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平成最後の夏に寄せて

平成最後の夏は、忘れられない夏になった。


平成30年7月6日、祖父が亡くなった。
梅雨が明ける、ほんの少し前に、まだ夏が来る前に。


まだ、ふとした瞬間に悲しみが飛沫を立てて押し寄せてくる。
今もこうして文章を書きながら、じわじわ熱くなる目を抑えている。
だけれども、祖父のことは、そして祖父の死とこの悲しみは、忘れたくないと思う。
悲しみを手放さないことは、苦しくて苦しくて、痛みさえも伴うけれど、痛みごと抱えて生きていきたい。


わたしの人生は祖父にもらったようなものだ。
いろんな経験をくれたのも、いろんな幸せをくれたのも、いろんなチャンスをくれたのも、全部祖父だった。
感謝こそすれ、何も、まだ何も返してないのに、祖父は逝ってしまった。

まだ何者でもなくて、ちっぽけで、未熟なわたしには、祖父の分まで生きるなんてそんなことできるわけないのかもしれないけれど、
祖父が生きるかもしれなかった未来が、誇れるものになるように。
またいつか逢えるときに、恥じないでいられる自分になりたい。


まだまだ、整理が付かない部分がたくさんある。
地元に帰ったら、祖父の家に行ったら、あの椅子に座ってて「おう」って、「帰ってきたとね」って言うんじゃないかって、心のどこかで思ってる。
全部全部わるい夢だったんじゃないかって。
だから、少しずつ、少しずつ向き合って気持ちの整理をしたい。

それと、悲しかったことも、嬉しかったことも、封じ込めずに全部覚えておきたいから、いつか書ける時が来たら、祖父との思い出をたまに綴れたらと思う。
最後の悲しかった思い出も含めて、忘れないうちに、いつか勇気が出たら。


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