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おもしれー女!~男子バレーおたくの話~

さて、先日投稿したこの記事には推しとの綺麗な思い出だけを書きました。

今回は周りにいたおたくについて書こうと思います。
主に「おもしれー女さんだったな!」と強烈に記憶に残っている人をピックアップしました。

1.ほぼストーカー女さん

その女さんとは、練習見学に行くようになった初期の頃に仲良くなった。
小柄でとても可愛らしい印象だったが、年齢は自分よりずっと上で驚いた記憶がある。
女さんのお子さんは小学校低学年くらいの男の子で、たまに一緒に練習を見に来たり、帰るときは旦那さんが車で迎えに来ていて、それを駅で見送るという大変微笑ましい出来事もよくあった。

本当に仲良くしてくれていたし、試合会場や練習見学で会えば一緒にご飯を食べに行ったりするくらいの仲だった。
しかし、時が経つにつれ、段々女さんの奇行が目立つようになった。

練習終わりの選手を体育館の外で待つときは、選手が体育館から着替えなどをするための別棟に移動する間の導線で待ち構え、選手が来たら声を掛けるというのがおたくのルールだった。
しかし、一部、ルールを守れない(モラルがない)人というのは存在していて、体育館の出口で待ち構え、選手を捕まえると、他のおたくがいることが分かっているのにも関わらず、出口から別棟までついて歩くという行為。

女さんはやっていた。
その日にしか来られないおたく、初めて練習を見に来たおたく、大好きな選手に会えるとドキドキしながら待っていたおたくもいただろう。
それらすべてを踏み躙る行為であるということは本人も分かっていたはずなのに。

他にも、体育館の近くにある選手たち行きつけの定食屋に通って、好きな選手の近くに座ったり、話し掛けたり。
ある意味、定食屋はおたくたちの間で聖地のような扱いだったので、選手に会うとかそういう目的ではなく、おたくが好きな『聖地巡り』のような軽い気持ちで行く人もいる。
女さんが以前、その軽い気持ちで行ったときにたまたま選手に会ったそうで、自慢げに話していたのだ。
「たまたま会ったんだけど、(推し選手)くんから声かけてくれたんだよね」と。

真偽は定かではないが、そりゃあ好きな選手から声をかけてもらえたら多少は調子に乗るだろう。迷惑がられていないと勘違いしてしまうのも分かる。
それが付き纏う理由にはならないけれど。

それからの女さんといえば顔を合わせれば、
「(他のおたく)ちゃんに悪口言われた!」「目をつけられている」「嫉妬されている」「いじわるされている」と小学生のような愚痴をもらしてばかりだった。

以前は月に1~2回の練習見学の頻度が、ほぼ毎日のように体育館にいるようになったと聞いた。自宅はチームの所在地である大阪とは遠く離れた県だった。

毎回、推し選手を出口で待ち構え、別棟までついて歩き、別棟から出てくるのを待って、帰宅しようとしている選手について歩いて、敷地外に出るまで話し掛け続けている。
推し選手の顔があからさまに曇っていたことを周りのおたくはみんな知っていた。

わたしがバレーおたくを辞めてから聞いた話だが、女さんは離婚していた。単身、チームのある大阪に引っ越し、そこで仕事をしながら体育館に通い詰めていると。
その後、女さんと選手がどうなったかは知らないが、まあメンタル強そうなので元気に生きていることでしょう。知らんけど。

2.サプライズ女さん

その女さんは試合の度に望遠レンズを構えて写真を撮るタイプだった。
そして、いつも必ず一番値段が高くて、コートに近い席で観戦する人だった。

わたしはあまり親しくなかったが、当時、よく一緒に体育館に行っていた友人と推し選手が同じだったようで、友人がひとりで見学をしているときに声を掛けられたそうだ。

正直、一目で「おたくの人だな」と分かるような風貌で、お世辞にも綺麗とかかわいいとは言えなかった。
しかし、女さんは自分に自信があり、自分は推し選手に好かれているといつも周りに吹聴していた。

わたしは友人に付き添っていつもその選手とおしゃべりをしていたが、彼は誰にでも分け隔てなく気さくに振る舞ってくれる人だった。
負けた試合のあとも機嫌が悪かったり、無駄に落ち込みすぎたりせず、ファンに明るく接してくれた。
つまり、割と誰とでも距離が近く、仲良くしてくれるタイプだった。

