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もう世の中にありふれているであろう『エッセンシャル思考』の感想を書く


題名の通り、『エッセンシャル思考』の感想を書く。
前々から気になってはいたが、約3週間前立て続けにこの本の題名を聞く機会があり、ついに読み始めた。

自己啓発本の悪いところは、読んだだけでやった気にさせてしまうところ。
なので、しっかり行動に移すという宣言を込めてここに感想をアウトプットする。


最初の1ページ目から「これは私に向けられた本なのか?」という言葉が並び、常に「あなたのやり方のここがダメですね」と言われている気分になった。

以下はそんな私の特性である。
当てはまる項目がある人にはぜひこの本を読んでほしく思う。

・持ち掛けられたらなんでも「やります」と言う
・タスクが山積みの時、何かを捨てるのではなく、全てこなすことを考える
・向上心と好奇心に動かされ、あらゆる方面に手を出す
・エンタメ・遊びは無駄だと思っている
・いつも何らかの締め切りに追われている

このnoteでは本の中で印象に残った(グサッと刺さった)言葉をピックアップし、紹介していく。

エッセンシャル思考とは

エッセンシャルとは日本語で「本質的な」という意味。

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本の表紙にあるこの図は、本編の中にも何度も登場するがまさにエッセンシャル思考を表している。

絡まったたくさんの不要な物事の中から本質的なものを見出す思考法を身につけよう、という内容だ。

トレードオフ

本質的なものだけを取り出すには「捨てる」という作業が重要になる。しかし私のような非エッセンシャル思考の持ち主にとってはこの「捨てる」行為が非常に難しい。

本の中でも触れられていたが、人は一度手に入れてしまうと手に入れる前よりもそれが大切に見えてしまうそうだ。
そんな私に刺さったのはこの一文。

非エッセンシャル思考の人は、トレードオフが必要な状況で「どうすれば両立できるか?」と考える。だがエッセンシャル思考の人は、「どの問題を引き受けるか?」と考える。

トレードオフとは「何かを得ると、何かを失う」という2つの物事の関係性のことだ。

何かを失わなければならない状況なのに、「自分ならいけるかもしれない」という謎の自信から両方に手を出す。そしてその結果どちらとも中途半端に終わる。
これが非エッセンシャル思考の人の行動である。

まさに私のことだ。
自分にはトレードオフの考えがなかったのだと気づかされた。

ここで重要なのが、明確な目的優先順位。

理想の人生、もしくは短期的な目的が明確になっていれば、選択肢の判断に迷うことはないとのこと。
確かに目的があればトレードオフも容易だろう。

しかし、長期的なビジョンを持ち合わせておらず、いつも直感で生きている人も多いだろう。私もそうだ。
そんな人のためのもう一つの手段がこちら。

「それは今から努力してでも手に入れたい機会か?」と問うこと。

「せっかく舞い込んできたチャンスだから、、、」
「こんな機会めったにないし、、、」

という理由ばかりでいろんな方面に手を出してきた自分には耳の痛い話だが、この選抜方法なら自分にもできそうである。

この『エッセンシャル思考』の良さは、このように「自分にもできるかも」と思わせてくれる手段を提示してくれていることだ。
読み終えた後に、「それはわかってるけどできないから困ってんだよ」となる自己啓発書との違いである。

酷使>>>>>制御

次に刺さった言葉がこちら。
刺さったというより驚きの方が大きかったかもしれない。

「活動的で向上心あふれる人にとって、自分を酷使するのは苦痛でも何でもない。本当に難しいのは、働きすぎないように制御することだ。」

これを読んだとき、なんだか今まで不思議に思っていたことが合致した気がした。
「よくそんなにいろいろできるね」といった言葉をもらうことが多いのだが、自分にとってはむしろ「何もしない」が苦痛なだけだったのだと気づいた。

この世の中、暇な人より忙しい人の方が、「ちゃんとしている」人とみなされる。
だから私は忙しいことを人に責められることもなく、なんでもかんでも手を出して満足感を得ていたのだが、それは私にとっては単なる手抜きだとここで責められてしまった。

ここで本書で挙げられていたエッセンシャル思考に必要な要素を提示する。

①じっくり考える余裕
②情報を集める時間
③遊び心
④十分な睡眠
⑤厳密な基準

どれも今の自分にはないものだ。
どのように今後変えていけるかをここで宣言したい。

まず①②。本書の中で「もっとゆっくりイエスを。もっとすばやくノーを。」という言葉があった。
素早い決断こそ善だと思っていた私は、まず熟考することから始めるとする。

③遊び心。以前友人に「しおりはエンタメを無駄として捉えているんだね。」と言われたときは衝撃が走った。図星であった。

本書では、「遊びはそれ自体が目的だ。」と言っている。
私は遊びにさえも目的を求めて疲弊していたのだと思う。
しかしこれに関しては、外出自粛中にエンタメの偉大さを思い知らされたので今後遊びを軽視することはなくなるはずだ。

④十分な睡眠も足りていなかった。寝ない方がかっこいいみたいなダサい考えをずっと持っていたが、最近はQOL(Quality of life)みたいなものもトレンドになり、考え方は変わってきた。
この本では8時間睡眠は必須だと書かれており、(少し長く感じたものの、)最近は8時間を理想とし、最低ラインを7時間に定めている。

睡眠を削ってカッコつけていたときもなんだかんだ昼寝をしていたので、どう考えても長い睡眠の方が効率的だ。

⑤厳密な基準。これは直感派の私にはきつい項目である。基準は直感だがそこに厳密さのかけらもない。
本に書いてあること全てを取り入れればいいというものではないので、私はこれからも直感で生きようと思う。

というわけで、今後の改善点を記したが、まぁ自分の個性を残すことも大切なのでいい塩梅で自分を変えるとする。

人生をデザインする

今までの2つは、要所要所で取り入れるノウハウのようなものであったが、最後は「エッセンシャル思考を生きる」方法を述べよう。

1つが小さく早く始めるということだ。

非エッセンシャル思考の人は、常に「最もうまくいく状況」を想定して計画を立てる。
だから、結果的にすべてがなだれ込んで質にこだわる余裕がなくなる。
「小さく早く」とは、最悪の状況を想定して前もってコツコツと行動しておくということである。

この徹底的な準備が「人生をデザインする」ことに繋がる。
「人生をデザインする」という言葉を見たとき、私は今自分の人生をデザインできていないとすぐに思った。
目の前のタスクに追われ、デザインするのではなくただ配置しているだけだと思い知らされた。

最終的に、エッセンシャル思考は「人生をデザインする」という言葉で表されるのではないかと感じた。

日々やることに追われ、いろいろな活動をしていると結局考える余裕がなくなる。
自分の意志でやり始めたつもりのことが、いつの間にかコントロールできないものとして自分を追い込んでしまう。

ここ数か月の私はまさにずっとこの状態であったため、然るべきタイミングで然るべき本に出会えたことをありがたく思う。

気づいたらまた同じことを繰り返してしまう未来が見えるので、ここに備忘録として記した。

似た症状がある人は、ぜひこの本を読んで私と同じように「グサッ」と刺さる体験をしてほしい。

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