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天才虎川の未来予測物語 ~第5話 地獄の一発芸大会 ②三つのヒント~
始めに
仕事ができるようになるには、
どうすれば良いのか?
私はブラック企業で働くサラリーマンであるが、
「この仕事で君に敵う者はいない。」
と社長や経営層、直属の上司に言われるぐらい
今の職場で無双し、唯一無二の存在となり、
自分の居場所を創ることができている。
その17年間の百選錬磨の経験で語るとするなら
先読みスキル
を身に付けることが一番の近道である。
このスキルを身に付けるには、
ただ単に場数を踏めば良いという訳ではない。
知恵と洞察力で常に先読みし行動していくことが
必要である。
この物語は、私の大学時代の経験を基に、
描いているが、その時に出逢った天才
虎川 零(とらかわ れい)の
『知恵』『洞察力』『先読みする力』
に着眼することで、先読みスキル
を身に付けることができる構成になっている。
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つまり、この物語は、天才虎川の未来予測する
能力を可視化した物語である。
仕事ができるようになりたい方は、必読です。
また、この物語は、
笑って楽しく先読みスキルを学べる
構成にしていますので、ぜひご拝読
くださいね。
目次
1.前回までのあらずじ
2.地獄の一発芸大会 ②三つのヒント
3.無双仕事術の観点で考察
1.前回までのあらずじ
時は2002年に遡る。私は某国立大学に
入学し、某大学寮で生活することに。
その大学寮で、私は天才虎川と出逢った。
私の大学寮では、毎年、新入寮生を歓迎する
地獄の祭り、新歓祭を開催していた。
入寮初日は、10人1部屋の和室に連れて
いかれ、酒に酔った上回生が次々に訪れ、
むりやり酒を飲まされたり、正座で話を聴か
されたり、人格が崩壊するほどイジられたり
と、これが徹夜で行われた。
入寮二日目は、夕方5時丁度に上回生から
「7時まで散歩するぞ!ついてこい!」
と言われ、散歩するのだが、この散歩は
夜の7時ではなく、なんと朝の7時までの
14時間散歩であった。
入寮三日目は、
「俺たちは、笑いに厳しいからな!」
と脅しをかける強面の上回生に囲まれて、
一発芸をすることになった。
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夜通し歩かされ、体力的にも精神的にも
疲れ切った私たち新入寮生に対して、
上回生から「寮生全員の前で一人ずつ
一発芸をしてもらうから、今のうちに
よく考えておけよ。」と告げられる。
これを聞いた新入寮生は、激しく動揺して
いたが、天才虎川は、1ミリも動揺せず、
ニコニコ嬉しそうにしていた。
そんな虎川をみて、マジで意味不明だった
ので、私は虎川に理由を聞くと
笑いに厳しい上回生の前で、一発芸をしない
といけない極限状態の中で、今は寝るという
選択をし、一発芸は開始と同時に考え、他人
の芸を見て、何がウケるか分析し、それを
真似するというプロセスで、一発芸に挑む
とのことだった。
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天才は独創的すぎて、誰にも理解できない
プロセスで物事を進めるのだ。
2.地獄の一発芸大会 ②三つのヒント
虎川が安らかに眠りにつく中、
他の新入寮生は私も含め、あまりの
プレッシャーで一睡もできなかった。
背水之陣とは、まさしくこのことで、
私たちはこの地獄の一発芸から、
絶対に逃げることができなかった。
虎川を除く私たち新入寮生は、
開始まで必死で一発芸を考えた。
しかし、私たちはお笑い芸人ではない。
ない知恵しぼって考えたところで、
あの威圧的な上回生が笑い、
一発芸を切り抜ける絵が全く想像できず、
焦る思いに反して、時間は無常にも
過ぎ去り、結局、何も思い浮かばないまま
一発芸の開始時間である夕方5時を迎えて
しまった。
![](https://assets.st-note.com/img/1712746933393-CuOfPGGoiC.png?width=1200)
5時丁度に、上回生が迎えにきて、
「5時だ!
野郎殿、一発芸の時間だ!
一階の宴会場に集合だ!
気合い入れて行けよ!
俺たちは、笑いに厳しいからな!
オモロなかったら、やり直し
やからな!覚悟しとけよ!
返事はあああ!」
と、睨みを利かし脅迫まがいの声で言って
きたので、私たち新入寮生は、ビビりすぎて
声を発することができなかったが、虎川だけが
「はい!」
と元気よく返事をしたのだった。
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この状況を見た上回生は、
「てめーら、返事もろくにできねーのか!
情けねー奴等だ!
ビビってんじゃねえぞ!」
と一喝し、虎川には、
「虎川よ!
可愛い嬢ちゃんみたいな顔して、
なかなかの肝っ玉だな!
