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7年ぶりのおくんち

広島へ行った翌々日、今度は飛行機に乗って長崎に行きました。

7年ぶりの「長崎くんち」を観るためです。
「長崎くんち」はご存じの方も多いと思いますが、1年に1度、長崎で行われる諏訪神社の秋期大祭です。
蛇踊りを思い浮かべる方も多いですかね?
町ごとに出し物が決まっていて、それを持ちまわりで披露するようになっています。

わたしは、7年前そこで見たある演じ物の虜になってしまい、その際「7年後も絶対見よう」と誓い、今回無事に行ってまいりました。
なぜ毎年やっているのに7年後なのか?それはその演じ物が7年に一度しか披露されないからなんです。

その演じ物というのが

椛島町のコッコデショ

1トンはある太鼓山というお神輿(おみこしの上には子供が4人乗っていて太鼓を叩いている)、それを選ばれし屈強な男性36名が掛け声とともに高々と投げ、片手でキャッチするという、書いているだけでものすごく興奮するんですが、言葉にするとなんですかそれは?というかなり言葉では伝わりにくい演じ物です(これはもう動画とかを見てもらうしかないんですけれど)

本場所の踊り場に入場してくる際は、朗々とした掛け声(歌声)と共に、釆振りと呼ばれる中学生くらいの少年4人をその担いでいる棒の上に乗せて登場します。
会場ではこの重い太鼓山を前後にものすごいスピードで移動させたり、くるくると回ったり、それをそんなに広くない場所で披露します。
まさに、危険と隣り合わせ!

もちろん町中も練り歩きます。
庭先回りと言って、民家やお店などに演じ物を呈上します。
最近はアプリがあって、GPSでいまどこにいるか分かるようになっているのですが、GPSよりも遠くから朗々と響いてくる男たちの声で(あ、近くにいるな)と感じる瞬間が一番興奮します。

秋晴れの空の下、石畳の道でその声が聞こえてくる時のなんともいえない情緒は言葉では表せません。

今回はさじき席を購入していなかったので、もっぱら町中をそれこそ追っかけのように見ていたんですが、初日は2万2千歩、翌日も軽く1万歩を超えるくらいでした。実際に担いでいる彼ら、そしてそれをサポートしている人たちはどれほどの歩数なんでしょうね。

前回はコッコデショばかりに夢中になっていたのですが、町を歩く際にルートの調整をする人や、休憩のための水などを運ぶ人、総監督の方などに目が行きました。
あんなにきつい演じ物で、それこそ厳しい練習をしてきたはずなのに、担ぎ手さんたちは時折笑顔を見せたり、周りの人たちもなんだかにこやかに当日を楽しんでいて、ずっと感動させられっぱなしでした。

あと長崎だからできることなのかもしれないけど、交通を完全に止めないでやるのもいいですね。
演じ物が来るときだけちょこっと止める。
タクシーとかも「あ!神輿かぁ」みたいな感じで急に止められても怒らないし、東京だったらもうちょっと殺伐とするだろうなーというシーンがたくさんあったけど、終始おおらかな印象を受けました。

元々長崎は好きな町で何度も訪れているのですが、お祭りの時こそ、その土地の人たちの性質がより見えるのかなって思います。

長崎は熱く、そして大らか

昔から外国の文化を受け入れてきたという土地柄もあるのでしょうか。
コッコデショ目当てでしたが、結局最後は「やっぱ長崎好きだなー」という気持ちになって帰ることができ、素晴らしい体験をさせてもらいました。

わたしは根っからの東京っ子なので田舎もなくて、子供の頃は帰省する友人を羨ましく思ったものでした。
でも、大人になって、色々な土地に自由に行けるようなってみたら、すごく歓迎してくれているなって感じる場所がたくさんできて、それこそ何年かに一回でもいいからまた行きたいなと思わせてくれて、なんだか田舎が出来たようなそんな気分になります。
そんな環境であることを本当に感謝しています。

そして最近では北海道、名古屋、富山、松山、熊本に友人が出来て、その土地の言葉などを知ったりすることでまた行きたい場所が増えています。

自分が田舎を持たずに生まれたことにも何か理由があるんだろうなと、そう思わざるをえません(…ってちょっとあばれる君風)。

ないものを羨ましく思っていたこともあったけれど、ないからこそできる選択や経験があるなぁと思います。
それに気付いて以来、何かを羨ましいなって思うことがなくなりました。
羨ましい気持ちを否定しているわけではないですよ。
でも、自分にないもの(頑張っても手に入らないものや元からの才能や環境)などをいつまでも他人と比較したり羨ましがっている時間ってほんとうにもったいないなって思うようになりました。

あー、次回はまた7年後かしら。
次は1週間休みを取って、桟敷席もビシッと予約して観ます!(言霊)

最後まで読んでくれてありがとう!
では、また!




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