、父は私よりお金と知識がある。自分でほしいものは買える。だからおつまみは私から贈る意味がない。私でなくていいのだ。

お祝いしようという動機があっても、過程(思いやる時間)が足りなかったから、贈り物としての価値が下がってしまったのだ。

人を喜ばそうと思いを馳せる父の姿勢と、あの時の経験が根幹にありそうだ。(そのせいで、毎年父の日&父誕生日はひやひやするが…)


考察2)ストーリーがあるからこそ嬉しかった贈り物は?

誕生日にもらった、小学生の親族からの贈り物。「フェルト生地のバラの花&カバン」と「紙に縫い付けた藤の花の刺繡」だった。

彼女は中学受験を控えていて土日も塾に忙しいが、なけなしのお小遣いと絞り出した時間で作ってくれた。

作るのに計10時間以上かかった。配色も好みに寄せてくれ、手縫い。藤は私の生まれた季節を意識して選んだそうだ。
(正直私では作れないレベルで、成長と器用さにも泣いた。大きくなったね…)

今回の場合、限られたリソースから生まれた工夫と努力、成長がストーリーを強くした。あなたからもらったから嬉しいと素直に思った。

贈り物で嬉しいのは、ストーリー>お金のものだと思う。


考察3)ストーリーがあれば、贈り物は何でもいいのか?

結論、何でもいい。有形、無形に関わらない。

消えもの(お菓子とか)が好まれる時もあるし、相手によっては自分では体験できないものもあるはず。

私が好きな無形の贈り物はいくつかある。今思いつくのだと2つ。

・3姉妹でディズニーへ遊びに行く
 私は長女。仕事で離れて住む次女、学生の三女を集め、ディズニーへ連れて行った。動機は三女の誕生日、過程は三女がほぼディズニーへ行ったことがない&3姉妹で遊びたがっていたので次女を招集。
(企画が私なので、お金はもちろんすべて私持ち…)

・祖母とわんこそば
 わんこそばに行ってみたいけど、一人じゃ怖いという私の気持ちを汲み取って祖母が連れ出してくれた。(祖母は30杯ほどで、普通のそば程度で終わったが…)「経験を得たから、これで誰かを案内できるね」と言われたのを覚えている。

振り返ったときに「あの時はありがとう、こんな感じだったね」と話せるような経験はストーリーがあって、無形の贈り物と呼んでいいと思う。


さいごに

贈りたい相手がいること、思いを馳せたいと思える相手がいること。
またその相手に私が選ばれること。
ありがたいことだ…

皆さんも、もしそういう方がいたら心の中でそっと「ありがとな~」って言ってほしい。

私はこれからもストーリーを追い求めつつ、贈り物プロへの道を歩んでいきたい。


p.s. 父の日が決まっていません。あと1週間です。困りました。

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