お前は、男の中の男や!
この調子で頑張れよ!」
と、大声で褒めちぎり、この場を立ち去った。
もう夕方5時を過ぎているため、
急いで一発芸する宴会場に行かないと
いけなかったが、私は、本当に嫌すぎて、
足がすくんで動けなかった。
横目で見ると、他の新入寮生で、
「無理だ!
もうこの寮、やめたい!
今すぐ出て行きたい!」
と、泣き出す人がいる中で、
先ほど、褒められた虎川も泣いていた。
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私は、そんな虎川を見て少し驚いたが、
『なんだかんだ言って、
虎川も、一発芸が怖いんだな。』
と思い、少しほっとし虎川に、
「やっぱり、一発芸つらいよな。
やりたくないよな。」
と言うと、虎川は、
「生まれて初めて、
男の中の男と言って頂いた。
僕は、こんな顔だから、
いつも女の子に間違われていたんだよ。
嬉しすぎる。
今、僕は本当に幸せなんだよ。」
と、まさかの想定外すぎる返しに、
ずっこけそうになり、一発芸への恐怖と
虎川への苛立ちの感情が入りみだり、
気持ちの整理が付かないまま、
ついに、一発芸の宴会場に着いてしまった。
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宴会場に着いた途端、強面の上回生たちが
「おい、ついに来たな!
今年の新入寮生は、おもろいんやろうなあ!
テンションぶち上げていけよ!」
と野次を飛ばし、しばらくの間、その野次が
鳴り止むことがなかった。
しかし、寮長の夏目(なつめ)が立ち上がった
瞬間、さっきまでの野次が嘘のようにピタッと
やみ、夏目が宴会場の中心に移動している時に、
強面の上回生は皆
「おおおおおおおおおおおおおおおお!」
と歓声を上げ、
「なーつーめ!なーつーめ!なーつーめ!」
と夏目コールが続いた。
夏目 完(なつめ かん 4回生)
当時、大学寮でトップに君臨していた男。
見た目は、お世辞にもカタギとは言えない。
4回生は新入寮生にとって神同然で、
その神々のトップに君臨する寮長の夏目は、
『ハーデス』と怖れられていた。
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そして、夏目が宴会場の中心に着いた瞬間
「新入寮生諸君、
今から、一発芸を開始する。
お前たち、何ビビってるんだ!
おい、泣いている奴がいるじゃねえか!
泣き虫はこの寮にはいらん!出て行け!
男は泣くな!」
と言い、それを聞いた私は、
『とんでもないところに来てしまった!
俺は今日、天に召されるかもしれない!』
と、絶望していると、夏目寮長は間髪入れず
「俺は、慈悲深い寮長だ。
今からお前達に、一発芸を乗り切るために、
3つのヒントをくれてやる。
1つ目は、大きな声だ。
2つ目は、間(ま)だ。
3つ目は、根拠のない自信だ。
以上、健闘を祈る!」
と言い、他の上回生のいる元の場所に
戻っていった。
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『何が慈悲深い寮長だ!
何が3つのヒントだ!
むちゃくちゃ言うな!』
と私が嘆いていた矢先に、
隣にいた虎川は、笑みを浮かべてうなずく。
それをみた私は、イラッとし、
「気持ち悪いなあ。
こんな地獄みたいな状況で、
何ニヤニヤしてるんだよ!」
と言うと、虎川は、
「夏目寮長、優しすぎるよ。
答え言っちゃってるじゃん。
ヒントになってないよ。
喜劇じゃなくて音楽の方ね。」
と摩訶不思議なことを呟く。
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この天才虎川の真意はいかに。
詳しくは、次回の物語で話していく。
3.無双仕事術の観点で考察
虎川は、地獄の新歓祭が、
一日目 ・・・精神力を試す企画
二日目 ・・・忍耐力を試す企画
と二日連続、受け身の企画だから、
三日目は、逆に
新入寮生の自発性を問う企画だと
見事に読み切った。
具体的には、一発芸のことだが、
自発性を問う企画とここまで読み切る事
ができた虎川は、先読みの天才である。
また、夏目が一発芸を乗り切るヒントを
「1つ目は、大きな声だ。
2つ目は、間(ま)だ。
3つ目は、根拠のない自信だ。」
と言ったことに対して、
「答え言っちゃってるじゃん。」
とまさかの返し。
詳しくは、次回の物語で話していくが、
たったこれだけのヒントで、大学寮の
一発芸で上回生は何を求めているのか
見抜いてしまう虎川は、まさに天晴れ。
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天才虎川は、窮地に立たされても瞬時に、
物事や人の本質を見通すことができる。
他の新入寮生が激しく動揺する中、
虎川ただ一人だけ、いつも冷静である。
~第5話完~
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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