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【日記】ある日の日記

祖母の住む家は花の匂いがして、金魚の水槽からは生き物を生かす水の流れる音がする。
私は今、こんなにもゆっくり流れる時間と、生に囲まれている。

意味もなく、ただそこにあるのに、
生きていて、進み続けている。

私はこんなにも穏やかな時間を感じながら、
眠ったら訪れる明日が怖くなった。

私は信用を維持するために働き、最近は休日出勤もした。
私が悪い。私が悪いのだ。
でもこんなことしている時間はないんじゃないか。

この穏やかな時間は有限で、
祖母が生きている間でなければ存在しえない。

この空間は祖母が住み、管理し息づいた、さまざまな生が共存する
セーフティーゾーンのようなもの。これがきっと安息地。

守られ管理され、秩序めいたものたちが、
私が子供であった時の
安らかな心を思い出させてくれた。

子供に戻りたいな。
でも私は、もう子供には戻れない。
歳を重ねてしまったし、子供になるには知りすぎた。

私を子供のままにしてくれる人はいずれ去り、
私を置いていくのだから。

この安息地はいつまで存在し、
この絶妙な均衡を保ってくれるのだろうか。

物心ついた時から、いつもこの幸せに触れるたびに終わりを意識する。
やはり終わりは近いのだろうか。

どうか。どうかずっと先まで。
わたしの大切な方々が、苦しみなく健やかでありますように。


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