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書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 483

『姫様、そして、その場にいる方々にお願いします。この世界を救うために、そして種神がアステリアに縛り付けた鎖を、この因果から解き放つために』
「…………」

 アステリアの名前が出されて、ティアは、苦虫を噛みつぶしたように顔を歪めた。

 今更彼女を許せと言うのか? 救う必要があるというのか?
 彼女のせいで、自分は大切な物を壊してしまったのに。
 彼女のせいで、知りたくもないし、見たくもないものを見せつけられて、自分が自分でなくなったというのに。

 顔が険しくなっていていくのを止められないティアに対し、アレイシアがアステリアを背後に庇い、威嚇するかのように紫の瞳で睨みつける。
 翡翠の瞳と紫の瞳が交差し、中間地点で火花を散らす。
 このままでは、ファウストの願いも虚しく、決められた破滅まで殺し合うしかなく、自分たちは終わりのない無限ループにはまり込むのだろうか。

『オラ! ファウスト、レディに対して少しは気を回せ!』

 ゴツンっ。と、音が聞こえた。
 まさかの存在に、さすがのティアも動揺して問いかける。

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