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20日目:我が家の喫茶習慣

フェネック文章力向上月間
Day20 お茶について


私はとにかくお茶が好きだ。
うつ期以外は、毎日のようにお茶を淹れて楽しんでいる。

余裕があれば、大抵リーフのお茶を淹れている。
ティーパックの手軽さもいいけど、やっぱり淹れるときのどこか儀式めいた作業が好きだ。


私が紅茶にハマったのは、中学生の頃に遡る。
確か、当時好きだった男の子を招いてクリスマスパーティーを行ったとき、ちょっと背伸びしてルピシアで紅茶を買ったのが始まりだった。
その男の子の顔も正直もう朧気だが、喫茶習慣だけが残るというのも面白いものだなあと思う。

ちなみに、そのときに買った茶葉は「ホワイトクリスマス」だ。
今でもこの茶葉は毎年買って楽しんでいる。


紅茶といえば、他にも祖父のことを思い出す。

祖父はいわゆる道楽者で、本や趣味のものに莫大な金をつぎ込んでいた。
それを祖母が稼いで力業でなんとか成り立たせていたのだから、すごい夫婦だなと思う。

祖父の家に、紅茶についての本があった。
紅茶にハマりたての私は、祖父からその本を借りて読ませてもらっていた。そこには正しい紅茶の淹れ方や茶葉の種類などが書いてあり、とても為になる内容だった。

ただ、その頃の私は(今もだが)どちらかというとフレーバードティーが好きだったから、茶葉の種類なんて解説されてもちんぷんかんぷんだったし、紅茶の正しい淹れ方がわかっても、その頃実家で十分な器具をそろえることは難しかった。
次第にその本への熱も落ちていき、終いには人の本なのに実家の部屋のどこかへ無くしてしまった。ひどい孫である。

大学で一人暮らしを始めてから、丁寧に紅茶を淹れるようになった。
そのとき、いつも頭によぎるのは無くしてしまったあの紅茶の本だった。今更読みたくても、本のタイトルもわからない。惜しいことをしたなと後悔しても時既に遅しなのだった。


祖父は今、認知症を患っている。
あの頃収集していた本や趣味のものも、今では皆埃を被って沈黙している。

なんともいえない哀愁を抱きながら、私は今日も紅茶を淹れる。

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