友人は、選手がラーメン好きと聞いて、よく地方の珍しいものや地元の名産を渡していた。(今は分からないけれど、当時は選手への食べ物の差し入れがOKでした。)
彼はとても喜んでいたし、近くで見ていたわたしも、本当にうれしいんだろうなということが分かった。
次に会うと、あのラーメンが美味しかった、また食べたいと話していたのも聞いた。

リアクションをしてくれそうな面白いものを渡してふざけあったりするのも楽しかった。たぶん本人も嫌がってはいなかったと思う。
率先してボケて笑いをとってくれていたくらいだった。

そんな彼が女さんに話し掛けられると一瞬で真顔になる。
女さんはいつも嬉しそうにはしゃいでいたけれど、彼はずっと真顔。
あんなに笑顔が絶えない彼のそんな様子を見て、あの人何かしたんだろうかとこちらが不安になるくらいだった。

試合は基本的に週末(土日)におこなわれることがほとんどで、平日に練習を見学すると「今週試合見に行くね~」と選手に伝えることがあったりする。
友人もよく推し選手に伝えていた。そうすることで試合後に声を掛けやすかったり、応援席にいると気づいてくれたりすることがあった。

ある試合を見に行ったときのこと。
会場の体育館の外に女さんがいて、友人が声を掛けられていた。
友人が気を遣って「今日来てたんだね~」と言うと女さんが
「今日はね、サプライズなの♥」と言った。

わたしも友人もポカンとした。
何が??なんの??誰の??

友人「・・・へぇ~ソウナンダァ」
女さん「彼に今日来るって伝えてないからびっくりすると思う♥」
友人「・・・へぇ~ソウナンダァ」

体からぴょんぴょんとハートが飛び出している女さんの前でひたすらソウナンダbotになっている友人。
推し選手からしたらまったく嬉しくないサプライズだろう。
そもそもその自己満足ってサプライズって言うのか?

その日からわたしと友人の間で女さんをサプライズさんと呼ぶようになったことは言うまでもない。

3.繋がり女さん

これはまた別のチームの選手を応援していたときのこと。
そこで知り合った女さんは典型的なリアコの人だった。
最初はそういうのも可愛らしいなと思っていたし、事実、女さんは綺麗めな見た目と天然な性格で、周りのおたくからも好かれており、友達も多かった。

そのチームは出待ちをしても選手に会えないことも多い体育館のつくりだったのと、女さんが好きだった選手はあまりファンサービスをしてくれるタイプではなかったので、女さんはがっかりして帰ることが多かった。

女さんと仲良くなると、色々ぶっちゃけた話もするようになったのだが、以前、大阪のチーム(わたしが応援していたのとは別のチーム)の選手を応援していたことがあったと聞いた。
女さんが応援していたその選手は、一時期、全日本にも召集されており、ルックスが(バレーボール選手にしては)良かったことで、世間的にもある程度、知名度と人気があった。

女さん「虚言って言われるかもしれないんだけどね」
わたし「うん?」
女さん「実は(選手の名前呼び捨て)に連絡先渡されて、友達になってって言われたんだよね

お・・・なるほど・・・となるわたしと、遊びに行ったとか試合のときに自分にだけ特別にアイコンタクトしてくれたとかうんとかかんとか話す女さん。

選手のほうから声を掛けてきたということなので、そうなんだ、という感じだったが、今応援している選手ともそのような関係になれると思っていることがちょっと無理だった。

その話を聞いてから徐々に疎遠になり、試合会場で会ったら挨拶をする程度になった。


後々聞いた話だが、女さんに声を掛けた選手は相当な女好きで、練習を見に来ていた若い女の子や可愛い子に片っ端から連絡先を渡していたそうだった。
結婚後も同じようなことを繰り返しており、しばらくして離婚していた。
自分も連絡先を渡されたという証言をする女性が何人も現れ、一時、界隈がざわついていたことを今も覚えている。


というわけで、今回は3名の女さんの思い出を語ってみました。
キャラの濃い人が多い界隈だったな~と今になって思います。

バレーから離れて数年後、ほぼ同時期に別のチームを好きだったおたくと出会うことがあり、色々話していたら色んな意味でもっと強い女さんがわんさかいたので、わたしなんてまだまだだなと思いました。(?)

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