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カスタマーサポート部署が事業のリスクマネジメント業務に適している3つの理由

こんにちは。エブリーでVP of CX(カスタマーエクスペリエンス)を担当している作花(サクカ)と申します。

CS HACK Advent Calendar 2022 の記事として書いてます。

自己紹介

エブリー株式会社で料理動画メディアのDELISH KITCHENのCX Managerを経て、現在はTIMELINEMAMADAYSというメディアのCX Managerを担当してます。直近は、クラウドファンディング事業の立ち上げに携わっており、それ以外だとリスクマネジメント委員会の委員(担当メディアのリスクマネジメント担当)とアドバイザリーボード(外部有識者会議)の運営もしてます。

その前の2社目はグリー株式会社で内製ゲームとPublisherゲームのカスタマーサポート(以下CS)、その後自社プラットフォームの全ゲームの企画審査のマネジメント、業界団体で業界横断のルール作りなどを担当してました。

1社目は株式会社ベルシステム24で、国内最大手ECのテクニカルサポートや広告審査、CS全般業務の沖縄オフショア立ち上げ責任者などを担当してました。

自分のキャリアのポイントは、審査などのリスク事前チェック(以後リスクチェック)やインシデント発生時の対応業務が入っていることです。

事業のリスクマネジメント業務とは


そもそも本題のトピックである事業のリスクマネジメント業務ってなんだっけという部分ですが、主に世にでるコンテンツや商品の事前・事後リスクチェックやインシデント発生時の対応管理などを指します。

リスクチェック具体事例

  • 法務部門と連携して必要な法律の理解とマニュアル及びチェックルールの策定や改訂

  • 事業部門側と連携し審査を織り込んだサービスリリースオペレーションの構築

  • 審査オペレーションの実行

事後対応自体事例

  • インシデントの重要度に応じた対応

  • 進捗管理

  • 重要度高案件のアクションの洗い出しとDueDate決め

あとは勉強会などもやっていますが、ざっくりこんな感じでしょうか。
今の会社ではこの対応を回していたりします。

さまざまなCSやリスクマネジメント業務を通じてかなり両者の親和性が高いことに気づいたので、3つご紹介します!

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CSとリスクマネジメントの高親和性を3つご紹介


①精度の高い”違和感”

自分が対応した問い合わせで、よくよく調べてみると「え?こんな大事だったの?」と驚いた経験は無いでしょうか。

お客様がネガティブ体験をする理由は多くあると思いますが、誤字脱字と軽度なものから本来無い機能をあるかのように表示して販売してしまい、法規制に触れてしまう大きなものもあります。

ネガティブ体験が与える社会的な影響度合い

上図で示す通り、最終的には法律が出てきますが、そこに至るのは一部であり、そうならないよう業界や自社でルール作りをし、より良いサービスになるようどの会社も取り組んでいます。

ただ、どのような問い合わせが最終的にどういった問題まで発展するかを即時に判断することはかなり難しいです。そこで重要なのがお客様目線でリスクを感知できる経験です。

CSは日々多くのユーザーからのお問い合わせに対応しています。その中で、「いつもくるお問い合わせに似たような内容だけどちょっとした違和感を感じ、サービス改善に繋がった」といったようなことを日常茶飯事的に行っているCSの部署は、リスク検知感度がかなり高いと思っています。この高いリスク検知感度に法律の知識を合わせると、初期段階で精度の高いリスク判断ができるようになると考えています。

②検知が早い、お客様への一報も早い

言うまでもなく、多くのCS部署はお問い合わせ対応のリードタイムをKPIに置いており、事業部へのエスカレーションも早いと思います。

そしてどんな問題があっても詳細を早く知ると不信感は軽減しますし、①と合わさると精度の高い情報を早くお届けできるメリットもあります。

迅速な返信や障害報などをある程度コントロールできるのはCSの強みで、スピードの速い連携やコミュニケーションはリスクマネジメント観点からもかなり重要です。

③サービスをお客様目線で一番近くで見ている


リスク対応業務全般で隠された大事なキーは「事業理解度」です。

「既存業務のリスクチェックはしていたけど、新規でβテストしていたことを知らなくてチェックが漏れていた」など、対応漏れもよくある事象です。

事業がどのように運営されているか・どのようなコンテンツやサービスを展開しているかを正しく認識し、世にでたらお客様がどう思われるかを踏まえていればリスクチェックすべき業務カバレッジの精度が上がり、チェック漏れが格段に減ります。

まとめ

以上いかがでしたでしょうか。
精度の高い違和感
*迅速な検知や対応*事業理解度が高い
=判断*スピード*業務カバレッジを兼ね備えたスキルセットはリスクマネジメントに最適では無いでしょうか。

最後に

プラットフォーム運営だったり、CtoCサービスを運営されていると、部門内でパトロール業務を通じてリスク対応をされている会社も多いと思いますが、BtoCの会社だとリスクマネジメントに携わっている方はまだ少ないのではないでしょうか。

既存の知見に法律知識のエッセンスを一つ混ぜるだけでより良いサービスや機会が生まれるのがミソだと思ってます。

コンテンツやサービスの価値向上にCS・CX部門が貢献し、関わる方のキャリアが広がってくれることに期待して終わりたいと思います。

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