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「コマ派」「4派」への分布

(※こちら、現代4コマWiki内で2023年5月21日に掲載させていただいた記事の加筆・修正したものになります。分布例として貼っている各画像をクリックすると元ポストに飛べます。)


現代4コマ批評とは、現代4コマを評論すること。
または現代4コマ研究とも言うが、評論の対象や手法が多様なため、定義は曖昧である。


「コマ派」「4派」への分脈

現代4コマは、
構造主義的な「コマ派」と
実存主義的な「4派」に分けられる。

そこに「コマ」を探しているのか…
そこに「4」を探しているのか…

コマ派

上記画像の4コマは側溝のフタを中心とする(アスファルト部分との区切りで解釈する事等も含めて)枠の探求が主体なので「コマ派」に分類される。


4派

上記画像の4コマは木のひび割れを線と捉えその無造作な交錯の中での計数に追及の重心があるので「4派」に分類される。

この「コマ派」「4派」の大きな分布から、さらに細かく〇〇主義に分ける事が出来る。

コマ派◯◯主義

コマ派物体主義

4コマの造形そのものを枠組みでなく、物質として捉えなおそうとする運動。それによってコマ外への実質感覚が生まれ相対的に作品の境界領域にも空間理解が発展している。コマを枠内の世界表現だと認識していた場合にその世界に閉じ込められているのは我々の方だと気付かされる。


コマ派抽象主義

4コマの造形を崩し枠組みの成立を解体させる運動。物体主義の反動的な方向から生まれた。ただ枠逸脱はコマ派からの逃走を意味し、限りなく4派に近付く行為でもある。逆説的に言えばコマ派と4派の両面を満たしているとも言え、潜在的にも一番4コマと呼べる概念なのかもしれない。


4派◯◯主義

4派実数主義

4コマの構成要素である「4」という数字に価値を置き計測を常とする運動。そのためコマという概念はかなり広義になり枠だけではなく物質や時間経過概念なども含まれるため必然的に実写が多くなる傾向にある。創作というよりも観測。これもまた現代4コマでこそ可能な表現領域である。


4派定義主義

数という概念に対する水槽の脳のような懐疑的態度を提唱する運動。つまり明らかに「4ではない」表現に対して「これは4コマだ」と言い張る試み。これによって訪れる数学の知識常識はコペルニスク的転換を迎え現代4コマとは何かの再構築を促される。結局我々は枠内しか認識出来ない。


「4コマ派」という原点回帰

上記の批評的運動ののちに反動として純粋な表現の「4コマ」が求められるようになった。それが「4コマ派」である。ただそれは従来の4コマ漫画表現を指しているわけではなく、コマ派と4派の両面を満たした上で、その枠組みの解体表現であるとは言い難い別次元への歩みを意味している。

4コマ派◯◯主義

4コマ派批評主義

4コマで現代4コマ批評を表現する試み。批評4コマとも呼ばれる。


4コマ派表現主義

また、4コマ派批評主義に相対する概念として、4コマという概念そのもので別領域の創作しようとしている運動も概念化され分類されだしている。アニメーション、文学、人生観など、4コマ派表現主義での創作ジャンルは多岐にわたる。


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