書き出し_休載小説の話をなんとか終わらせよう_アステリアの鎖 481
『姫様、聞こえていますか! 自分です、ファウストです』
「え、ファウスト殿」
「……っ!」
「マキーナ、アスティ、ちょっと待って」
突然、死闘に割り込んできたファウストの声にティアが驚き、アレイシアがアステリアと魔王にストップをかける。
この男の立ち位置はハッキリしていないのに、なぜか自分たちに敵対する意思がないと確信があった。それは、自分の初めてを捧げた相手に対する未練なのかもしれないが……。
アレイシアの方も剣をさげて、複雑そうな顔でティアをみている。ファウストを繋ぐマナマイがなくても、ティアの言葉の端にファウストの気配を感じ取り、微かにすがるような眼差しを自分の半身へそそいだ。
『姫様、どうか落ち着いて訊いてください。ここで戦い続けてしまうと、次元が揺らいで、デーロスの強制力が働きます。その結果!姫様たちは市街地で戦うことになり、魔王も現世に引っ張り出される形になります』
「なんですって! それは本当ですか」
『はい。今、自分は上位世界で、この世界の決められた結末を調べていました』
「この世界の……結末?」
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